本文へスキップ
ニュースの詳細

rouki@yahoo.co.jp

 〒 161−0033 東京都新宿区下落合
03・3954・6311

相談室 質問にお答えしています

労基法 労働契約法  社会保険 労災

平成30年の主な相談項目
 ■労災によるケガで復 帰した労働者が数年も 経過しているのに、 本 来の業務ができないと 主張。
―復帰当時の判断に問題があると思われる。 職場の変更も検討する必要がある。 (1・15)
 ■独身の労働者が急増 している。 死亡した場 合の退職金は誰に渡せ ばよいのだろうか。
―労基則42条、 45条の遺族補償の順に従う、 民法の一般原則に従う、 との就業規則が一般的。 労基則42条、 45条の趣旨は遺族の生活保障を目的としたもの。 会社が就業規則で定めればよいが、 労働者の収入に依拠していた者に支払う事がよいが、
対会社というより遺族間の問題である。(2・5)
 ■医師の年棒は残業代 を含むのか。
―通常の部分と割増賃金の額が判別でき、 割増賃金で計算した額が法で決められた額を下回らなければ問題はない。 (2・15)
■裁量労働制の対象拡大は、 長時間労働削減と逆行するのではないか。
―国会に提出された法案の内容では、 対象拡大となるのは企画業務型で、
@PDCAを回す業務、
A法人提案型営業業務。
建議の内容は、 手続の簡素化として、 労使委員会決議の本社一括届出を認めるとし 「裁量労働制を導入しながら、 出勤時間に基づく厳しい勤怠管理を行う等の実態があることに対応するため、 始業
・終業の時刻その他の時間配分の決定を労働者に委ねる制度であることを法定し、 明確化することが適当」 としている。
 裁量労働制の対象拡大は根拠となったデータが不適切だったことから、
働き方改革関連法案法から削除された。 (3・5)
■固定残業代を計算したら、 廃止したい基本給が安いことが発覚。
労働者から不満がでないか。
―固定残業代について争われたテックジャパナ事件 (最一小平成24・3・8判決) は 「支給対象の時間外労働時間数と残業手当の額が労働者に明示されていなければならない」。 全体の給与が下がると労働者の士気が低下することがあるかもしれない。 十分な協議を。
(3・25)
■会社での宴席終了2時間後に当社の労働者が取引先の女性にセクハラ行為を働いたと取引先が謝罪を求めてきた。
―セクハラで会社が責任を問われる使用者責任
(民法715条) を負担するためには、 従業員が
「業務の行為につき」 なした行為で、 かつその行為につき 「監督責任を果たせなかった」 と認められることが必要。 しかし、 御社と取引先の関係の問題。 セクハラ対策を行っていることや当該労働者に処分をしたとの誠意を見せることで対処を。 就業規則に 「会社の名誉を傷つけたとき」 などの包括的な懲戒規定があればそれに該当することは明らか。 (5・5)
■労基法の改正で時間外労働の上限規制は、
36協定で定める労働時間の延長についての基準とどこが異なるか。
―これまでは厚生労働省告示。 法改正により告示を法律で規定。
 労基法36条4項が 「1カ月45時間、 1年360時間を限度時間とする」。
同条5項が、 「通常予見することのできない業務量の大幅な増加に伴い、
臨時的に限度時間の原則を超えて労働させる必要がある場合において、 1年のうち6カ月以内まで定めることができる」 と規定。 具体的に 「1カ月100時間未満の範囲に限る」 「1年720時間を超えない範囲に限る」
と明示。 (5・25)
■正社員の手当を非正規社員に支給しないことは不合理で、 法違反との最高裁判決が。 非正規社員には正社員の特殊勤務手当を支給すると、 他にも影響があるのでは。
―ハマキョウレックス
(最小2平成30・6・1判決) の訴訟では、 5つの手当が労契法20条違反と認定され、 会社に支払いが命じられた。
 特殊勤務手当や皆勤手当は、 職務の内容では両者に差が生じるものではなく、 ガイドライン案にもあるように業務が同一なら不合理な格差とされ、 会社に支払いが義務付けられると考える。 特殊勤務手当を支給するのなら、 割増賃金にも影響が。 (6・15)
■土日の休日と年休の計画的付与で夏季休暇。 パートが年次有給休暇を使い切ったため、 計画的付与の対象とならない。 次に発生する年休を前貸しすることは可能か。  
―行政解釈は、 使用者が継続6カ月間の期間満了前に、 労働者に対し年休を与えることは、 何ら差支えないとされている
(昭26・6・29基発355) 。一方、 次の基準日に発生する年休日数から差し引くことは、 労基法39条1項、 2項に違反。
つまり、 前貸しを認めておいて、 前年の前借分を理由として当年の年休の請求を拒むことができないという結果になる。
(8・5)
■6カ月契約で契約社員を雇用したところ、
1年を経過したとたん問題行動。 1年半しか雇用していないので雇止めは問題はないと思うが。
― 「有期労働契約の締結、 更新及び雇止めに関する基準」 (平成15年厚生労働省告示357号)
の第1条が雇止めの予告を定め、 「契約期間については、 契約が3回以上更新されているか、 1年を超え継続して雇用されているのなら、 契約の期間が満了する日の30日前までに予告をしなければならない」、 2条は 「労働者が雇止めの理由について証明書を請求した場合は、 遅滞なくこれを交付しなければならない。
雇止めの後に労働者から請求された場合も同様」
と規定。 「雇止めの理由」
として、 「担当していた業務が終了・中止したため」 「事業縮小のため」
「業務を遂行する能力が十分ではないと認められるため」 「職務命令に対する違反行為を行ったこと」 「無断欠勤をしたこと等勤務不良のため」 が該当。
