浄土真宗の仏事・おつとめ あなたの知りたいことは? 本文へジャンプ
法要を勤める


 月忌(がっき)のこころえを教えてください。

月忌とは毎月の死亡した日と同じ日のことで月の命日のことです。

故人の命日の参拝なので、故人への追慕を通して、このひと月どんな生活であったかなど、亡き人や仏さまを鏡として反省と感謝の営みのひと時をもちます。

 小さな子供さんがいるときには、ご一緒にお勤めに参加させて下さい。小さな子供さんは、両親、祖父母の後ろ姿を通して、自分の思いをこえた仏さまの働きが刻み込まれます。

 地域によっては、親の命日に精進料理といって、肉食を断つ食事をする伝統もあります。この日は、例えば半日を精進料理ですますなどの実践を通して、いのちの尊さを感ずる一日にしてはいかがでしょうか。また日付は異なっていてもお寺で開催される法話会等に参加することをもって法事とすることも結構です。


逮夜(たいや)参りとは

「逮夜」の(逮)は明日に逮(およ)ぶの意で、逮夜とは翌日の火葬につながる夜、つまり火葬の前夜をいいます。転じて、年忌(ねんき)や月忌などの忌日の前夜をさすようになりました。関西地区では逮夜参りと言って、月忌の前日に法事を営む風習もあります。たとえば東西本願寺では親鸞聖人の月のご命日には、命日の前日の午後に逮夜法要を営み、ご命日の午前中に日中法要を勤めます。逮夜は命日と同様に大切にされています。

祥月(しょうつき)命日とは
祥月とは、故人が亡くなった月をいい、中国では、喪は凶に通じ、喪が開けることはめでたい、幸せなこと(祥)とされてきました。そこで忌明けのめでたい月を祥月といったようです。命日は、死亡した月の命日と同じ月日を祥月命日といいます。祥月命日は、お寺か自宅で、僧侶と一緒にお勤めするか、毎月定例の法話会があれば、その月の法話会に出席し故人の遺徳を偲び、別途に「志」を包むことをお勧めします。

年忌(ねんき)法要の数え方は

年回法要の教え方ですが、 一周忌・・・満1年目、三回忌・・・満2年目、七回忌・・・満6年目、十三回忌・・・満12年目、十七回忌・・・満16年目、二十五回忌・・・満24年目、三十三回忌・・・満32年目。五十回忌・・・満49年目となります。

 二十五回忌の変わりに二十三回忌と二十七回忌を勤める場合もあります。

二つの法事を併せて営んでもかまいませんか?
法事とは故人ひとり一人のもですから、原則として一人に対して営むのが最良です。しかし、たとえば祖父の「十三回忌」と父親の「三回忌」が同じ月などの場合、二つの法事を合わせて営むこともあります。これを「併修」と呼びます。「併修」をするときには、通常、早い方の命日にあわせます。4月と7月が命日の場合は4月に合わせるわけです。また、「一周忌」については「併修」しないのが通常ですが、お招きする人のこともありますので、臨機応変にご住職に御相談下さい。

法事のとき、仏檀のお荘厳とお供えについて教えてください。

法事にあたっては、当然のことですが、まずお仏壇の内外をきれいに掃除し、荘厳(おかざり)も、法事らしく整えます。  

 法事らしくとは、仏具を三具足(右からローソク立て、香炉、花瓶)から五具足(右から花瓶、ローソク立て、香炉、ローソク立て、花瓶)へ変更します。

 次に、打敷(うちしき)を出し、上段の上卓や中段の前卓に敷きます。過去帳を仏壇の引きだしに保管してあるときなどは、これを取り出し、故人のところを開いて、仏壇の最下段右側に置きます。法名軸であれば、側面か見える場所にお掛けします。

 お仏飯とお餅やお菓子、季節の果物などもお供えします。ただし、いくら故人の好物だったといっても、いわゆるナマグサものは供えしません。 また、地方によっては参詣者がお供えを持ちより、そのお供え物をあとで「おさがり」として参詣者全員に配るという風習があります。そのような場合のお供えは、当然にたくさんになりますので仏壇の正面や左右にならべることになります。

 そして焼香用の香(香盒にいれて)、香炉、焼香盆を用意します。焼香盆がないときには、小さ目のお盆等で代用します。焼香の用意ができない場合はご住職に御相談してください。

お焼香の作法は

自宅で法事を行う場合など、座って焼香を行うことがほとんどです。その場合は次の手順で行います。

@一礼

 香炉と香の載ったお盆のことを、「焼香盆」といいます。最近は、セットになった一体型もよく見られます。

 この焼香盆を自分の前に置き、一礼します。これは仏さまに対する礼で、香にするものではありません。合掌礼拝する必要はありません。

A香をくべる

 右手で香をつまんで、香炉の火にくべます。回数は宗派によって相違します。額に近付け「いただく」という作法は浄土真宗では行いません

B合掌・称名・礼拝

C一礼

  最後にもう一度一礼します。

  法要では焼香盆が出席者に順次廻していくので、通称「廻し焼香」と言います。自分のところに廻ってきたら、すみやかに焼香して、次の方に渡します。人数が多い場合は、香をくべた後、先に焼香盆を廻して、合掌礼拝をしても良いでしょう。会場が狭く、自分の前に焼香盆の置けるスペースがない時も、同様に先に次の人に廻します。

