MESSAGE


私の会社では高層ビル デパート テナントの内装 住宅の内外装 古民家の復元工事などを行っています。
そのなかで感じる事があります。
近代建築というのはだんだん衰退しているのではないだろうか。

直線でできた図面をもとに工場で作られたパーツを組み立てていく作業。カタログどうりの仕上げ作業。考えることといえばコストダウンと工期短縮。構造よりか見てくれ重視。高い材料を使い手間を省く。それらをなんの疑問も持たないゼネコン業者。

このままでは職人は居場所を失い建築現場から離れてしまうだろう。
職人は作業員では決っしてない。自分の技術に誇りを持ち経験と工夫で作り上げていく。

仕上げ材においては安易で見てくれだけの安普請。
使い込んで良さと愛着を感じるものが本物ではないのか。

ヨーロッパに行って思ったことは古き良いものを大事に使い込んでいること。近代建築においても部分においては伝統を感じさせる。
どれが本物かを理解できる感覚がある。
東欧においては工業化の立ち後れで物資が不足していて昔からの材料と工法で建物を作っていた。ところが物は無くてもセンスは抜群にいい。素材もレンガブロック角材石灰セメント砂 スレートなどで装飾を凝らして作り上げていく。先進国が失った味わいのある建物をそこに見た。
私たちは一生懸命進歩してるつもりが実は衰退してるのではと感じた。

自然が無くなりつつある都会にこそ自然を感じる建築素材を使ってもらいたい。そしてその良さを感じ取れる意識を持って欲しい。


ブカレスト市内



















ブカレスト市内











郊外















(有)巧左官工芸
代表 鈴木 忠
08/26/97

takumi@jade.dti.ne.jp