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 第34回・三菱東京フィナンシャルグループ(8306)

 第34回は三菱東京フィナンシャル・グループ(8306)
「大口問題先少なく、不良債権処理はほぼ計画線(四八○○億円)も、
株償却(約三五○○億円)かさむ。税効果プラス要因あり、最終均衡圏。
02年度は中堅・中小向け不良債権処理続くが、株償却減。三年で二・六兆円売却、
残高を半減へ。新経営計画は04年度で連結最終益三七○○億円目標。」(会社四季報より)
「査定の精度向上のため、外部情報による内部格付の検証制度導入。
三菱東京FG(TMFG)が、整理回収機構(RCC)に2兆5,000億円相当の
第3分類と第4分類の不良債権を売却するという報道が一部ありました。
 これを受けて、INGベアリングでは、同社に対するインタビューを通じて、
TMFGの資本余力と経営判断をポジティブに評価しています。
 なお、RCCについては、銀行側が簿価を大きく下回る価額での売却のみ
買い入れするというスタンスに終始しており、現状では銀行側の不良債権問題の解決の
受け皿にはなりえないと指摘しています。」とありますが、不良債権処理は
本当に完了したのだろうか?疑問符がつきます。財務体質も
ムーディーズの格付けでも「D」で、数年の間に格付けも悪化しました。
不良債権処理問題はまだ解決していないことはわかる方にはわかると思います。
2002年度連結決算は経常損失2893億、当期損失1523億を計上しました。
都市銀行の中では健全経営ですが、株式市場次第といったところでしょう。
 株価分析および株価予想ですが、2003年度の1株純利益予想は12858円
2004年度は34947円、アナリスト予想は強気に見ているようですが、
1株純資産は516832円、赤字決算なのでROE、PERでは評価すると
割高であることは言うまでもありませんが、90万円の株価はファンダメンタル的に
見るとやはり割高であります。株価下落や不良債権処理による損失も考えられますので、
銀行株は総じて積極的に買えるものではありません。ペイオフによって
健全銀行に資金が流れていることはプラス材料にはなりますが、
懸念材料は多くあると考えられます。短期的には100万円をにらむ展開ですが
中期的(3ヶ月〜1年)には80万円割れもあるかもしれません。
今は大分上げていますので、これから株価を下げる可能性が十分あります。
長期的には100〜150万まで上がってくる可能性は高いと思います。
過去の常識ならそうですが果たしてどうでしょうか?
長期なら押し目買いがいいと思いますが、しかし今の株価は割高感があるのでは?
過大評価されているのはないかと考えています。

買い判断―短期(1〜3ヶ月)・D 中期(3ヶ月〜1年)・D 長期(1年以上)・D+

(2002年6月9日作成)

 

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