2001.05.04.
★J-wave [GoldenWeek Special・cafe reLax]★
HMV渋谷・インストアライブレポート

 

東京のFM局、J-waveが放送した特別番組「GWスペシャル」内、渋谷HMVでのインストアライブ生放送。昨年11月に続いてキリンジ再登場!午後4時半頃からの生放送でした。


文/みやもり

GWということで午前中帰省先から戻り、急いで渋谷HMVへ。3時過ぎに到着するとリハはまだセッティング中の様子、間に合った!
すでにステージ上には楽器を抱えて座ったメンバーが。アコースティックミニライブということでステージ上もシンプル。左から冨田さん、まん中に泰行さん、高樹さんとギター3人が並び、冨田さんの後ろにキリンジバンドでもおなじみ、ベース立川さん。4人の脇にはそれぞれ譜面台が。
3月にatamiライブがあったとはいえ、久しぶりに観る生キリンジの姿にドキドキ。
まず感じたことは「高樹さん、髪が伸びた!」 (今まで見た中で一番長めだったのでは?)白地にブルー&オレンジのチェックシャツ、インにオレンジT、ジーンズ姿 。一人だけ半袖姿で季節をリード?前日まで肌寒いGWだったものの、この日はなかなかの上天気だったこともあるのかな。
泰行さんは、グレーのウエスタン風切り替えシャツ、インに白T、ジーンズ。足元は2人ともちょっと似た感じの裏皮の靴で、泰行さんのはデザートブーツ風でした。
次に気になったのは「冨田さん痩せた?!」年末のツアーのときとはなんだか異なる印象。
高樹さんもスッキリされたようだったけれど、この冨田さん効果ほどハッキリとはわからず(失礼!)。ちなみに冨田さんはストライプの長T+インに赤T、本番では脱いだもののリハではその上にスイングトップも着用、暑くなかったのかな?足元は黒い布製スニーカー。
そして立川さんは、長身に映える白いシャツを羽織ったいつものファッション。

目を惹かれたのは高樹さんが今まで観たことのないアコギを抱えていたこと。泰行さんはいつもの シェクターのエレアコ、そして冨田さんは普段の高樹さん使用ギターと色違いのギブソンES-335。
うーん、これはおそらく演奏するはずの「エイリアンズ」イントロは誰が弾くのかな?と気になる。
メンバー全員譜面を見ながらフレーズをつま弾いたりする中をスタッフが歩き回り、サウンドチェックやデジカメ撮影。高樹さんがマイクを通してモニタ音量調整などに声をかけている。

リハーサル演奏が始まり、曲目もわかってくるとますますドキドキ、緊張してくる。いや早くもリハ見学で涙が出るとは。通しで2回演奏した曲などもあり、大体本番開始45分前くらいまで続いた。

集合時刻・4時を5分ほど過ぎて入場が始まり、4時20分ごろナビゲイターの鈴木裕介氏登場。以前bayfmの生番組でキリンジを迎えたこともある人で、そのときの進行もいい感じだったのを思い出し、ひと安心。お決まりの拍手の練習などをしつつ4時半を待つ。
予定時刻が近付き再び鈴木氏、続いてメンバー登場。場内にざわめきが広がり、緊張が高まってくる。セッティングしたまま生放送の出番が廻ってくるのを待つ間、メンバーはそれぞれ軽く楽器を鳴らしたりしている。そんな中、高樹さんは今日もギターをかかえたまま視線をぐるり。にぎやかなスポットCMが流れる中、高樹さんが鈴木氏に「これ、生コマーシャルですか?」と訪ねていたのがちょっと可笑しかった。(たしかにそんな風に聞こえる作り)

番組ジングルが流れ、いよいよ本番。鈴木氏がハキハキとした前フリで軽いジョークを交えながら、キリンジを紹介!
「堀込泰行です、どうも」「堀込高樹です、よろしくお願いします。」(拍手!)
ちょっとぎこちない二人に鈴木氏、
「場内ギッシリのお客さんですもんね。テレくさいですけどね、距離も近いですし。」
と、気配りはさすが。
高樹さん「ちょっと緊張してます、久しぶりなので」(バックに泰行さんの咳払い)
「緊張しますよねー。いいですか?では、演奏よろしくお願いしま〜す!」

