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G I S について
建設 CALS を実現させる上で川上にある測量図、地図のデジタル化の現状を考えて行きます。

1. 測量業者による G I S
2. ゼンリンの G I S
3. 身近になった数値地図使用記




G I S 講演会の要旨
〜 測量業者における G I S 社会への取り組み 〜

講 師  株式会社 高陽技研代表取締役 高 畠 敏 明 氏
日 時  平成10年5月27日
場 所  仙台市
主 催  株式会社 テクノシステム


会社のこれまでの軌跡
高陽技研は北海道岩見沢市にあり、昭和 54年創業。
12年前にトータルマッピングシステムの検討を行う。
7年前に関西の下水道業務の基図作成を受託。
週40時間労働・公共事業の縮減・人件費の高騰等の諸条件から
測量業務の中で新規業務の必要性が出てきた。
ここ4〜5年はGISの売り上げが全体の4割をしめる。
冬季間でも安定した受注に支えられ過度な残業は無くなってきた。
提案型企業へ歩みだした。

G I S (Geographic Information System) とは…(地図情報システム)
 デジタル化された地図の情報と文字・画像情報等台帳のデジタル情報を関係付けてコンピューターにデーターベースとして格納したもの。

GIS導入のメリット
今までの手作業(アナログ)データーは再利用が難しかった。デジタルデーターにすることにより加工修正が容易となり再利用が可能となる。地図をデジタル化すると違う図面を重ねて見ることが簡単にできる。任意の範囲を任意のスケールで出力することが可能。また着色図面可。台帳のデーターベース化により修正が容易になり省力化・転記ミス・集計ミス・訂正漏れの回避が可能多様な利用方法が創出される。地図上の地番を選択すると所有者表示・水路を選択すると水路諸元の表示・その他図面写真なども関連づけて表示できる。職員の業務の効率化・経費の節約より的確な判断、施策の実施住民サービスの向上、より円滑な事業の実施。
活用事例
行政
上下水道台帳・道路河川公園台帳・基準点管理
固定資産管理・農地管理・各種施設管理
防災
災害リスク管理・防災施設管理
調査研究
環境影響調査・植生・地質調査の分析評価
その他
観光案内・イベント情報案内   


この講演会を私が聴いて思ったことを次にまとめてみます。

これまで郡山市は 1/2500 地図(俗に言う都市計画図)を公開するにあたり、他市町村は販売の手段により自由度の高い公開をしてきたのに対し、地図のコピーのみ高額で頒布してきました。地図の公開は、民間にとっても、マーケティング調査、土地開発の適地調査等各種利用が考えられます。税金を還元する意味でもデジタル化した地図の公開は地域に活性を与え、市勢の発展につながるものと思われます。郡山市のインターネットホームページから地図をダウンロードできれば住民サービスの向上このうえないし、郡山を訪れる人へのサービスにもなります。郡山市はコンベンション都市を目指しているのでは?
他の利用法は 2002年までに小学校以上の教育機関のパソコンネットワーク化することに関して、教育現場での利用も考えられます。“我が町探検 (小学校 2年生)”などにもホームページからダウンロードして加工するなど…
デジタル化した地図のデメリットとはなにか? 地図作成の錯誤による損害の賠償請求訴訟? 現在の法体系でソフトウェアーは使用による損害の瑕疵を認めないのは周知の事実であることからすれば、無用な心配であると思います。それより公開のメリットが格段に上です。
これからは、再利用できないアナログデーターによる情報作成は、地球規模で無用な投資に他なりません。中核市郡山は GIS を推進すべき時期にきています。


ゼンリンの数値地図について

平成 10年 8月 20日、当事務所にて、(株) ゼンリン 大谷マネージャー、遠藤郡山営業所長、立花さんからゼンリン数値地図について説明をいただいたので概要をまとめてみました。

「住宅地図は縮尺精度が甘い」という意識がありました。しかし、現在のデジタル地図は航測写真から作成しているとのこと。縮尺1/2500ならば実用に耐えるという感触が持てました。ただし、あくまでも2次元のデーターなので、これまでの都市計画図に記入されていた等高線や標高データー、流水方向等の地図データーは入力されていません。

