法要豆知識 な〜んでか

Q 月忌(がっき)とは。

A 月忌とは毎月の死亡した日と同じ日を月の命日を月忌といいます。

Q どんな心持ちで参拝したらいいですか

A 故人の命日の参拝なので、故人の追慕するを通して、このひと月どんな生活であったかなど、亡き人や仏さまを鏡として反省と感謝の営みのひと時をもちます。

 小さな子供さんがいるときには、必ずお勤めに参加させて下さい。小さな子供さんが、両親、祖父母が仏さまにて手を合わせている後ろ姿を通して、自分の思いを超えたおおきないのちや力、働きを深層意識の中に植え付けます。

 親の命日に精進料理と行って、肉食を断つ食事をする伝統もあります。この日は、例えば半日を精進料理ですますなどの実践を通して、いのちの尊さを感ずる一日にしてはいかがでしょうか。

Q 逮夜(たいや)参りとは。

A 「逮夜」の(逮)は明日に逮(およ)ぶの意で、逮夜とは翌日の火葬につながる夜、つまり火葬の前夜をいう。転じて、年忌(ねんき)や月忌などの忌日の前夜をさすようになった。(『岩波仏教辞典』)とあります。関西地区では逮夜参りと言って、月忌の前日に法事を営む風習もあります。 宗派によっては逮夜法要を重くみます。

Q 祥月(しょうつき)命日とは。

A  祥月命日

祥月とは、故人が亡くなった月をいい、中国では、喪は凶に通じ、喪が開けることはめでたい、幸せなこと(祥)とされてきました。そこで忌明けのめでたい月を祥月といったのです。命日は、亡くなった日で、死亡した同じ月日を祥月命日といいます。

Q お彼岸とは

A 春分の日と秋分の日を中日として、前後三日間の一週間をお彼岸といいます。彼岸は川を隔てた向こう岸(彼の岸)で仏の住む浄土の世界のことです。この行事は日本のみで行われるものです。彼岸とは般若波羅蜜多(梵語でパーラミター)の訳語の到彼岸を略したもので、迷いの此岸から悟りの彼岸にいたることをいいます。

Q お盆とは

 お盆とは、正式には孟蘭盆会(うらぼんえ)といいます。『盂蘭盆経』という経典がその由来ですが、「盂蘭盆」とは、サンスクリット語「ウランバナ」を音写したもので、漢訳では「倒懸(とうけん)」、即ち「逆さまに吊り下げられる」という意味です。

 お釈迦さまの弟子であった目蓮尊者が、餓鬼道におちて苦しんでいる母親を救いたいと、お釈迦さまにお尋ねになりました。すると、お釈迦さまは、7月15日に多くの僧侶に供養することをすすめられました。これがお盆のいわれです。

 明治になり歴の改訂があり、八月と七月と地域により違った日に勤まるようになりました。特に「孝」という徳を重んじる中国の始まり、、日本で定着して仏事です。

Q 年忌(ねんき)法要とは

A 年回法要の教え方ですが、 一周忌・・・満1年目、三回忌・・・満2年目、七回忌・・・満6年目、十三回忌・・・満12年目、十七回忌・・・満16年目、二十五回忌・・・満24年目、三十三回忌・・・満32年目。五十回忌・・・満49年目となります。

Q 年回の数字に何か意味があるのですか。

A「初七日」から「四十九日」までの七回の仏事はインドに起源がもとめられます。それに中国で「百か日」、「一周忌」、「三回忌」が付け加えられ十仏事が成立したそうです。十仏事は、『十王経』にちなんでいます。『十王経』では十仏事のひとつひとつを司る王が死者の生前の罪を調べるとされています。この十仏事に、日本においてさらに「七回忌」、「十三回忌」、「三十三回忌」が付け加えられ十三仏事となりました。

Q 中陰法要とは

A 亡くなった日を入れて、七日目ごとに行う法要です。

中陰とは、仏教では命の連鎖を受胎した瞬間を生有、生きている間を本有、死の瞬間を死有、次の世に生まれるまでの間の四十九日を中有とか中陰と呼ばれています。中陰の供養は初七日、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、七七日(四十九日)と七日ごとに続きます。

