1998.08.26.
★Fm Fuji「J-pop Square」★

タワーレコード新宿ルミネ店オープンスタジオ

 
「8.26. 生キリンジ」

文/みやもり

98年の8月26日、つまりキリンジのメジャーデビューの日。
今日発売の「双子座グラフィティ」買わなくちゃ、と夕刻、旅先からの帰宅途中に新宿タワーレコードルミネ店へ立ち寄った。
すでに前日、松山のCDショップで実物は確認済み、小さな店だったのに面出しで並んでいたのが嬉しかった。紙ジャケだったなあ、なんて思いながらエレベータを降りると正面にFM-Fujiのブース。
小さなホワイトボードに書かれた文字に思わず目を疑った、「J-POP SQUARE/本日のゲスト、キリンジ」!!!
30分位後にキリンジがここで生出演するらしい。なんて偶然!半年前からすっかりキリンジにやられ続けて、遂に呼び寄せるまでに至ったか、と一瞬クラリ(苦笑)。
とりあえず友人に電話で知らせようとするも、自分の手が震えていることに更にビックリ。

店内を廻って気を落ち着けようとしてはみたが、落ち着く訳もなく。一応、試聴機一台が「双子座」専用機となっていて10枚も面出しされているのを確認。気もそぞろのまま購入、そういえばSg買うのなんて久しぶり。
時間が近付いたのでブース前に戻ってみたが、ギャラリーは3名ほど。なんだかここに居るだけで恥ずかしいような気分。

ゲストコーナー、いよいよキリンジの登場だ
兄は赤紫系のチェックのシャツ(スソ出し)、弟は白いTシャツ姿、フロントにオレンジ系の同心正方形プリント。
後日ワーナーのサイトで見た動くキリンジと同じ格好、もしやこの日に収録されたのかな?
なにしろこっちも滅茶苦茶落ち着かなかったので、細かい二人の様子はあまり覚えていないものの、やはり泰行さんは視線が泳ぎ、高樹さんは時折こちらを視線パトロールしていた気がする(笑)。

以下、後日思い出して書いたメモを元にトーク内容を(箇条書きで失礼)。

「Q:バンド名について」はお約束の内容。「相撲が特に好きな訳ではない」と付け加え。

兄弟でやり始めてまだ2年、べつに仲もあまり良くないし普通。ちなみに「兄貴」などとは呼ばず、普段は「兄ちゃん」と呼んでいる(現在では「いた」?)そう。たまたまお互い以前やってたバンドを解散して、声質が合うから組んでみた。

高樹氏はスペースシャワーをよく観ている(いた)らしい。当日のパーソナリティの女性がSSTV「Natural」という番組のナビゲーターでもあり、「良く観てますよ」と。

「Q:曲づくりは?」泰行さんは「部屋でギターをジャカジャカやりながら作る。」
高樹さん「やはり部屋でギターかキーボードで。」二人とも「詞は後から考える。曲はスタジオでは作らない。」とか。お互いに家で作ってきたデモを聴かせ合う。
弟「『双子座〜』は最初リハの合間に“どうかな?”って聴かせたんですけど‥‥(やや不満げ)」
兄「リハの最中だったのでそのときは落ち着いて聴けなかったんですよ(苦笑)。」
曲の共作も考えてはいる、いつかやってみたいと思っている。「牡牛座」で実現しましたね!)

「Q:レコーディングはどうでした?」
大変だったけど、インディーズのときには使えなかった生楽器が使えたのが良かった。レコーディングは主に築地のスタジオでやっていた。

「Q:好きな食べ物は?」泰行氏「ラーメン。特に好き嫌いがないので。」
高樹氏「寿司とかうなぎとか、一応(笑)。名古屋の『ひつまぶし』とかおいしいですよね。」
ここで泰行さんに「お寿司はどうですか?」泰行「寿司も普通に好きだけど、どうもまだ味覚が子供というか、大人の味覚になっていないみたいで」と淡々と。
次いで高樹さんにラーメンは?の問いが。「汁が飛んだりするのであまり好きじゃない」そうです(苦笑)。

10/25にニューアルバムが出ることに触れて、高樹さんから「アルバムタイトルは、言っちゃっていいのかな?『ペイパードライヴァーズミュージック』といいます。」(タイトル発表はここで聞いたのが一番早かったと思う。)「二人ともほとんど運転しないので。それと、“ペイパードライヴァー”っていう語感がいいなあって思って。」自信作です、と言っていた気がする。

「Q:ライブについて」
11月のクアトロツアーに絡めて「今回はバンドだけど、いずれはバンドじゃない形態でもやってみたいと思っている。例えば生の弦や管楽器とのライブとか」と二人。これ、興味深い発言でした。

「最後になにか、メッセージを」
泰行氏「そうですね、アルバム、ドライブしながら聴いて欲しいですね」
高樹氏「暑い日が続きますが、そんなときに合う『双子座グラフィティ』を聴いてください!」さすが、兄貴!

30分位も出演、『双子座』収録3曲すべてかかるサービスぶり。
泰行さんが、質問を受けると必ず「あぁ‥‥」とひと呼吸置いてからおもむろに話し出すのがなんだか妙に可笑しくて、司会者からもツッコミが入るほどであった。やはり緊張していたんでしょうね。

最後にかかった「さよなら、デイジーチェイン」が終わり、こちらもまだドキドキしているところに、スタジオわきのドアが開いて二人が出てきた。うわ〜‥‥。いつの間にか7人に増えたギャラリーのうち、どうやら3人はキリンジのスタッフだったらしく、二人にカバンやリュックを手渡し、そのまま集団でエレベーターへ向かう。
目の前1メートルを通り過ぎたキリンジさん達に声をかける勇気もなく、わたしは手にタワーの袋に入ったままの「双子座グラフィティ」を持ったまま見送ったのでした。お粗末。

1999.10.13.

 


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