2000.05.06.
★FM福岡「SELECTSHOP U+」★

 

寄稿/のりさん

 FM福岡の毎週土曜深夜0時〜1時放送の『SELECTSHOP U+』という番 組の5月6日放送分にトークコメントを寄せている時のテープを起こしてみました。 結構この番組でキリンジは常連らしく、店長の椎葉ユウさん(『SELECTSHOP U+』という名前からもわかるように『番組のかたちをかりた音楽のセレクトショップ』なんだそうです。なので、メインパーソナリティ=店長。)のキリンジのコメントについても親しげに「なんだかばかなことも言ってるけど、結構いいこと言ってるねー。」と感想を語っていました。 はやりとは無縁な独自の選曲で、かなり濃い番組です。そしていい番組です。 ずいぶん長いのですが、興味深く、そして脱線していく様が面白いのでまるまるテープを起こしてみました。

堀込泰行(以下、泰)「えー、キリンジの堀込泰行です。」
堀込高樹(以下、高)「堀込高樹です。」
泰「えーとー、今日はファミリーグループというテーマだそうで。」
高「ファミリーグループですね。あのー、キリンジも一応ファミリーグループなんで すよね。」
泰「そうですね。」
高「兄弟ということでね。」
泰「ね。」
高「うん。で、一応血縁のあるグループを、今回は挙げようというね。」
泰「はいはい。」
高「婚姻関係にあるのは、無し。」
泰「無し。」
高「ということですね。」(言葉がはやすぎて、「ですね」しかほぼ聞き取れな い。)
泰「どんなんありますかね。」
高「僕好きなの、まあ、まず挙がったのが、ビーチボーイズですかね。」
泰「うーん、有名すもんね。」
高「キミは?」
泰「僕はなんすかね、カウシルズとかね。パートリッジファミリーていう、あの、ソ フトロック(笑)特有のファミリーグループというか。(笑)」
高「自分ちで一番かわいいガキを前面に出して、興行を繰り広げるグループですね。 (笑)」
泰「そう。(笑)パートリッジファミリーはでもどうなんだろう、わかんないね、も しかしたら、今言ったけど。もしかしたら番組のなかでの『伊藤家』みたいな。」
高「そうそう。」
泰「『伊藤家』がレコード作った、みたいなノリかもしんない、でしょ?」
高「ねぇ。わかんないすね。あと、キンクスとか。」
泰「キンクス。兄弟ね。」
高「あと、あるじゃないですか、一番最近有名なのが。オアシスですか?」
泰「あー。」
高「オエイシスですか。」
泰「オエイシス。」
高「正しくはね。仲悪いそうですね。」
泰「日本のオアシスってたまに言われてますよ、キリンジ。」
高「キリンジ?」
泰「あ、違う。オアシスとは言われてないけど、日本のノエル兄弟とか言われている。」
高「本当?それは・・・」
泰「あ、ギャラガー兄弟?」
高「うん、ギャラガー兄弟。」
泰「ギャラガー兄弟。」
高「すごいですね。おもしろいですね。」
泰「うん。」
高「まあまあ。いいもん作ればいいんですもんね。」
泰「そうそう、結果としてね。」
高「あとなんすかね、ちょっとあの、あんまり知らないかもしれないすけどフリーデ ザインっていうね。フリーデザインっていうソフトロックの。」
泰「ああ。ソフトロックの。」
高「これはもう完っ璧なソフトロックですね。緻密な。びっくりするくらいの。」
泰「そうねえ。」
高「あとなんですかね。ジャクソン、あっ、ジャクソンファイブ。」
泰「ジャクソンファイブ。」
高「うん。あとオズモンズ。オズモンドブラザーズってありましたね。」
泰「はいはいはいはい。」
高「僕一番初めに買ったあのー、レコードがオズモンドブラザーズのヴォーカルの男 の子の」
泰「はいはいはいはい。」
