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10月5日号 1面ニュース働き方改革を着実に推進するための基本方針は合計7本/被用者保険の適用拡大を議論/最高裁が日本郵便上告審を棄却/働き方改革新条文/判例 待機時間と労働時間、東海バス事件(大阪高裁、平成29・9・29判決)/4.5面 介護労働者の賃金、介護労働安定センター、 賞与平均57万2079円 所定内2427円増加/就業規則の点検、年次有給休暇/連載7面 定年になって非常勤講師となって賃金格差を経験 柴田 武男先生/8面相談室、コアタイムに罰金? 

NEWS 10月5日号

働き方改革推進の7本柱明示 基本方針策定

厚生労働省は9月5日、 労働施策基本方針部会を新設した。 雇用対策法から衣替えした労働施策総合推進法が国に義務づけた 「基本方針」 の策定のため、 労働政策審議会本審の直下に新部会を設置。 基本方針には、 働き方改革の着実な推進に向けた施策の方向性を盛り込む予定で、 厚労省所管の施策は 「労働時間の短縮等の労働環境の整備」 など7本に整理する。 根拠法がすでに公布と同時に施行されていることを踏まえ、 厚労省はできるだけ早期に基本方針を閣議決定する考えだ。 新設部会に原案提示 厚労省は5日の新部会の初会合に基本方針の骨子案を、 13日の第2回会合に原案を提示した。
 
基本方針には、 働き方改革を着実に推進するための施策を列挙。 厚労省所管の施策は①労働時間の短縮等の労働環境の整備や、 ②雇用・就業形態の異なる労働者間の均衡待遇の確保、 多様な就業形態の普及といった改革の2本柱のほか、 ③多様な人材の活躍促進、 ④育児・介護、 治療と仕事の両立支援、 ⑤人的資本の質の向上と職業能力評価の充実、 ⑥転職・再就職支援、 ⑦働き方改革の円滑な実施に向けた取組みと合計7本のテーマに分け、 それぞれの施策の方向性を示す。

日本郵便65歳雇止め適法、実質無期を否定
日本郵便の期間雇用社員9人が雇止めの無効と雇止め後の賃金の支払を求めた上告審で9月14日、 最高裁判所第2小法廷は原告側の請求をいずれも棄却する判決を言い渡した。

最高裁はまず、 会社が原則として 「満65歳以後、 雇用契約を更新しない」 などと就業規則で規定した上限条項について、 加齢による業務適性の低減を前提にするなど 「労働契約法7条にいう合理的な労働条件を定めるもの」 と認定。 また旧公社当時の労働条件を変更したものとは認められず、 就業規則の周知方法も適切だったとして上限条項が期間雇用社員の労働契約の内容になっていたと断定した。


被用者保険 適用拡大を検討

社会保障審議会年金部会は9月14日、 被用者保険の適用拡大に向けた審議を開始した。 勤務時間や勤務日数が常時雇用者の4分の3未満でも、 厚生年金保険や健康保険の適用対象となる短時間労働者の要件を具体化。 来年9月までに意見を集約し、 2020年の通常国会への関連法案の提出を目指す。

適用要件は16年10月から、 ①週労働時間20時間以上、 ②月額賃金8・8万円以上、 ③雇用期間1年以上見込み、 ④学生適用除外、 ⑤従業員規模501人以上企業に拡大。 さらに17年4月からは500人以下企業でも、 労使合意によって適用拡大を可能とするなどの変遷を辿る。

この日の部会で厚生労働省は、 柔軟な働き方や再分配機能、 人生の長期化に対応する被用者にふさわしい保障を実現すべきと強調した。 出席委員が 「中小企業で働くパートの老後の不安軽減が期待できる」 と発言するなど、 労使関係者も含めて適用拡大に向けて大きな異論は出されなかった。

今後の検討は、 ⑤が最大の焦点となる見通し。法本則で定める他の4要件と異なるだけに、 経過措置を一気に撤廃するか、 従業員規模を 「301人以上」 「101人以上」 などと段階的に縮小するか議論を深める。





安全衛生分科会は8月30日、 厚生労働省が示した労働安全衛生規則などを改正する省令案要綱を了承した。 働き方改革法の成立で一括改正された労働安全衛生法の規定と建議の内容を具体化し、 来年4月1日から産業保健機能を強化する。 改正の最大の柱となる医師による面接指導については、 対象となる時間外労働時間の要件を現行の 「100時間超」 から 「80時間超」 へ引き下げるほか、 管理監督者も含む労働時間の状況の把握方法を明示するなど企業実務への影響は甚大といえそうだ。
産業医の役割大幅強化

