正月は神道に関る習俗も多く、意味不明のまま習俗に流される必要はありません。その一番大きなものとして、門松としめ縄です。
門松は、いまではお正月飾りのように思われていますが、もとは歳神(としがみ)の依代(よりしろ)といわれ、歳神が宿る安息所であり、神霊が下界に降りてくる目標物と考えられていました。ですから、浄土真宗で飾る必要がありません。しかし門松は立てませんが、仏華としては松を用います。
しめ縄も同様です。広辞苑 第4版(岩波書店)に【しめなわ{標縄・注連縄・七五三縄}(シメは占めるの意)神前または神事の場に不浄なものの侵入を禁ずる印として張る縄。一般には、新年に門戸に、また、神棚に張る。左捻(よ)りを定式とし、三筋・五筋・七筋と、順次に藁の茎を捻り放して垂れ、その間々に紙垂(かみしで)を下げる】とあるように、神の「なわばり」を示す印です。神代の時代、天照大神が天の岩戸からお出になった後、岩戸に縄を張り再び中に入れぬようにしたことに始まります。
浄不浄を問わない、阿弥陀如来の平等な慈悲を説く浄土真宗にはそぐわない慣わしです。
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