高「『ちっちゃな恋人』っていうね。」
泰「ありましたね。」
高「うん。」
泰「うーん。」
高「そういうとこに因縁があるんですね。」
泰「うーん。」(唸ってます。)
高「あと、身近なとこだとスチャダラパーとかね。」
泰「スチャダラパー。」
高「うん。あと、ビ・・・ブレッドアンドバター。」
泰「ねぇ。日本でもわりと。」
高「ありますよ。」
泰「いますね。」
高「うん。」
泰「まあ中には、あの、いろんな意味の兄弟もいますけど。」
高「ありますね。ドゥービーブラザーズとかね。」
泰「うん。」
高「ドゥービーブラザーズは、本当の兄弟ではなくて。」
泰「あーのー。」
高「なんか、悪いことを。」
泰「悪いことをした仲間、ドゥービーな兄弟。ということですね。ようするにね。」
高「あと多分ね、この人達は兄弟の契りを交わしてるんじゃないかっていう人達がい て。」
泰「うん。」
高「一世風靡セピアとかね。(笑)」
泰「ああ、盃(さかずき)で。」
高「そうそう。『もう辞めるとき大変でした。』みたいな。」
泰「はははははは。」
高「そういうにおいがプンプンしますね。」
泰「うーん。」(唸ってます。)
高「うん。」
泰「そうねえ。」
高「あッ、チェッカーズ!」
泰「ああ、あれもそうじゃないですか。」
高「ねぇ。地元、地元。」
泰「地元じゃないですか。」
高「いっとかないと。」
泰「ねぇ。」
高「ふふふふっ。(笑)」
泰「(笑)」
高「ねぇ。」
泰「ファミリーグループ。」
高「そう。ファミリーグループで、いい点ってなんすかね。」
泰「なんすかね。なんなんすかね。あんがいその、あれじゃないすか、ジャンルじゃないつながりで音楽を作れる。っていうか。」
高「ああ。なるほどね。」
泰「もうちょっとジャンルっていうのは、まあ、好きなジャンルっつうのは結局あれじゃないですか、物心ついてから惹かれたものっていうことじゃないですか。」
高「そうね。」
泰「そういうんじゃないところで共通している部分で、同じグループを結成できるというか。」
高「うーん。」
泰「ねぇ。」
高「そうね。」
泰「漠然としてるかもしんないけど。」
高「あと、困る点ってなんすかね。」
泰「困る点はなんすかね。やっぱ争いが。」
高「そう。」
泰「あの、ファミリーならではの争いってのが。」
高「そう、ちょっとケンカしただけでも骨肉の争いとかって言われますからね。怖い っすよ。骨肉とか言われたらさあ。」
泰「ねぇ。」
高「でもあるじゃないですか。骨肉の争い。有名なのが。ビーチボーイズ。」
泰「ありますね。ビーチボーイズとサンレイズですね。」
高「うん。ビーチボーイズのお父さんがマネージャーだったんですね。ビーチボーイ ズは。でもブライアンとかがもうさ、言うこと聞かないからさ。」
泰「そうそうそう。自分で子供達を集めて作っちゃったんだよね。サンレイズっていう。」
高「よその子を使ってね。実の子はビーチボーイズで、よその子でサンレイズを作っ て、実の子と闘わせようとしたっていうさ。」
泰「ねぇ。なんていう親だ。」
高「わーるいっすよ。父親。ひどい。まあ、そういう点でね、ファミリーグループっ てむずかしい、とこがある。きっと。」
泰「そうっすねぇ。うん。」
高「さて。」
泰「はい。」
高「今回のシングル。(笑)いきなりでしたか?『グッデイグッバイ』のチャームポイントですけどね。」
泰「うん。」
高「なんすかね。これ、兄弟ならではのイイところが出たっていう感じがね、非常に してますね。」
泰「ああ、共作という意味でね。」
高「共作という意味でね。うん。」
泰「うん。」
高「なんすかね。非常にスムースじゃないすか。」
泰「うん。聴きやすくも。」
高「ねぇ。」