安衛則改正案ではまず医師による面接指導について、 対象労働者の要件を規定し直す。 現行では時間外労働時間数が 「月100時間超」 の労働者の申出があった場合に義務づけているが、 新たにこの時間数を 「月80時間超」 へと引き下げる。 同時に対象労働者に対し、「月80時間超」 となったことを速やかに、 つまり「2週間程度」 で通知する義務規定も置く。
時間外労働の上限規制の適用除外となる 「新技術・新商品等の研究開発業務従事者」 に対する面接指導については、 対象労働者の要件となる時間外労働時間数を 「月100時間超」 に設定。 一般の 「月80時間超」 とは異なり労働者からの申出は必要としないが、 時間数算定後遅滞なく、 つまり「1カ月程度」 で面接指導を行う規定も設けた。
特に産業医に照準を絞って役割を大幅に強化する。事業者に対してまず、産業医に提供する健康管理に必要な情報を提示。①健康診断や面接指導後に実施した措置内容に関する情報、 措置しなかっ場合の理由、 ②時間外労働時間数が 「月80時間超」 の労働者の氏名と時間外労働に関する情報、 ③その他産業医が必要と認める労働者の業務に関する情報とした上で、 提供時期を①は医師などからの意見聴取後遅滞なく、 ②は時間外労働時間を算定した後速やかに、 ③は産業医の求めの後速やかにとそれぞれ整理した。
 健康管理に必要な勧告については、 産業医にあらかじめ事業者から勧告内容の意見を求めることとする一方、 事業者には勧告の内容と勧告に基づく措置の内容、 措置しなかった理由などの記録と3年間の保存を義務化。また記録した勧告内容などを、 勧告後遅滞なく衛生委員会などに報告することも義務づけた。

同一賃金部会を再開ガイドラインの指針化急ぐ 

厚生労働省は8月30日に労働政策審議会同一労働同一賃金部会を開き、働き方改革法で成立したパートタイム・有期雇用労働法と改正労働者派遣法の施行に向けた審議を再開した。
パート有期法と改正派遣法の施行は早くても2020年4月1日と、 時間外労働の上限規制などを定めた改正労働基準法などに比べると時間的な余裕はある。 ただ法定指針に仕上げる同一労働同一賃金ガイドラインをはじめ、 2法の関連省令・指針を速やかに固めて公布することで、 来春の労使交渉時に同一賃金をめぐり活発に議論してもらう狙いがある。
 
同日の部会には、 パート有期法に関する法定指針のたたき台を早くも提示した。 ガイドライン案からの主な変更点としては、 基本給の部分に 「長澤運輸事件最高裁判決」の論旨を追記。


36協定様式9号は7種 労基規改正、36指針了承
健康措置、年休管理に保存義務


労働政策審議会労働条件分科会は8月27日、 厚生労働省が示した労働基準法施行規則を改正する省令案要綱のほか、 新36指針などを定める告示案要綱、 働き方改革法の施行に伴い整備する政令案要綱を一括して了承した。 時間外労働の上限規制の大企業適用など、 改正労基法とともにいずれも来年4月1日に施行する。 労基則の改正では36協定の新様式を示した上で、 「有効期間」 「起算日」 「健康確保措置」 など記載事項を列挙。 また時季指定化される年次有給休暇について前倒し付与の考え方を整理し、 管理簿の作成・保存を義務づけている。 特例延長様式2枚組に 労基則改正案はまず時間外労働の上限規制について、 36協定で定める事項を明示。 ①協定の有効期間、 ②対象期間の起算日、 ③36条6項2、 3号の要件を満たすこと、 ④限度時間を超えて労働させることができる場合、⑤限度時間超えの労働者の健康確保措置、 ⑥限度時間超えの割増賃金率、⑦限度時間超えの労働の手続の7点を列挙した。
特に⑤は①の満了後3年間、 実施状況など記録の保存を義務づけた


4割訓練給付を設計専門訓練上限額引上げも

労働政策審議会雇用保険部会は8月22日、 雇用保険制度の教育訓練給付の見直しの議論を開始した。 専門実践教育訓練給付ともに、 一般教育訓練給付も抜本的に拡充する方針で、 来年4月施行を視野に年内を目途に報告書をとりまとめる。