 勤務態度が問題とされる場合には、 改善の見込みがないと言えるかどうか、 改善に向けての会社の指導や注意がどのようなものであったかが問われる。 (8・25)
 ■年金が70歳で受給開 始にすると42%も増え ると言われている。
  一方、 繰下げても遺 族年金は増えない、 税 金で不利と言われて いる。
― 「高齢社会対策大綱」
では、 年金の繰下げを70歳を超えても選べるようにすることを検討するとている。 年金は収入であり、 年金額が増えれば国民健康保険料と介護保険料の負担率が重くなることも想定。
 遺族厚生年金も、 65歳時点での老齢厚生年金で計算するので、 配偶者が繰下げてから死亡した場合でも、 繰下げ分は遺族厚生年金に反映されない。
 厚生年金に加入して働く在職老齢年金制度では、 65歳以上であれば、
基本月額と総報酬月額相当額の合計額が46万円を超えると、 支給停止されることがある。
 基本月額に老齢基礎年金は含まれないので、 繰上げしても老齢厚生年金と報酬で46万円を超えることはあまりないのでは。 (3・5)
■高齢労働者の給与を下げたところ、 保険料がすぐに下がる同日得喪が適用されるのではと労働者が主張。 制度上、 不可能と考えるのだが。
―定年退職の時点で雇用関係が終了し、 退職したものとして資格喪失が行われること、 退職当日に再雇用したものとして、
取得手続きを行うことを同日に行うこと。
 質問では、 雇用関係が終了しておらず要件には該当しない。 (9・5)
■労働者の退職する月は12月になり、 この月には賞与を支給。 賞与に社会保険料は発生するのか。
―通常の給与同様に、 賞与も前月までに支払われたものでなければ社会保険料は発生しない。
 12月に退職するとしても、 12月分の給与や賞与には社会保険料は発生しない。
 12月31日に退職するのならば、 1月1日が資格喪失日となる退職日の前月と退職月の2カ月分の保険料を退職月の給与から控除することができる。 (10・25)
■障害手当金を受給したが、 悪化で年金になるのか。
―悪化した場合は、 もう一度請求し、 年金相当の程度と判断されたなら裁定替えされる。
 一時金として受け取った手当金の返還が必要となる場合がある。 他の病気と併合ならば返還は不要となる。 (12・5)
■派遣社員が期間終了後に合同労組へ加入し派遣先に団体交渉を申し入れ。 派遣社員であ
っても派遣先は団交要求に応じるべきか。
―不当労働行為を定めた労働組合法の7条は 「使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由がなく拒むこと」 と規定。 派遣先会社は派遣元の労働者とは、 労働契約関係にはなく (派遣法2条1号)、 派遣先会社が派遣労働者にとって団体交渉を行うべき使用者に該当するかが問題。 この点、
判例 (朝日放送最高裁判決、 最三小平成7・2・28判決) は、 「雇用主以外の事業主であっても雇用主から労働者の派遣を受けて自己の業務に従事させ、 その労働者の基本的な労働条件等について、 雇用主と部分的とはいえ同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、
決定することができる地位にある場合には、 その限りにおいて、 右事業主は同条の 『使用者』 に当たる」 している。 団体交渉義務がある場合がある。 (3・25)
■財務官僚のトップをテレビ局の記者が他社で告発。 内部告発は自らの所属する会社で告発するべきで、 公益通報者保護法に違反しないか。
― 労働者の通報すべき相手は労務提供先、 関係する行政機関。 報道関係については 「通報することがその発生・被害の拡大の防止に必要であると認められる者」 に通報すべきことと定義 (公益通報者保護法2条1項)。 マスコミに対する内部告発と懲戒解雇の有効性に関する裁判として学校法人田中千代学園事件 (東京地裁平成23・1・28判決) は、 内部告発は 「目的が公益的要素にある」
との前提から、 告発への公益性が認められない週刊誌への告発は認められないと判断。 (5・25)
■労働者を出向先の取締役に就任させたい。
この場合、 業務命令か。 本人の同意が必要か。
―社員が会社と雇用契約を結ぶのに対し、 役員は委任契約としての任用契約を結び、 取締役と会社の関係は民法上の委任に準ずるものとされているので、 民法上委任契約はいつでも事由の如何を問わず解除できる。 ただし、 不利益な時期に辞任したり、 解除した場合は、 やむを得ない事由がある場合を除いて、 損害賠償の責任を負うことになる。
 出向先の取締役に就任するとのこと。 役員との関係は雇用契約ではなく、 委任契約であり、 通常の出向とは異なる。
取締役の選任については、 株主総会で選任決議されることが前提だが、
本人の同意が必要。 取締役は会社の経営に対する責任を負い、 損害賠償責任を負う可能性があるため。 退任も同様。 (7・5)
■医師と年棒制についての裁判があり、 病院側が敗訴したと聞いた。
―医療法人社団康心会事件 (最2小平成29・7・7判決) の一審は、 「医師においてはその職務を果たすべき責任を有しているといえるから、 その業務は、 かけた時間ではなくその内容が重要視されるべきであり、 使用者の管理監督下でなされた労働時間数に応じて賃金を支払うことに本来なじまないものともいえる」
とし、 通常の労働時間管理とも異なる部分を認めている。
 判決では医師への年棒制の適用は認めながら、
割増賃金部分を判別できなければ労基法37条違反であるとして、 判別の徹底を求めている。 (7・25)


バナースペース

労基旬報

〒161−0033
東京都新宿区下落合1−2−16

rouki@yahoo.co.jp
tel 03-3954-6311