ユーザーサイトで空きレイヤにラスターまたはベクトルで書き込み、補足すれば充分対応可能と思われます。(127の空きレイヤーがある)
これまでのブルーマップ(用地境界)のデーターは未対応とのこと。時間と費用の提供があればカスタマイズできるそうですが…
カーナビにある電話番号検索もオプションとか…

用途に応じ多様な検索エンジンがあるため、郡山市のデーターならば30万円程度で購入できるそうです。 検索エンジンも9.5万円から用意。(合計39.5万円)
郡山市のデジタル地図は、3年前から販売して、800セット程度出荷しているそうです。

自治体での諸管理図面は、この数値地図をベースに詳細設定し利用するのが安価で実効性があるかもしれません。
もちろん、民間でのマーケッティングや不動産物件の管理、顧客管理等には即、使用可能でしょう。(データーベースとのリンクが可能であので高価なGISソフトと同様の機能があるようです。)

データーの更新も毎年提供しているので最新情報の利用が可能なのが魅力です。

最後に著作権に関して、「案内図等にゼンリンの住宅地図を使用する際は営業所に許諾を求めるか <(株) ゼンリン '98 郡山住宅地図から転載> 等を記入して下さい。」(遠藤所長談)とのことでした。みなさん転載のことわりを入れましょう!!


身近になった G I S … 数値地図 使用記

(財) 日本地図センターから数値地図を取り寄せてみたので、その使用感想をまとめました。福島県内のデーターがあるのは下記の種類です。

  1. 地図画像 1/20000 と 1/25000
    国土地理院の地勢図、地形図をスキャナーで取り込んだ TIFF 形式のラスターデータ。 付属する簡易表示閲覧ソフトで画像の切り貼り(クリップボード)ができるが、貼り付けると縮尺はわからなくなってしまう。
    また簡易ソフトでの印刷はできない。道路、水路のレイヤー別表示が可能。
    付属ソフトは高度な使用にはむかない。やはりGISソフトは別に必要と感じる。
    「国土地理院の○○(デ−タ)を使用して出力した。」との表記を入れて使用する。
    (やはり著作権の問題?米国は数値地図がインターネットからダウンロードできることを考えると日本はおかしい?)

     → 設計報告書の位置図に使う。
    距離・面積の測定が可能。建設事務所の管内図、河川現況図、水系図、等も数値地図で作成しネットで公開すれば便利では。
     → 河川の集水区域の測定に使用する。
    試しに求積しようとしたが集計が厄介なので途中で断念。別な利用ソフトがほしい。


  2. 標高データ 50, 250m メッシュ
    全国を 3分割してそれぞれ 1枚の CD-ROM に収めてある。日本-2(東日本)の 50 m, 250 m メッシュの標高データーが TEXT 形式で収められている。 用途―――3D ソフトで鳥瞰図を作成する等、3D 景観シュミレーションのベースに使用。

     → 3D ソフトで鳥瞰図を作成する
    3D 景観シュミレーションのベースに使用。

    景観ソフトで描いた安達太良山。
    景観ソフトは沢山の種類が販売されているので自分の目的に合ったものを選べばよい。

  3. 海岸線・行政界 1/200000, 1/25000
    地勢図、地形図の海岸線・行政界のみのベクトルデータ。
    (1. の TIFF には行政界が入っていない)
使用上の注記事項について下記のように示されています。
数値地図を利用される方は、次の点に御留意下さい

 数値地図は、建設省国土地理院が測量法(昭和 24年法律第 188号)に基づき刊行するものであり、数値地図にかかる著作権その他の権利は、全て建設省国土地理院に帰属します。

 数値地図の内容の一部または全部を複製・使用して新しく製品を作成しようとする場合は、測量法第 29条及び 30条の規定により建設省国土地理院長の承認が必要となります。

 刊行物等に出力図を掲載する場合、その目的上正当な範囲内においては「国土地理院の○○(デ−タ)を使用して出力した。」という出所の明示をすることにより引用することができますので、詳細についてはお問い合わせ下さい。

総 括
これらのデーターが CD-ROM で \ 7,500 で手に入るのは魅力だと思う。利用するソフトの問題はあるがユーザー側で工夫すればかなり有効な活用が可能との感想を持ちました。