    自宅で法事などの仏事を行う場合、開始予定時刻の少なくとも10分くらい前には、香炉に火種を入れておきましょう。火種は香炭と言って、焼香専用の炭を仏壇店などでもとめてください。


お焼香のとき香を摘む回数ですどうなっていますか。

本願寺派は、頂かずに一回香をくべ、大谷派は、二回。 高田派は3回、興正派3回(1回でもよい)です。他宗で見ると、日蓮宗は、導師は三回、他は一回。そう洞宗は、一回目は頂き、二回目は頂かずの計二回。天台宗は、基本が一回で、二回、三回もよしとあります。

 バラバラで統一にかけているようですが、これは焼香の回数は最重要ではないということを物語っています。例えれば、りんごを一つ供えるのがよいか、二つ供えるのがよいかの相違で、お供えすることが重要なのです。しかし、人間は形にこだわるので、大きな団体として、一つに形式を定めています。自分の所属する宗旨の作法で焼香するのが、焼香の作法です。

 また過般、「浄土真宗ではお香をなぜ頂かないのか」と聞かれました。「なぜするのか」という質問が多い中、「なぜしないのか」は面白い質問でした。

 浄土真宗では、お焼香の折りお香を頂きません。しかしその他のことでは頂く場合があります。それは経本を開いたり袈裟類を着用する場合です。共に頂いてから身に添えます。ところがお焼香や花、仏飯類は頂かずに供えます。他宗の方が、なぜ香を頂くのかと言えば、心をこめるのです。真心を込めてお供えするのです。ところが浄土真宗は、私の心は汚染されているとの自覚から心を込めることをしません。

 袈裟や経本は、仏の側に所属する類のものです。だから頂きます。本尊を奉るとき、仏をいただいて奉ります。これは心を込めるのではなく、尊敬の念から頂くのだと思います。


寺院へのお布施の表書きは

ご法事その他の仏事の時、施主がお寺に納める金品の表書きですが、最も適している言葉は、「志」です。「お布施」と書くこともありますが、「お経料」「回向料」「供養料」とは書き方はしません。

 仏事に列席するときにお供えする場合は「ご仏前」と表書きし名前を記します。又は「香資」「香典」でもかまいません。なお、水引の色は、葬儀、中陰など悲しみのときは黒・白または黄・白、入仏法要や報恩講など慶びの法要は赤・白、その他のときは無地の水引無しか黄・白が一般的です。 
法事に日の良し悪しはありますか。

日の吉凶、占い、方位、姓名判断などの迷信に左右されないのが浄土真宗の宗風です。ですから法事に日の良し悪しはありません。法事は忌日前に営むとの常識がありますが、これも「必ず」ではありません。

  浄土真宗の門徒を「門徒もの知らず」と軽蔑的に言われることがありますが、これは阿弥陀さま一仏をあて頼りとし、俗信や迷信に惑わされない素直な信仰の姿・態度からです。「門徒物忌み知らず」から生まれた言葉だとする説もあります。


法事・法要のつとめ方・すすめ方を教えてください。

@日時の決定・お寺との打ち合わせ

 月命日や、家族だけでのお勤めで、日時が自由になるのであれば1週間前でも大丈夫でしょう。しかし親類や友人が集まる場合は、3ヵ月前、遅くとも1ヵ月前には連絡し打ち合わせをします。通常、昼をはさむ午前十一時から十三時から法事の予約が組まれることが多いようです。

A会場の決定(自宅・お寺・貸し会場)

 年回法要をどこで勤めるかを決定します。自宅でもお寺でも貸し会場などの会館でもかまいません。また、最近では法事専門の会館やホテル、墓苑などの法事施設、自治会館や団地の集会所などを利用する例も増えてきています。ホテル等の貸し会場の場合には、御本尊を安置するしかるべき場所が必要です。御本尊はご自身で用意するのか、お寺さんにご持参願うのかを住職と打ち合わせ、御本尊を安置する台(テーブルに白い布を掛けるなど)を用意します。焼香ができない場合は、献花でもよいでしょう。

自宅の場合

お仏壇の掃除・準備

 法事にあたっては、まずお仏壇の内外をきれいに掃除し、荘厳(おかざり)も、法事らしく整えます。いつもお仏壇を安置している部屋が狭い場合には、別の部屋にお仏壇を臨時に移動させてもかまいません。

 できれば焼香用の香(香盒にいれて)、香炉、焼香盆を用意します。焼香盆がないときには、小さ目のお盆等で代用します。

僧侶の座る場所を

 僧侶は、読経中には仏壇の正面に座りますが、僧侶が来てまず座ってもらう仏壇に向かって左右どちらかの上座に別に用意します。ここで、読経に入るまでお茶の接待をします。

@親類参集(遅くても法要開始の十五分前には参集)

A僧侶の到着

B お茶の接待 衣を変えるので「先にお茶をお持ちしてもよろしいですか」確認し接待する。

Cお仏壇の準備(点火、点燭、供香、供飯ー施主が行います)

D一同着座

E 施主の法要開始の挨拶(ただ今から釋○○の○忌法要を、○○寺ご住職をお招きしてお勤めいたします)

F 一同合掌・念仏・礼拝

G 読経の開始

H 焼香(全員)

I 読経終了

J 一同合掌・念仏・礼拝

K法話

L 施主による法要終了の挨拶(僧侶と参集者へ)

M お斎(おとき)(会食)