設計に対する考え方

・建物をつくるのは誰か?
   主役は あなたです。
        変わった建物、落ち着いた建物、品のいい建物 決めるのはあなたです。

・役割分担
   建築主は 建物建設、住環境整備のプロジェクトリーダーです。目標を定め、資金を用意する。

   設計者は あなたの希望を形にします。 何を作るかを考えるのが仕事です。

   施工者は 図面に示されたものを、どうやって作るかを考え、実現するのが仕事です。

   3者が力を合わせて、初めていい建物が造れます。


・どんな建物でも公共性を持つ
   建物はあなたのものであり、街のものでもある。
     建物内部はあなたのご自由に、外部は街のものということを忘れずに周辺との調和を考慮しましょう。

・建物づくりではなく、住む場、住む環境を生み出すという考えで
   建築というと建物だけ考えますが、外部空間を含めて住環境です。
   敷地全部を設計し、さらに街とのつながりまで考えましょう。

・いろいろな制約条件に打ち克つのがデザインです
   建物を建てるのにはいろんな制約があります。法的制約、コスト、自然条件…
   その制約をストレ−トに形に表すではなく、制約を感じさせないのがデザインの力です。

・過去の遺産に学び、現代の技術を補助に使う
   新しい材料、設備は高々100年の歴史しかありません
   いまはやりの高気密高断熱、本当に必要でしょうか
   日本は湿気と雨の国です。また、人間はいまも変わらず動物です。
   湿気のコントロールは機械に頼りますか?伝統の素材や間取り、打ち水に頼りますか?  

・建物は商品か?
   いま建築特に住宅は商品化されている。特に日本の工業、商業の考え方はフローである
   本来ストックであるべき建築は商品化にはそぐわない。
   商品化住宅は、消費者の感覚ではなく、生産者の論理で生産は行われます。
   投資の回収、利益の追求、さらなる拡大、仕事のための生産、押しつけ販売
   北海道以外は1スペックで作られる商品化住宅、青森と名古屋、風土条件が一緒の訳がありません。
   より厳しい自然条件の青森など寒冷地に適した高気密高断熱をめざします。
   しかし、湿気や暑さ対策はそれでクリアできるのでしょうか。高断熱は否定しません高気密本当に必要か?

・建物設計は多次元で
   建築設計は平面プランの2次元から始まり、断面、空間を意識する3次元の発想までは誰でも考えますが
   時間の要素も考えましょう
      1日の時間の変化、季節の変化、経年による変化
      自然条件の変化(日射し、風、天候)、構成材料の変化(ふるび、よごれ)、使用形態の変化…

・建物は長く使いましょう。 使う人、見る人みんなに愛されて。
   地球の資源を考えサスティナブルな環境づくりを。
   環境にやさしい建物は材料選択より長く使い続けられる建物を造ることです。
   建物の寿命と生活のサイクルの長さは合いません。
   私はつねに混構造で作ってきました。
   変わらない部分としての頑丈な骨組みと外皮。変化に対応できるLGSまたは木による間仕切り。
   今後は設備を躯体から切り離したスケルトンーインフィル構造で設備の更新にもより配慮をと考えています。

・メンテナンスフリーではなく、メンテナンスを考えた建物を。
   メンテナンスフリーという間違った考え方が蔓延しています。
   材料の経年変化、設備の疲労がある限り、メンテナンスフリーはあり得ません。
   メンテナンスがし易い建物は成立します、こまめにメンテをすることで大事に至らせないのは、人の健康診断と同じです。

・知恵と工夫でコストパフォーマンスの高い建物を。そのために設計料をいただきます。それが私の職業です。
   そのための再投資、経験は必要です。まだまだ勉強中ですが、設計料に見合う働きはいたします。

・設計期間は十分に。
   夏考えたものは風通しのいい涼しい建物に、冬考えた建物は暖かい建物になりがちです。
   四季のある日本に建てる建物は、四季を通じての暮らし安さを念頭に。

・設計しっぱなしではなく、監理にウエイトを置いた仕事を。


住宅に関する私の考え方は 「普通の住宅が造りたい」の項目に掲載してありますので、合わせてご覧ください。