 昔のインドの教えによると、亡くなって四十九日間の間に来世の行き先が決まるとされています。来世とは仏教の教えである六道、すなわち地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天のことです。そうした考えが元となって追善供養の考え方が生まれました。真宗では追善供養という考え方をしないので、中陰期間の法事を営むことによって、故人に対する感謝と想いをあらたにし、また仏教の教えに出会う縁の場とします。

 中陰の考えから浄土真宗以外では、この期間はまだ仏になってはいないと、、「四十九日」までは不祝儀袋の表書きは「御霊前」とします。真宗は「御仏前」で結構です。

Q 百ヵ日とは

A 百ヵ日は、儒教の卒哭(そっこく)に準じていると言われます。卒哭とは、死者に対して喪服、通哭する期間のことです。

Q 一周忌と三回忌は。

A 儒教の小祥、大祥に準じていると言われます。同様に喪が明けるという行事の一貫です。

Q 忌という忌み嫌うという意味ですが。

A 以前「本願寺新報」にこの「忌」について数種の辞典の解説を紹介して、忌むとは1.「タブー」として避ける意味と、2.亡くなった人の命日・その日に当たってつつしむ意味があるとして、2の意味をもっと積極的に打ち出すべきという意見を示したとあります。だからこの「忌」という文字は、忌み嫌う意味だけではないようです。

親鸞聖人の年忌を「御正忌」と言います。浄土真宗の人だと、御正忌といっても、いっこうに忌み嫌うという語感を持ちません。それは文字の持つ意味も大切ですが、それ以上に、忌をどのような営みとして実行しているかが重要なのだと思います。

Q 喪中とは

A 高円宮さまが亡くなられた時、両陛下は21日から5日間の喪に入られ、久子さまと承子(つぐこ)さま、典子(のりこ)さま、絢子(あやこ)さまの3人のお子さまは特別に90日間の喪に服されました。さらに皇太子ご一家、秋篠宮ご一家、紀宮さまの皇族方も5ー30日間、それぞれ喪に服されたと報道されました。先の皇太后陛下崩御の折りは、天皇陛下は,6月16日から150日の喪を服され,皇后陛下並びに皇族各殿下も同一の喪を服されています。死亡した人の地位や関係によって喪の期間が異なるようです。

 この「喪」という言葉の意味ですが、辞書に「@死亡した人を追悼する礼A人の死後、その親族が一定期間、世を避けて家に籠もり、身を慎むことBわざわい。凶事」(註4)とあり、「忌」と同様な意味があるようです。

 喪に服することを「儀礼的禁忌の状態」といって、世界中で行われているようです。死者に対しての愛着や罪責の念い,死に対する恐れ,死の穢(けがれ)を遠ざけることから、色々な習慣が生まれたようです。

 実際に、喪中はできるだけ派手なレジャーや遊興を避け、年始参りも控えるのが一般の人の慣例にもなっています。しかし浄土真宗では「死」は、阿弥陀仏と同質な豊かな世界に往き生まれることだから、死を穢れとしたり、死を畏れることをしません。だからといって、死別の悲しみまで否定してしまうことは行き過ぎです。

 真宗的意味づけをするとしたら、その期間に、悲しみが悲しみだけで終わらない教えに出会っていく期間。阿弥陀仏の慈悲は、この私の悲しみを否定するものでく、この悲しみによって起こったことを味わう期間。死は自然なことであり、人生は一期一会であることを、故人の死から学ぶ期間。勤めをするお経の言葉を通しての浄土真宗の教えを身につける期間。故人が残してくれた仏縁をしっかりと受け止める期間ではないでしょうか。

Q 七回忌は。

A 七回忌や十三回忌、三十三回忌は、日本において十六世紀頃までに定着した習慣だそうです。七回忌は、定説はありませんが、十二支の半分とも、七という数義に重きを置いた回忌という説もあります。仏教では「七」という単位と重要視しています。その意味は定かではありませんが、古来インドの人々は「七」という単位を特別視してきたようです。また、「七」という単位は生命の数という説もあります。たとえば、動物の生命が生まれるには不思議と「七」がひとつの単位になっています。たとえば、ニワトリは七日を三回重ねた21日で、ヒナになり、七面鳥は七日を4回重ねた28日でヒナになります。さらに私たち人間は受胎してから十ケ月と十日で生まれるとされています。これは、七日を40回かさねた日数です。その他にも、お釈迦様がお生まれになって七歩あるいたことからとか、六道をこえることを七の数字で表します。

