「十六年間を振り返って」
  皆様、本当にお世話様になり有難うございました

 新緑の美しい、清々しい季節となりました。皆様におかれましてはお元気に過ごしていらっしゃることと思います。
 さて、新しい市議会も五月よりいよいよスタートしておりますが、
私こと山下倫一は、四月三十日に任期満了に伴い平成三年から四期十六年勤めました議員を退任いたしました。四回の選挙では皆様の厚いご支援によりいずれも上位で当選させていただき、また議長としての責務を全うして議員生活を終えることが出来ましたこと、誠にうれしく思っております。

 そこで思い出に残る主な活動を検証してみました。
@ 平成三年九月議会における初めての一般質問で、公約であった「安全でおいしい水」の問題として、マンションの受水槽撤去を取り上げました。以来、「安全でおいしい水」の確保は議員生活の大きなテーマであり、折にふれて質問をし続けてきました。その成果として、平成十年八月から三階建てのマンションでは受水槽を設置しなくてもよいことになりました。

A 平成四年三月議会では「福祉環境整備指導要綱」が機能していない点を一般質問で指摘し、平成五年十月には大幅改正が実現しました。

B 平成七年から二年間、議会選出の監査委員を務めさせていただきました。市役所の各部局の監査をすることで行政内部の仕組みを勉強ができたほか、市長選に使用したポスターに対する「著作権」等に関する監査請求の審査を行うなど、貴重な体験もいたしました。

C 平成九年十二月議会では、行政の効率化、透明性確保のために、かねてより研究していた自治体におけるバランスシートづくりについて質問し、平成十二年の武蔵野市における初めてのバランスシート作成のきっかけとなりました。

D 平成十年十月には議員活動をいかに皆様にお知らせするかを考え、当時はまだ珍しかった議会報告と情報公開のためにホームページをつくり、議員活動の情報を皆様に素早くお伝え出来るようにいたしました。

E 平成十四年には静かな住環境を守るため、住民の方々との協力により、西久保一丁目の通り抜け車両の規制に成果をあげました。NHKの「ご近所の底力」にも取り上げられ地域連携の活動として思い出に残っています。

F 中町の三井不動産のマンション紛争を始めいくつかのマンション問題や「ワンワンパトロール隊」の結成など地域の方々と協力しながら取り組みました。街づくり防災などかけがえのない経験をさせていただきました。

また、平成十七年六月から十九年四月までの二年間は第三十八代の武蔵野市議会議長を務めさせていただきました。途中市長の交替や市政初となった予算否決など大きな課題もありましたが、これらも与えられた使命と胆に銘じて全力で取り組み、大きな混乱を招くことなく職責を果たせたと思っています。
議会内では各会派から出された百項目にわたる議会改革に関する要望を二年の月日をかけて整理し、議員の協力をいただきながら、一定の成果をあげることができました。
議長交際費に関しても @武蔵野市議会を代表する者として恥ずかしくない付き合いをすること A公務は公費で行い、私費は使わない Bその結果が交際費の透明性につながる、といった3方針を立てると同時にこれまでの議長交際費の見直しを図り、平成十七年度約二百万円あったものを平成十八年度は約百十万円に抑えることが出来ました。

これらの経験をさらに議会で生かすのも大切ですが、一市民として市政を見てみることも必要ではないかと考え、今回の任期満了とともに議員職を辞することにいたしました。皆様からは様々なご意見を頂戴しました。「もっと武蔵野市のために頑張れ」という温かいお言葉も多くいただき感激しております。お励ましに応えるべく、これからも地域に貢献できるよう活動してまいります。よろしくお願いいたします。

 退任してから早くも一ヶ月が過ぎようとしています。
 現在、亜細亜大学の聴講生として週四日通い始めました。アジアの伝統文化について、広い視野からの学習は興味深いものです。また、井の頭池の浄化に取り組んでいるグループのメンバーとして活動しながら、植物などを中心とした環境問題にも挑戦していきたいと思っているところです。議員という立場は離れますが、これからも一市民として「愛する武蔵野市」のために微力を尽くし、皆様のご相談などにもお応えしていく所存です。

 末筆になりましたが、いままで十六年間にわたりご支援いただきました皆々様に心より感謝を申し上げ、御礼の言葉といたします。


平成十九年五月吉日
                 前武蔵野市議会議員  山 下 倫 一