受講費用の最大7割を助成する専門実践教育訓練については、 すでに人材開発分科会が施行3年後の見直し審議で大幅な拡充を了承。 社会人の学び直しのさらなる促進のため、 指定基準の改正で新類型に 「専門職大学等の課程」 を追加するなど、 訓練期間を現行の3年から4年に延長することを決めている。
 部会では、 4年課程の専門実践訓練が指定されることに伴い、 給付金の額の見直しに着手。


最低賃金全国平均874円

 中央最低賃金審議会は7月26日、 2018年度地域別最低賃金額改定の目安を答申した。 焦点の引上げ額の加重平均は26円と過去最大を更新し、 「年率3%引上げ」 を3年連続でクリアした。
 目安小委員会は今年度も労使の意見を集約できず、 地方最低賃金審議会に対して公益委員見解を提示するよう中賃に報告。 ランク別の引上げ額の目安については、 Aランクの6都府県を 「27円」、 Bランクの1府10県を 「26円」、 Cランクの1道13県を 「25円」、 Dランクの16県を 「23円」 とした。 4ランク全てで引上げ額が20円を超えるのは3年連続で、 いずれも引上げ額の過去最高を更新した。

改正健康増進法が成立 国が受動喫煙対策強化
受動喫煙防止対策を強化する改正健康増進法が7月18日の参院本会議で可決、 成立した。 2020年4月に全面施行するが、 東京都では独自条例成立で法を上回る規制が敷かれることになる。
 施設の類型・場所ごとの規制は、 学校や病院、行政機関、 旅客自動車・航空機などを 「屋外を除く敷地内禁煙」、 それ以外の多数の者が利用する施設、 旅客船舶・鉄道などを 「専用室でのみ喫煙可とする原則禁煙」 と大別して、 罰則付で受動喫煙防止を担保。 ただ 「原則禁煙」 のうちの飲食店は、 小規模既存店の 「客席面積100㎡以下」 で標識を掲示すれば、 経過措置として喫煙を例外的に認める。 規制対象の飲食店は全国で約45%にとどまり、 「従業員未使用店のみ喫煙選択可」 と限定した東京都内の約84%を大きく下回る。
 飲食店に対して国は当初、 「延べ床面積30㎡超」 からの規制を模索していた。

【判例】3年の更新上限の雇止め
高知県公立大学法人事件 (高知地裁平成30・3・6判決)

【賃金データ】人事院、民間給与の実態調査

【相談室】期間途中の解雇、夜勤専門の職員が夜勤ができず/同日得喪と労働者の減給


働き方改革労基法省令事項を検討36協定「健康確保措置」必要に
(7月25日号)
 
働き方改革法が6月29日に成立したのを受けて、 厚生労働省は7月10日から省令・指針で定める事項の検討を開始した。 労働政策審議会の労働条件分科会で労働基準法、 安全衛生分科会で労働安全衛生法のそれぞれの施行規則改正案などをまとめる。 36協定事項として 「限度時間超えに対する健康確保措置」 を義務づけること、 医師の面接指導義務対象となる時間外労働の要件を 「月80時間超」 へ引き下げることなどを明確化する。
 労働条件分科会を7月10日、 安全衛生分科会を同11日に開き、 省令・指針事項の議論を開始。 改正労基法の一部と、 改正安衛法の施行が2019年4月に迫り、 厚労省は今夏に集中審議を強いてでも9月中に改正省令などを公布したい考えだ。改正労基法については、 時間外労働の上限規制や年次有給休暇の新ルールなどの事項を先行審議し、 高度プロフェッショナル制度の事項を遅らせて制定することも視野に入れている。

17年度過労死等の労災補償精神認定506人と初の大台
(7月25日号)
精神障害の労災請求・認定がともに最多を更新したことが7月6日、 厚生労働省が発表した2017年度の過労死等の労災補償状況でわかった。請求は前年度比146人増の1736人と5年連続で、 認定は同8人増の506人と2年連続でともに増加

働き方改革待ったなし
改正8法成立上限規制・高プロ・年休 19年4月先行施行
(7月15日号)
 
働き方改革法が6月29日の参院本会議で、 自民・公明党などの賛成多数で可決、 成立した。 時間外労働の上限規制や高度プロフェッショナル制度の創設、 年次有給休暇の指定義務化などを盛り込んだ労働基準法をはじめ、 正規と非正規の不合理な待遇格差を解消する規定を設けるパートタイム労働法など8法を一括改正。 法本体の改正労基法の施行は来年4月に迫り、 企業は対応を急ぐことになる。法成立に先立ち、 前日の参院厚生労働委員会で附帯決議が可決された。法改正の対応が困難な中小企業の支援、 監督指導の徹底を求めるなど47項目を柱立て。 うち最も対立した高プロでは、 13項目を費やした。 特に対応を急ぐ必要がある2019年4月からは、 中小を除いて罰則付の時間外労働の上限規制の適用が始まる。

