オンライン・レッスン No. 16
EBAKOS ON LINE LESSON NO.16
ここで、いったんアーバン金管教本から離れて、唇の柔軟性について、お話ししたいと思います。
金管楽器奏者の唇は、それ自体が振動体ですから、できるだけ豊かに振動することが好ましいことは言うまでもありません。とは言っても、唇を自由にコントロールしなければ、楽曲を演奏することはできません。唇のコントロールが、金管楽器奏者にとっての、最大の技術獲得といっても過言ではないでしょう。改めて言いますが、そこには、呼吸のコントロールが最も重要な要素になります。お忘れ無きよう!!
コントロールはしなければならないが、柔軟でなければならない。これは金管楽器奏者の永遠のテーマでもあります。
では、どうすれば良いのか・・・・
これから、しゃべることは、物理的に証明されたものではありません。ですから、何を言ってるんだと、おっしゃっても結構です。ここの部分に関しては、質問は受け付けません。私の独善です。それをご理解していただいた上で、読みたい方だけ読んでください。
練習を始める音は、自分の音域の中庸あたりが好ましいことは、以前にも言ったと思います。自分の音域を体にたとえて、おへそあたりから、練習を始めてください。そしてその吹き方で、自分の出せる音域を吹くようにする。その吹き方というのは、何も変えないというのではありません。当然、音域が高くなれば、位置のエネルギーは大きくなりますから、音量は大きくなります。音量を大きくするには、息の量を増やさなければなりません。
何を変えてはいけないかというと、唇の振動する部分(場所)を変えてはいけないのです。振動体は同じだという事です。できれば、その振動体の両端の位置も変えないことです。そうすることによって、ようやく、奏法の中にメジャー(物差し)ができます。拠り所ができると言うわけです。
さて、柔軟性とはなんでしょうか?(楽器はBb管で吹いているものとします。音名は実音です。)
私は、同じ感覚で出る音程の幅が広ければ広いほど、柔軟性に富んだ唇というように評価します。
(1)たとえば、Fを吹きながら、2番ピストンをできるだけ速く押してやります。ブレスの意識としては、Fの音をロングトーンしている感じです。出る音はどうでしょうか?FとEが交代に速く聴こえると思います。
(2)次に同様にFをロングトーンしながら、1番ピストンを押します。出る音はFとEbを出すようにします。
(3)次にFをロングトーンしながら、3番ピストンを押します。出る音はFとDを出すようにします。これは、かなり難しいと思います。これができるようになるということは、かなり下がるための柔軟性を獲得したという事になります。
今度は音程を上げていって見ましょう。
(4)Fをロングトーンしながら、2・3番ピストンを押します。出る音はFとF#を出すようにします。
(5)Fをロングトーンしながら、3番ピストンを押します。出る音はFとGを出すようにします。
(6)Fをロングトーンしながら、1番ピストンを押します。出る音はFとAbを出すようにします。
これができるようになるということは、かなり下がるための柔軟性を獲得したという事になります。
このあたりまで、なんの苦もなくできるようになれば、ある程度の柔軟性を獲得したと言えるでしょう。
次に、以下の二つの練習をしてみましょう。
(7)Fをロングトーンしながら、1番ピストンを押します。
すると出る音はFのほかはEbかAbですが、それを交互に吹き分けてみて下さい。その際、できるだけ、Fの時の状態を保つようにして下さい。
(8)Fをロングトーンしながら、3番ピストンを押します。
すると出る音はFのほかはDかGですが、それを交互に吹き分けてみて下さい。その際、できるだけ、Fの時の状態を保つようにして下さい。
この二つが、苦もなくできるということは、かなり、柔軟度が高いと言えます。
これが充分に出来れば、リップスラーの練習に進むことができます。
これ以降は、次回のレッスンで・・・
それでは、頑張って取り組みましょう。
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