2000.04.21.
★ TOUR 2000/pt.1・赤坂BLITZ ★

 

寄稿/みっちいさん

*個人的にいただいたライブの感想を元に、お願いして掲載させていただきました。
(みやもり)

ライブ直前に体を壊し、ライブに参加するのは無理かと思い非常に落ち込んでいまし たが、プロモーターの方に相談した結果、2階席に空きが出た場合にのみ座席を交換 していただけるということになりました。
座れる保証はありませんでしたが、体調が安定していたので、「ダメなら壁に寄り掛かって音だけでも聴こう」と思い、出掛けました。

2階席は関係者席だということで、席の空き具合が直前まで分からず、7時ぎりぎりまで外で待たされましたが無事に交換していただき、会場に入ってとりあえず狙っていたストラップをGET。
大急ぎで2階に上がりました。

ドアを力一杯開けると、舞台が白く輝いているではありませんか!!
そして、演奏の音だけが聞こえています。一瞬、違うライブに来てしまったのかと思いました。そんなわけはないんですが、私が抱いていた「素朴で飾らないキリンジ」というイメージを覆してしまうほどそれはとてつもなくかっこいいオープニングだったんです!

ライブは、もう完ぺきでしたよね?私は一番後ろの席からの参加でしたが、ステージ上の一体感と、ステージ&お客さんとの一体感をひしひしと感じ、「すごい!、すごい!」と心の中で叫びながら目をきらきらさせて前のめりで頭を振っていました。
関係者席とは言え、周りでものっていた人が多かったですよ。

そして、「双子座グラフィティ」が始まると、ステージの前にハンドクラップ隊が!!
「あー、皆さんはあそこにいるんだなあ。」と嬉しくなってしまいました。

それに、「むすんで ひらいて」と「千年期末に降る雪は」が聴けて感激でした。 ライブではやらなそうな気がしていたので。
もう、かっこ良すぎてうっとりしてしまいました。キリンジの世界を「どうだ!」と 見せつけられたら、もう「参りましたっ!」と言って呑込まれてしまうしかないですよ。

多分1Fで参加していたら、自制がきかずに今ごろ体を壊していたでしょう。
行かなかったら行かなかったで、一生後悔していたかも。
帰りに優先予約のチラシをもらったので、7月には横浜に行きます!
 


寄稿/そふぃあさん

「こんなこと言うと怒られるかもしれないけれど、ロ ックは男のものだと思った。」
故淀川氏が『ベルベット・ゴールドマイン』に寄せた評に、そのような趣旨のくだりがあったのをふと思い出した。かといって男であればロックができる、というわけではないだろうが、泰行氏は、男であることとロックをやることの、やるせないような親和性をライブで体現できる存在となりつつある と思った。
伏線はツアー開始と同時に発売されたシングルのカップリング『むすんでひらいて』にすでにあったと思う。今までに無く生々しさを全面に出したヴォーカルとギターが、一曲の中で音の質感が徐々にざらついて いくような微妙な録音とあいまって、やるせないまでの緊迫感を生んでいく。
ライブでもやはり『アルカディア』〜『むすんでひらいて』が、私にとっては最大の見せ場だった。ギターソロに入れ込むあまりヴォーカルの入りが遅れようが、フロントの泰行氏の存在自体がともかく堂に入っている。その『むすんでひらいて』のエンディングは、高樹氏のギターの歪みと唸りが緊迫感を飽和させ、最後の緊張の糸が切れた空間を残響だけが鳴り響いていった。一観客としては息苦しいまでの虚脱感さえ味わったのだった。

さてその高樹氏だが、昨年ツアーに比べてストラップは短めになり、視線はかなり手元と足元に集中していた。
が、慎重な面持ちとは裏腹に、『千年紀末に降る雪は』ではバックとのプログレッシヴなセッションで、実にさりげなく、世紀末の世界を崩壊させてしまった。そのまま『銀砂子のピンボール』に演奏がつながらなかったら、 さながら水没した都市の底を歩くような気分で帰途に着くことになっただろう。(^^;;

 確かにキリンジはともかく言葉とメロディーが心地よい。何故かこの日のライブも雨に恵まれ、『雨を見くびるな』〜『水色のアジサイの上』のしっとりした流れも趣深かったし、ライブ初披露の『休日ダイヤ』では、はにかむような青々しさにじんときた。こちらもずっと歌い通しだったけれど、終演後しばらくバーにもたれて味わった気分は、微笑ましい、ほのぼのした、さわやかなといった言葉では括れなかった。
 勿論、ライブ全体の方向性をどこにもっていくのか、 質の高い曲ばかりで難しいところだろうし、何処に力点 を置いて観たかによって、今回受けた印象は人それぞれ かなり変わるかもしれない。単に私が経験や言葉を知ら ないだけかもしれないが、それでも、「ひねくれポップ ス」の「ひね」が孕む緊張感に圧倒されて、それを率直 に「ロック」と呼びたくなったライブだった。

 
Play List

 ・Rockin' in Rhythm(ウェザーリポートver.による、原曲:デューク・エリントン)
  (バックの方々による演奏)

 1.牡牛座ラプソディ
 2.水とテクノクラート
 3.双子座グラフィティ
 --MC
 4.冬のオルカ
 5.B.B.Q.パーティ
 6.雨を見くびるな
 7.かどわかされて
 8.水色のアジサイの上
 9.口実
 10.甘やかな身体
 --MC
 11.Drive me crazy
 12.風を撃て
 13.アルカディア
 14.むすんでひらいて
 15.ダンボールの宮殿
 --MC
 16.休日ダイヤ
 17.五月病
 --MC
 18.グッデイ・グッバイ
 19.唐変木のためのガイダンス
 〜20.茜色したあの空は
 21.野良の虹
 -- encole --
 22.千年紀末に降る雪は
 〜23.銀砂子のピンボール
 
 
出演‥‥堀込泰行/vocal, guitar
    堀込高樹/electric guitar, chorus

    立川智也/bass
    嶋村一徳/drums, chorus
    大山泰輝/keyboads, chorus
    音川英二/sax, fl



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