年収1075万円以上の労働者を念頭に、 高収入の専門職を労働時間規制の対象外とする高プロも規模を問わず導入が開始される。
対象者の同意撤回を可能にするなど衆院可決時に修正が図られたが、 附帯決議では 「全導入事業場への労働基準監督署による立入調査」「導入決議の自動更新を認めない旨の省令等への規定」 などさらに厳格化するよう注文。

「同一労働同一賃金」 の原則適用は中小を除いて20年4月から、 中小は21年4月からの施行。
不合理な待遇差を解消するための規定を改正後のパート・有期法と労働者派遣法に規定するほか、 労働者に対する待遇に関する説明義務の大幅な強化や、行政ADRを整備することなどを明確化した。 同一賃金の附帯決議では、 「非正規の待遇改善で実現すべきで、 通常の労働者の待遇引下げが法の趣旨に反する旨を指針で明記すること」 「派遣労働者の待遇決定で労使協定方式は例外である旨を周知・説明すること」などを改めて要求した。同一賃金については、現在案として示すガイドラインが20年4月から正式な法定指針として告示される。 6月の2つの最高裁判決の判断枠組みを加筆する以外は内容を踏襲する見通しで、 文体を平易に口語体に修正するかに注目が集まる。

労災保険「合算」を検討複数就業賃金を給付基礎日額に
7・5号 労働政策審議会労災保険部会は6月22日、 労働者災害補償保険制度の見直しの議論を始めた。 副業・兼業の普及促進に向け 長年放置してきた複数就業者への労災保険給付の課題解決を目指す。 具体的に、 給付額で全就業先の賃金合算分を算定基礎とするか、 労災認定で全就業先の業務上の負荷を合わせて業務の起因性を判断するかを検討する見通しで、 労働基準法の使用者の災害補償責任との関係性を整理しきれるかが最大の焦点になる。  

中小賃上げ率1.91%と最高更新 非製造業好調 
7・5号 経団連は6月15日、 中小企業223社が回答した2018年春季労使交渉の第1回集計を発表した。 定期昇給分を含む賃上げ額の加重平均は、 前年の初回集計比110円増の4805円、 賃上げ率も同0・07増の1・91%と2年連続で上昇した。 賃上げ率は、 今回の集計方式となった05年以降の最高値を更新。 ただ同0・12増となった大手との規模間格差は、 前年から0・05拡大した。

受動喫煙防止法案を衆院本会議可決
 7・5号 受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案が6月19日の衆院本会議で可決、 参院に送付された。与党は翌20日、 通常国会の会期を7月22日まで32日間延長することを決定。 働き方改革法案やカジノを含む統合型リゾート (IR) 関連法案などとともに、 健康増進法改正案も今国会で成立する可能性が高まった。

外国人技能実習監督指導状況 法令違反4226カ所 
 7・5号 違法な時間外労働・割増賃金が横行 2017年に監督指導を行った外国人技能実習実施者5966カ所のうち、 4226カ所で労働基準関係法令違反が認められたことが6月20日、厚生労働省の調べでわかった。 前年比222カ所増と最多の更新が続いたほか、 違反率も同0・2増の70・8%と4年ぶりに悪化に転じている。違反事項別にみると「労働時間」 が1566カ所で最も多く、 以下、1176カ所の 「安全基準」、 945カ所の 「割増賃金の支払」、 551カ所の 「就業規則」、 541カ所の 「労働条件の明示」 の順で続いた。 労働時間違反の監督指導事例としては、 22人の技能実習生が勤務する事業場に夜間臨検を実施したところ、 月最長約95時間の違法な時間外労働を行わせ、 割増賃金も実習1~3年目に応じて時間単価400~600円しか支払われていないことが判明。 また17人の技能実習生が勤務する事業場に立入調査した結果、 安全衛生委員会が開催されておらず、 作業中に怪我をした技能実習生を殴るなど暴行事案を起こしていたケースもあった。 このほか、 重大・悪質な法令違反の送検件数は同6件減の34件と減少したが、 技能実習生から法令違反の是正を求める申告件数は同1件増の89件に微増した。 申告内容別では、 81件を数えた 「賃金・割増賃金の不払」 が突出して多くなり、 実際に領事館に対して 「定期賃金や割増賃金が法律を下回っている」 と相談が持ち込まれたケースもみられた。



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