大きな拍手の中、高樹さんが横に置かれたシーケンサー(以前の物より小型で新しそう)のスイッチを押し、クリック音に合わせて「ワン、トゥ、ワン・トゥ・スリー...」と小声でカウント、「悪玉」がスタート。
高樹さんのアコギがとてもいい音!リズミックなストローク弾きに、冨田さんのセミアコがフレーズを載せ彩りを加えてゆく。
のっけから“泰行さん、声が良く出てるなあ”と思っていたら、追い掛ける高樹さんのヴォーカルの力強さに更にビビッと来る。二人とも数カ月ぶりのライブだなんて思えないくらい、サビのハモリも対等でバッチリ! (今日は何か違う?)と思ったら、今までライブでこの曲が演奏されたときには必ずkey.の大山さんもいらしてコーラスにも参加されていたから、キリンジ・オンリーの歌唱で聴いたのは初めてのこと。後でこの事実に気付いてちょっと感激。
間奏では冨田さんのセミアコ・ソロに唸り、乗っかってきた高樹さんのアドリブスキャットに心奪われる。
そしてラストはお待ちかね、泰行氏の生「...マイ・マイ・マイ・マイクよこせ、早く!」
ここ、やっぱりハイライト!小編成ゆえ、エンディングもコンパクトに。

演奏時とはうらはらに、MCになると途端に「えー、あー」とぎこちなさが出る泰行さん。高樹さんも「人前に出るのは渋公以来なので、ドキドキですよ」と言いつつも、泰行さんにメンバー紹介をうながす。紹介時、ちょっと立ち上がって後ろのファンへの配慮を見せる、気配りの兄(笑)。ここで気になっていた高樹さんのアコギは新購入されたものと判明、おそらくヴィンテージなのではないかな?とにかく響きがいい。
兄「6月13日に新曲が出るので、今日は一早くお届けしようかと、思いまして。…初めて聴く方もほとんどだと思うんですが、それがこういう(特別な)編成っていうのもね、あんまりないことだと‥‥。」
弟「まぁまぁまぁまぁ‥‥(笑)」
兄「えぇ?なんで僕なだめられてんですか?
  いま『どうどうどうどう』みたいな感じだったじゃないですか(早口!)」
弟「‥‥大きいからね」(もはやコレはネタ?)
兄「‥‥そうです、大きいです」
二人「‥‥じゃあ、やりますか」

緊張も少し薄まり、なごやかな空気の中新曲「雨は毛布のように」。「もしかして?」と思ってはいたものの、この曲まで聴けて感激!
これもシーケンサー&高樹カウントでスタート。ここでたしか高樹さん、イントロほんの少しピックを口にくわえて指弾き、すぐに続けてピック弾き?(のように一瞬見えた)。
アコースティックセットに冨田さんとの2本のギターが映える。
実はリハで初聴きして胸が一杯になり、ちょっと涙が出てしまったこの曲。せつなく綺麗なメロディに、蒼くちょっぴりお熱い歌詞がなんだか妬ける。 今すぐに恋人に逢いたくなるような。エイリアンズと同じく泰行さんの声域の魅力的なところが出ているし、歌い方もよりまろやかになったように感じる。2人で歌うところが多いのも嬉しく、サビは毎回ほぼ全体がハモリ!間奏では高樹さんのアドリブスキャットも聴けて感激。 全体に渡って鳴っていたギター2本のカッティングがこの曲を軽快に印象づけていたように思う。
急な音程差も多く歌いこなすのは難しそうなのに、一聴では気付かせないほどポップ!しかもキリンジカラー! いきなりのお披露目に思いきり拍手を贈るよ!

