それでは始めましょう。

ちょっと一言

スタンス

・・・といってもきまったやり方があるわけではないんですね。
 だからどういった風にするのが一番よいとか、私がどういう風な経路でいろいろ作ってきたかということを言語化するのは大変なことではあるのです。

 そういうことで、アカデミックではなく、行き当たりばったりの、支離滅裂なことを書いてしまう可能性があるのですが、”習うよりなれろ”的なものは大いにあると思うので、始めのうちは時間を決めて作ろうとか、作るまえにいろいろ考えたりといったことはせずに、とにかく、そこにあるところから手を付けてみるというスタンスで良いのではないかと思います。

 設計で、”カットアンドトライ”という言葉がありますが、(決して良い意味で使われることではないとは思いますが。)これは、とにかく、作っちゃって、あとは部品をとっかえひっかえ、線を切ってみたりつないでみたり、それでなんとかなるだろう、くらいの意味でしょうか。こればかりでは問題がありますが、趣味で作るんですから、多少の失敗は覚悟の上、また、そういった経験も案外重要なのではないかとも思います。



いかにして機能実現を果たすか

 なにかの装置を作ろうする場合、幾とおりもの方法があって、どれを選ばなくてはいけないという義務はありません。逆にこれが、どうやっていいかわからない、ということにつながりますが、それは個人個人が決めれば良いことです。手持ちの開発環境からの制限、個人の経験、あるいは部品が秋葉原で入手可能か、デザイン、サイズ、いろいろなことを加味して、最善のものを選択できれば良いのですが、これは実は案外難しいので、始めのうちからこだわるのはどうかと思います。

 たとえばですが、回路中で使われる抵抗の数値、なぜそれを選択したか、どのような難しい数式を解いて出したのかと思われるかたもいらっしゃるかと思います。ところが実際は、厳密な計算をして求める場合もありますが、往々にして適当な値である場合もあります。なぜなら、100Ωとか1KΩというきりの良い値であれば、計算が楽ですし、また、たくさんの種類の部品を買ってこなくてもいろいろと使える(在庫部品を使える)わけです。(それに、部品は一度にたくさん買えば安い)ということで、結構いいかげんにしている場合もあるのです。

 とにかくは、手段はいろいろ。発想・目的が大事。始めのうちは”ドラえもんのポケット”的な発想だけで具体的実現案が見つからないかも知れません。問題はどうやって作るか、です。手をかざしても画像は出てきませんから、なんとか(秋葉原で購入できる部品で)作る方策を考える必要があります。

さて作りましょう。


キット製作のおすすめ

 キットとは、製作に必要な部品一式と、専用プリント基板が入っているものです。始めて電子工作に手を染める場合、これから入るのが一番良いと思います。種類は非常にたくさんあり、きっとお気に入りのキットが見つかるでしょう。コスト的にも比較的妥当なものだと思います。

以下のページでどんなものがあるか見れると思います。
ワンダーキット
エレキット
秋月のキット

エレキット、ワンダーキットとも、大変有名ですので、あちこちのお店で扱っていると思います。(ただ、すべての品種を揃えているわけではありませんから、幾つか欲しいものをいくつかリストアップしておくべきかと思います)秋月のキットは、秋葉原の秋月電子で出しているものですが、こちらはどちらかというと少し上級向けと言われています。秋月以外で販売していることもあります。

キットさえ買えば作れますか?

いや、やはり多少必要です。

まず、最低限の工具を。(でも一般的なものだけで、始めから特殊なものは必要ないと思います)


ハンダごて  

 ハンダごてはいろいろなものがありますが、趣味で使うのであれば高いものを買う必要はないと思います。お店にいくと、たくさん並んでいて、どれが良いのかと悩む場合もあるかと思いますが、まず、20-30W程度のものであれば良いと思います。

(大きいものは大は小を兼ねる、ということも言えなくはありませんが、大きいものだと始めからついている”コテ先”が太いので、小さい抵抗などをハンダ付けするのには向きません。部品が大きくて放熱が良いものだと、それなりの大きい出力である必要がありますが、しかし通常の電子工作では、2-30Wあれば十分です。)


