毎日のおつとめ

一般寺院では、毎日、晨朝勤行 (朝のおつとめ)と日没勤行(夕べのおつとめ)が行われます。
晨朝勤行は、「正信偈」(草譜)6首引きと「御文章」でおつとめします。日没勤行は「正信偈」(草譜)短念仏・回向のおつとめです。「正信偈」に続いて、「浄土3部経」の繰り読みをする寺院もあります。
一般の家庭では、寺院に準じてお勤めすることがよいのですが、「讃仏偈」や「重誓偈」「十二礼」などでもよいと思います。でも一日に一回は「正信偈」をつとめしましょう。
 その他に、昭和23年蓮如上人450回遠忌法要の折りに訳された、「しんじんの歌」「ちかいの歌」「らいはいの歌」「さんだんの歌」などもおつとめします。

回向について

回向の経文は、江戸時代には回向伽陀として色々な経文が勤められたいました。現在では、「願以此功徳 平等施一切」(善導大師・観経玄義文)の文を基本とします。作法については「願以此功徳」以外の句を用いる場合には「回向句」として区別されています。ただし「出棺勤行」の回向は、経文の中に「願以此功徳」があるので、他の句が用いられています。
 しかし一般寺院においては「願以此功徳」以外の句も多く用いられているようです。

  せそんがいっしん きみょうじんじっぽう むげこうにょらい がんしょうあんらくこく
例 世尊我一心 帰命尽十方  無碍光如来 願生安楽国(天親菩薩・浄土論)

  がんさろんせつげ がんけんみだぶつ ふぐしょしゅじょう おうじょうあんらくこく
  我作論説偈 願見弥陀仏 普供諸衆生 往生安楽国(天親菩薩・浄土論)
 がせびそんくどくじ しゅぜんむへんにょかいすい しょぎゃくぜんこんしょうじょうしゃ えせしゅじょうしょうひこく

  我説彼尊功徳事 衆善無辺如海水   所獲善根清浄者    ?施衆生生彼国
                          (龍樹菩薩・願往生礼讃偈)

ごぶつほんがんりき もんみょうよくおうじょう かいしつとうひこく じちふたいてん
  其仏本願力 聞名欲往生    皆悉到彼国 自致不退転(無量寿経下巻)

こうみょうへんじょう じっぽうせかい ねんぶつしゅじょう せっしゅふしゃ
  光明偏照 十方世界   念仏衆生   摂取不捨(観無量寿経)

本山における毎日の勤行

○ 晨朝勤行
   本 堂 「讃仏偈」(短念仏・回向)
   御影堂 「正信偈」(草譜)6種引き「御文章」
○ 日没勤行
  本 堂 「重誓偈」(短念仏・回向)
  御影堂 「正信偈」(短念仏・回向)
 
毎月のおつとめ

○ 宗祖月忌(毎月15日・16日)
  逮夜 「頌讃」「念仏正信偈」「乙回向句」
  晨朝 「正信偈」(行譜)6種引き「御文章」
  日中 読経(小経)

なお、由緒ある歴代の宗主やその寺の開基の命日、一般家庭においては先祖のご命日など、大切な日には「正信偈」の行譜を用います。

本山の毎月の行事

○ 宗祖月忌法要(毎月15・16日)
  逮夜 「五会念仏作法」
  晨朝 「正信偈」(行譜)六種引き「御文章」
  日中 大師影供作法
○ 前々住上人(5日)、蓮如上人(14日)、覚如上人(23日)、顕如上人(27日)の各ご命日には「行譜」がつとまります。
○ 法然上人(7日)、聖徳太子(11日)のご命日には、本堂晨朝に引き続き、余間の御影の前で奉讃の早引和讃が別修されます。