オーストリアの作家にフンデルトワッサーという人がいた。
彼を知ったのは知り合いから頼まれた大阪の汚水処理場の仕事だった。
汚水処理場の完成を待たず彼は帰らぬ人となった。
彼の主張の中に人間の皮膚にはいくつかある。 第一の皮膚は本物の皮膚である。
第二の皮膚は洋服など身に着けるものであり、これは呼吸をするものでなくてはならない。
第三の皮膚は建物である。私はこの話の中から見出したものがある。
一年中同じ服を着るならビニール製品ではいけない。綿とかウールなどが心地よいと思う。
このことが建築にも言えるのではないか。
内壁は肌着であり外壁は上着だ。
肌着は吸水性がよく保温性に優れているべきで、上着は堅牢で中を蒸らせない仕組みが必要だ。
壁は第三の皮膚である。