 じゃあいったい具体的には?という場合は、例えば、

good ニクロム線はんだこてKS-20もしくはKS-30\920
good セラミックはんだこてCX-20もしくはCX-30\1,750

(価格:千石電商しらべ[税込み])
このあたりでどうでしょうか。セラミックハンダごては多少高いですが、プラグをコンセントに入れてからの温まり方が早くてすぐ使えるのと、絶縁抵抗が高いという特徴を持っています。







写真:上からニクロム線ハンダごて、セラミックセラミックハンダごて、自動温度調節型ハンダごての例(前述の型番のものとは異なります)


ハンダ付けに際するその他の部品

こて台

 これは必須ではありませんが、熱くなったハンダこてを置いておくのに、適した台があった方が、じゅうたんの上にコテを落としてしまう類の事故も減るものと思われます。また、こて台には通常、ハンダこてをきれいにするスポンジ(水に濡らしてつかう)が付いていますが、実際、ハンダのこて先をきれいにする作業は頻繁にしますから、台というより、クリーニング用として必要かと思います。こて台は安いのでは200円ぐらいからあります。


写真上:\210のコテ台(実際には、これにスポンジが付属する)
写真下:これは少し高い・2000円位。



ハンダ吸い取り線

 これも必須ではありません。ハンダ吸い取り線は、細い銅線が編まれたもので、これを失敗したハンダ付け部分に置いて、ハンダこてをあてれば、基板上のハンダが吸い取り線へきれいに吸い取られ、ハンダ付けをもう一度できるというものです。あった方が、良いとは思います。値段はたしか、200円程度です。

 なお、ハンダを吸い取るにはこの他にもいろいろな方法があります。

 これらのものがセットになった(ハンダごて(ニクロム線)、ハンダ(少し)、吸い取り線、こて台などがセット)
good 電子工作用はんだこてセット\1,550
があります。これも良いかもしれません。


ハンダ

 ハンダそれ自身も、いろいろあるのですが、いわゆる”普通の”で良いでしょう。1kg売りとかはコストパフォーマンスが良いのですが、使いきらないので、300円前後で”電子工作用”として売られているものでよいのではと思います。太さは1mm前後であれば良いでしょう。

ニッパ

 コードを切ったり、長い部品の足(部品から出ているスズメッキ銅線のこと)を適当な長さに切ったり、いろいろな場面で必要となります。専用の高いニッパもありますが、500円から800円くらいのもので、十分実用になるでしょう。

写真:一番左\500(特に電子工作用ではありません)
   一番右\1600(精密ニッパです。もっと高いのもあります)

ピンセット

 100円程度の安いものはあって損ということはないでしょう。
*ちなみに写真上は100円、下が2千数百円のものです

部品

 果たして、キットだけで完成しない場合が往々にしてあります。例えば、電池で動くキットで、電池ケースだけついていない場合などには、電池ケースを買ってくる必要があります。エレキットなどでは、キットのパッケージの裏あたりに、他になにが必要か書いてありますから、きちんと確認して、それらも購入する必要があります。(余談・・・キットによっては、そういう部品をオプションとして、通販してくれるところもありますが、概して、高いです。だいたい一般的に売られているものだけ入っていない場合がほとんどですからなるべくいっしょに買ってきてしまいましょう。)
なお、コードはなにかと必要ですので、買っておいたほうがいいと思います。コードもいろいろあって、困るのですが、
・内部がより線
・太さは見た目で1mmぐらいの太さ(芯線0.12*7か0.18*7程度)
・値段が1メートル20-30円程度のもの(値段的に、特殊なものは高くなるので、このくらいのものであればまず平気でしょう。各色お好みで選ぶか、またはパック品で、10mくらい買っておけば良いかと思います。)
(こんな感じのもの。−>)

 キットでなく、本の製作記事などをもとに部品を集めてくる場合が出てくると思いますが、安い部品であれば、多少多めに買っておくと良いと思います。部品はいろいろな原因で破損する場合がありますし、部品を変えて実験したい場合など、自宅にある程度の在庫をもっておくと大変便利です。また、秋葉原などで抵抗やコンデンサの”ジャンク袋売り”を見つけたら、買ってみることをお勧めします。これは、最近は少なくなりましたが、ジャンク店で、在庫を処分するためにそこいらじゅうのものを袋に詰めて300円とか500円くらいで売ってしまうものです。中身を見極めるのはこれまた特殊技術ですが、上手くいけば、実売価格の数十分の1程度でいろいろな部品を調達することが可能です。





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