ここで高樹さん「曲目を言うのを忘れてたと思いますよ」と泰行さんにうながし、やっと1曲目からの曲目紹介。泰行さんは新曲のタイトルに「恥ずかしイっすね」とちょっと照れた様子。二人とも緊張しているらしく、その空気をして兄曰く、
「ヤバイですね、僕らのラジオみたくなってますね。‥‥曲行きますよ、曲!」

シーケンサーがデッドでスローなリズムを吐き出し、「エイリアンズ」
イントロのギターフレーズは泰行さん。今まで冨田さん参加のライブではほとんど彼にまかせていた箇所だったので、自らによる安定した演奏に感激。見事に弾き切り 歌い始めて間もなく、安堵からか思わず2番の歌詞が一瞬出るも、顔色も変えずすぐに戻したのはさすが。‥‥う〜ん、何度聴いてもいいね、この曲は‥‥。間奏のギターソロも自身で決め、そのぶん続くスキャットは珍しく高樹さんが担当。これにもうっとり。そして最後の高い高いアドリブスキャットだけは泰行さんが。もう言うことありません、エアチェックを聴き返すたびに涙が出そう。

最後に今回もカヴァーを1曲、とランディ・ニューマンの「サイモンスミスと踊る熊」を。
MCの間に立川さんはベースを置いて退場、この曲ではシーケンサーもなし。ギターを置いて歌詞のコピーを手に持ち、泰行さんはヴォーカルに専念。高樹さんがアコギでゆったりとしたリズムを取るイントロに続く....はずが思わず歌に乗り遅れてしまう。場内微笑みムードの中、引き続きイントロを弾く高樹さんが暖かく「もう1回やりま〜す」と。笑いで空気がほぐれる中、小さく「緊張すんだよ‥‥」と泰行さんがつぶやいたのまで電波は拾ってます;
でも歌が始まればそこは泰行マジック。しっかり歌詞を眺めながらの歌唱だったにもかかわらず、聴く側はすっかりリラックスムード。ほんとうに聞き惚れてしまう。後奏のスキャットは鼻歌みたいに軽くふわりと空気に馴染んで、ギター2本の上でかろやかに舞っているよう。こういう米国のSSW物のカヴァー集、いつか出してくれないかなあ(願)。うっとりとした気分に包まれたまま、あっさり終わってしまった最後の曲を惜しみ拍手を贈る。

締めのトークでようやくホッとした表情を見せた二人。 演奏中曲が終わるごとに、「あ〜、緊張した」と小声でこぼしていた泰行氏。たしかにMC時、兄にうながされての進行を見ている限りでは相当なものと受け取れるのだけど、堂々の歌いっぷりからはさほど緊張は見て取れない。でも、そういうこちらも気がつけば緊張しつつ見守っているのだけど(笑)。
GW中だったことからオフの過ごし方トークになり
「常に曲を作ったり、レコーディング用の作業をしたりしつつ、自分でオフを決めて...気持ち的には休まらないですね」 と高樹さん。
「じゃあ、もし今オフが取れたら何したいですか?泰行さん!」と急に流れでフられて思わず
「フェえっ?」と声がオクターブひっくり返ってしまった泰行さん(笑)、すっかり緊張の糸が途切れていたところだったんでしょうね。
「なんだろ?ドライブとか行きたいですね。友達の運転の横で景色眺めるのが好きですね」
高樹さんは?
「僕はもう、消しゴム版画やりたくてしょうがないですね。」雑誌(TV bros.)でどんどん発表するそう。

6月リリースの新曲の話になり、司会の鈴木氏が「キリンジお得意の“せつなさわやか”な」と評したのには思わず「ウマイ!」と。作詞:泰行さん、作曲:高樹さん、しかも初女性コーラスにaikoさんを迎えて、と初めての試みづくし。
そして7月にも新曲を連続リリース、続けて控えているツアーの内容などにもトークは及んで、ワクワク感を最高潮に盛り上げたまま収録は終了。
今年最初(で最後!)のインストアは、「キリンジな夏」の予告篇には充分すぎる素敵さだった。

2001.05.29. up

Play List

01.悪玉
02.雨は毛布のように(6月発売の新曲)
03.エイリアンズ
04.サイモンスミスと踊る熊(ランディ・ニューマンのカヴァー)
 
 
出演‥‥堀込泰行/vocal, electric-acoustic guitar
    堀込高樹/acoustic guitar, vocal

    冨田恵一/electric guitar
    立川智也/bass



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