泰「うん。」
高「覚えやすくてね。」
泰「うん。」
高「ちょっとひねってあったりするしね。」
泰「そうそうそうそう。」
高「そこのバランスがよくて。こういうの今まであんまなかったですね。キリンジで はね。うん。」
泰「これいいんじゃないすか?あのー、ウキウキする感じもあるし、また、こう、春のちょっとしたさみしさもかいま見れる。というね。」
高「そうだね。」
泰「非常にキリンジらしい曲かなぁと思ってますけどね。」
高「そう。兄弟グループならではの良さを存分に発揮してるかどうかは、はわかりま せんが。(笑)」
泰「うん。(笑)」
高「まぁ、とにかくこんな感じですね。兄弟グループについて僕らが言えること は。」
泰「うん。結構いいこと言ったんじゃないですか。」
高「ねぇ。」
泰「まとめ的な。兄弟グループの全部の例を挙げましたからね。」
高「おおーっ。なるほどね。」
泰「うん。」
高「うん。」
泰「いいと思いますよ。」
高「ノーランズとかいましたけどね。いや、今言いたかったんですよ。」
泰「ノーランズ?」
高「漏れちゃいけないと思って。」
泰「あーはははははは・・・。」
高「今詰め込みました。」
泰「なるほど。」
高「うん。そんぐらいですかね。なんかありますか?言い残したこと。」
泰「言い残した・・・。」
高「まだいるぞー、っていう。」
泰「いや、特別ないすよ。僕は。」
高「狩人とか言ってないすけど。」
泰「ああ、狩人ね。あれも兄弟グループ。」
高「あと、つのだじろうとつのだ☆ひろとかね。グループじゃないすけどね。」
泰「あれスーパー兄弟ですね。」
高「スーパー兄弟ですよね。」
泰「どっちもスーパー。」
高「あと、鳥羽一郎と誰でしたっけ・・・山川豊ですね。あれもスーパー兄弟です ね。」
泰「うーん。案外多い・・・ね。あの、やっぱこう・・・クリエイティヴ兄弟。(笑)」
高「そうそうそう。」
泰「映画とかもあるじゃないすか。」
高「ああ、なんだっけ。えーっと、アキ・カウリスマキでしたっけ。」
泰「ん?何とか兄弟ってあるじゃん。」
高「コーエン兄弟(?)とかね。」
泰「そうそう、そういうのとかさ。」
高「あと、あいつらもそうじゃない?」
二人「マトリックスのやつね。」
高「うん。僕が言いたかったのは、『マッチ工場の女』とかさ。撮った監督も兄弟な んすよね。」
泰「あ、そうなんすか。」
高「うん。まぁ、どんどんそれてますけれど。」
泰「ねえ。(笑)まとめようと思ったのに。こういうのがねやっぱ兄弟ってあんまり良くないかもしんないですね。あの、役割をはっきり分担できないっていうか。どち らもでしゃばりがちである、という。」
高「うーん、そうですねー。」
泰「それによってこう、物事がこう、複雑に、よりなってきてね、こうキャンペーンとか来た時とかね、ちょっと困ったりするという。」
高「(爆笑)そうですねー。」
泰「そういうのはやっぱ気を付けなきゃ、と思いますね。ほかのバンドとかは、顔役とかはっきり決まってるからね。」
高「そうそうそう。うん。」
泰「まあ、そういうとこに気を付けてキリンジはこれからもがんばりたいと思いますが。」
高「はい、えー。」
泰「じゃあ、ここでさっそくキリンジの『グッデイグッバイ』を聴いてもらいましょうか。」
高「さっそくって、もうかなり経ってますけれど。(笑)」
泰「はい。(笑)」
高「聴いてもらいましょう。」
泰「ということで、キリンジの堀込泰行と。」
高「堀込高樹でした。」

『グッデイグッバイ』が流れる。

2000.06.26. up

 


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