西方寺災害支援活動報告

2011
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1025日から28日まで、西方寺門信徒として6名が仙台西本願寺別院内に設置された東北教区災害ボランティアセンターに赴き被災地での奉仕活動を行った。

参加者名(敬称略)は女性初参加の赤座、川添、荷堂、大中と男性は堂下氏と下名である。

日程、活動の内容は以下の通り

1025日朝10時半に東京駅八重洲から仙台駅直行バスに乗り、途中休憩を経て夕刻4時過ぎ別院に到着。6時より別院で滞在中のボランティア全員と事務局員による定例ミーティングに参加した。 当日参加者総数は仙台別院の輪番、事務局員含め20数名。

ミーティングの内容は、先ず始める前に本堂に安置されている阿弥陀如来に向かって一同合掌、礼拝を行う。それからは自己紹介、当日奉仕活動をされた人(指名されたリーダーとその他)から活動状況の報告、感想を述べる。その後事務局からの連絡事項、及び翌日の活動要請項目・内容・場所の通知とその要請に対する活動希望者の募集、振り分けを行うものである。

1026日―活動1日目

7時に本堂にて全員でおつとめ、正信偈を読経。我ら西方寺組み6名は他に3名を加え745分に2台の車で石巻市の称法寺に向け出発。 2時間弱を経て称法寺に到着。

称法寺での作業は、津波で破壊されたお墓に流れこんだ家屋のガレキを取り除く事と、既に墓地の歩道や倒れた墓石を覆い隠す程に生い茂った雑草を除去する事であった。

お墓の数は800基を超える由、既に修復、復元中のお墓は僅かに有るが殆どが手つかずの状態である。 (添付墓地風景参照)

シャベルやカマを持ってのガレキ、雑草の撤去作業は女性にとってはかなり重労働であったに違いない。45分作業の後15分休憩を取るパターンで午後3時まで活動した。

(参考:称法寺は海岸から数百メートルの距離に在り、津波が6メートルの高さで襲い周辺の建物を壊滅状態にして寺の本堂、庫裡、境内に在る墓地にも大きな被害をもたらした。梵鐘まで流され未だ行方不明の由。)

1027日―活動2日目

7時に本堂にておつとめ、正信偈を読経。この日は我ら6名の内3名が再度称法寺でのガレキ撤去と、下名を含む3名は他の2名と共に被災者用仮設住宅内にある集会所での地域支援活動を行う組みに別れた。

仙台別院で行なっている上記地域支援活動の内容は、幾つかの集会所でお茶会を催し被災者同士との触れあいの場を作り、楽しみながら絆を強めていただくことである。 ボランティア活動としては参加者に飲み物、スナックを提供し更に生活支援物資等を配り、被災者の輪に入って話を聴いたり、DVDを見たり時には一緒にカラオケで歌ったりして交流することである。


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午前中は名取市にある美田園第一団地(仮設住宅128世帯添付写真参照)の集会所でのお茶会を設定。参加者数は31名、内女性は30名男性1名。 午後は植松入生団地(仮設住宅150世帯)の集会所でのお茶会を設定。参加者数は33名、内女性は30名男性3名。

<所感>:今回は三度目の参加である。三度目にして初めて被災者と直接顔を見合わせ、少しの時間であるが話を聴く機会が得られたことは大きな体験であった。今回訪問した仮設住宅団地には中高齢者が住む地域であった。最寄りのスーパーへは自転車か車を利用。

            1. 参加者は女性が圧倒的に多い。仕事をしている男性も少なくないとの事だが、集会室を覗きに来て参加者を見て男性が居ないので帰ってしまう人も何人か見受けた。

 

参加された女性は一般的に良く喋り、共通する話題、趣味も持っていそうで元気な人が多かった。話すことがストレスの発散になっているようである。中高年になって心身ともにケアが必要なのはむしろ男性ではないかと思われる、今後男性が楽しく参加できる催し等の企画が望まれると感じた。

            2. 仮設住宅の場所で午前中に訪問した美田園第一団地はその周辺に新設の高級住宅が隣接しており景観上も心理的にも両方の住民の間で何らかのストレスがあるのではないかと思われる。行政としては仮設住宅の建設場所についても被災者の気持ちを配慮すべきと感じた。午後に訪れた植松入生団地についても仙台空港に近く飛行機の騒音が聞こえる場所で入居者に対し気の毒に思わざるを得ない状況であった。

 

称法寺 墓地風景         墓地での活動風景



被災者用仮設住宅    隣接する高級住宅地


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植松入生団地集会室     美田園第一団地 集会室

   
美田園第一団地 集会室    仙台別院内陣


仙台別院前にて集合

以上

ボランティアに参加して

(大中・荷堂・川添・赤座)

 4泊5日の日程での参加となりました。

初日は四人揃って、宮城県石巻の称法寺で、流入物の撤去作業をさせていただきました。テレビ等で目にしていた光景が実際に自分の足元に広がったときには、言いようの無いショックを受けました。何処から手をつけてよいのやらと、立ちつくす事も度々ありましたが、今はコツコツと遣っていくしか無いねと、一緒に行った仲間と話しながらの作業となりました。

 二日目は、称法寺と、仮設住宅の集会所での地域支援活動(お茶会)の二手に分かれての活動となりました。称法寺では、一組の埋葬に出くわしました。半年経っても生存確認ができないと言うお祖母さんの遺骨の無い埋葬で、お墓も完全ではなく、遣り切れない想いで冥福を祈りましたが、見送りをされる方々の気持ちを想うと一日も早い復興を願わずにはいられませんでした。お茶会では、傾聴の大切さを痛感しました。参加されている方々のお話を、心を傾けて聞かせていただくことは、考えていた以上に困難でしたが、とても大切なことだとも実感しました。

 三日目は、ボランティアセンターの整備をさせていただきました。

毎日行われる締め括りのミーティングで、お互いの活動を報告し合うことは、今後の支援活動の必要性や関わり方についての認識を深める事の一翼を担っていると実感させられ、活動に参加する事の意義をも考えさせられました。

 

11月1日、かしわ青光苑で反省会を行いました。

機会があれば、体力の許す限り、継続的に息の永い活動に繋げたい、と決意し、次回に向けて準備する物とかを話すなど、建設的かつ具体的な話も出ました。

 

今回参加させていただき、通り過ぎただけ、眺めただけでは得がたい体験をさせていただき感謝しております。是非、また行かせてください。

 

 

毎晩、地域支援と銘打って銭湯に行き、美味しい物を食べ、充実した仙台でした。ありがとうございました。