 「通りゃんせ」という童謡では、七つのお祝いに神社仏閣へ行くと歌われていますが、七は人の成長で欠かせない節目の数です。一歳(ひ)から七歳(な)までは「ひな(雛)」、つまり子どもをさしますが、この子がここまで無事に成長することができましたと神仏に感謝する節目の年です。七という数字は、いのちの数だと味わっています。

Q 十三回忌は

A 十二支の次の年、元の干支にかえって勤めるというのが定説です。

 二十五回忌も同様に干支の二順目の初めの年で、本願寺では二十三回忌、二十七回忌の代わりに二十五回忌を勤めます.

 

Q 二つの法事を併せて営んでもかまいませんか?

A 法事とは故人一人ひとりものもですから、原則として一人に対して営むのが普通です。しかし、たとえば祖父の「十三回忌」と父親の「三回忌」が同じ月などの場合、二つの法事を合わせて営むことがあります。これを「併修」と呼びます。「併修」をするときには、早い方の命日にあわせます。4月と7月が命日の場合は4月に合わせるわけです。また、「一周忌」については「併修」しないのが通常です。

Q 法事のときの仏檀のおがざりとお供えについて

A 法事にあたっては、当然のことですが、まずお仏壇の内外をきれいに掃除し、荘厳(おかざり)も、法事らしく整えます。  

 そして仏具を三具足から五具足へ変更します。(花瓶、ローソク立て、香炉の配置は、通常は向かって右からローソク立て、香炉、花瓶という三具足ですが、法事の時には、しまってあるローソク立てと花瓶を出して、五具足(向かって右から花瓶、ローソク立て、香炉、ローソク立て、花瓶)で行なうのが正式です)

 次に、日常はしまってある打敷(うちしき)を出し、上段の上卓や中段の前卓に敷きます。

 過去帳を仏壇の引きだしに保管してあるときなどは、これを取り出し、故人のところを開いて、仏壇の最下段右側に置きます。法名軸であれば、側面か見える場所にお掛けします。

 お仏飯とお餅やお菓子、季節の果物などもお供えします。ただし、いくら故人の好物だったといっても、いわゆるナマグサものは供えないようにします。 また、地方によっては参詣者がお供えを持ちより、そのお供え物をあとで「おさがり」として参詣者全員に配るという風習がありますが、そのような場合のお供えは、当然にたくさんになりますので仏壇の正面や左右にならべることになります。お寺さんのおつとめや焼香のじゃまにならないようにし、別に壇を設けたりしたいものです。

 できれば焼香用の香(香盒にいれて)、香炉、焼香盆を用意します。焼香盆がないときには、小さ目のお盆等で代用します。ローソクや線香は施主が火をつけて整えておくのが本来です。

Q「お盆」のときの仏檀のおがざりとお供えについて

A 浄土真宗では「お盆」だからといって特別なお飾りはいたしません。これは「新盆」の場合も同様です。一部の風習(他の宗派など)では、精霊棚を作って、お膳を用意し、ナスとキュウリにおがらをさして、牛と馬に見立てたり、迎え火、送り火といったことをしたり、提灯・灯篭を飾ったりするようですが、浄土真宗ではその必要がありません。浄土真宗では、故人は全て阿弥陀さまの浄土にご往生しているので、お盆に霊が帰ってくるという発想はないからです。

 したがって、浄土真宗では一般の法要と同じように、花を差し替え、餅、菓子、果物などの供物を仏前にお供えし、前卓には打敷を敷けばよろしいでしょう。なお、精霊棚が無いのでお盆のお経を「棚経」という言い方もしません。

Q 日頃のご仏壇へのお給仕を教えて下さい。

A 朝起きましたら、お仏飯(炊き上がったごはんのお初(ご飯を炊かないお宅はパンでも結構です)をお供えします。他宗のようにお茶やお水などは供えません。そして、礼拝のときは、ローソクに点火し、お線香は香炉の大きさに合わせて折り、寝かせて供えます。キンは、お経を称えるときにだけ鳴らします。

 お経は時間がないときは、短いものもあります。ほとんど時間がない方は、毎日、お出かけになる前に、仏壇に向かい、お線香を供え、合掌・礼拝し「なんまんだぶつ」とお念仏を称えましょう。また、帰りましたら、まずは仏壇に向かうよう心がけましょう。その際、必ず念珠を両手にかけるようにします。

服装や念珠はどう扱いますか。

浄土真宗のご門徒が仏事に出席する時は、各自が浄土真宗の念珠と門徒式章を携行するようにしましょう。門徒式章を着ければそれが正装です。

 お念珠は片手ではなく合掌した両手に、念珠の房が真下に垂れるよう、親指と他の指の間にかけます。合掌しない時には正式にはできれば左手に持って下さい。

 お念珠・聖典・式章は大切な法具ですから人が歩く床や畳の上に直接置かないようにします.

Q お焼香の作法は

A 焼香を座って行なうとき

 自宅で法事を行う場合など、座って焼香を行うことが多いのですが、次の手順で行います。

1)一礼

 香炉と香の載ったお盆のことを、「焼香盆」といいます。最近は、セットになった一体型もよく見られます。

 この焼香盆を自分の前に置き、一礼します。これは仏さまに対する礼で、香にするものではありません。合掌礼拝する必要はありません。

2)香をくべる

 右手で香をつまんで、香炉の火にくべます。回数は一回だけ。他の宗派などで、額に近付けるような、「いただく」という作法がありますが、浄土真宗では行いません。

3)合掌礼拝

4)一礼

  最後にもう一度一礼します。

  焼香盆を出席者に順次廻していくので、通称「廻し焼香」と言います。自分のところに廻ってきたら、すみやかに焼香して、次の方に渡します。人数が多い場合は、(2)で香をくべた後、先に焼香盆を廻して、(3)合掌礼拝をしても良いでしょう。会場が狭く、自分の前に焼香盆の置けるスペースがない時も、同様に先に次の人に廻しましょう。

*自宅で法事などの仏事を行う場合、開始予定時刻の少なくとも5分くらい前には、香炉に火種を入れておきましょう。火種は香炭と言って、焼香専用の炭を仏壇店などで売っています。

*念珠には形状から、「一連」のものと「二連」のものがあります。通常、門徒は一連を使用します。

念珠の一番大きな珠を通称「親玉」と言いますが、その珠から出ている房にも種類があります。房は男性用は「ひも房」、女性用は「切り房」が望ましいようです。なお「梵天房」は避けたほうが無難です。

  焼香とは、香を仏さまにお供えする行為です。良い香りをたくことで、辺りを清らかにして仏さまをもてなすという意味と、同時にその香りが仏さまの徳となって、人の心に染み付いていくことを表しています。つまりは、香りの良さが肝心なのです。香をくべる回数や作法よりも、まず大事なのは「香りそのもの」です。本当は、それぞれが厳選した香を持参して、お供えすべきものです。しかし最近は安価で、低品質のお香が使用されることが多く、儀式の折角の厳かな雰囲気が壊れてしまっていることもあります。一方、良質な香は、古来から、病気を治すためにも使われたり、精神安定作用があるなどの利点もありま.

Q 寺院へのお礼の表書きは

A ご法事その他の仏事の施主がご住職僧侶にお預けする場合には、最も適している言葉は、「志」です。「お布施」と書くこともあります。「お経料」「回向料」「供養料」等の書き方はしません。

 仏事に列席するときにお供えする場合は「ご仏前」と表書きし名前を記します。又は「御香資」「お香典」でもかまいません。なお、水引の色は、葬儀、中陰など悲しみのときは黒・白または黄・白、入仏法要や報恩講など慶びの法要は赤・白、その他のときは無地の水引無しか黄・白が一般的です。 

Q 法事に日の良し悪しはありますか。

A  日の吉凶、占い、方位、姓名判断などの迷信に左右されないのが浄土真宗の宗風です。

  浄土真宗の門徒を「門徒もの知らず」と軽蔑的に言われることがありますが、これは阿弥陀さま一仏をあて頼りとし、俗信や迷信に惑わされない素直な信仰の姿・態度からです。「門徒物忌み知らず」の誤伝だからであるとの説もあります。

その4 「冥福」「霊前」の語は使わない

 浄土真宗は阿弥陀如来の本願力により、お念仏をいただいた人は即得往生する教えです。ですから冥福(死後の幸福)を祈る必要はありません。冥福は死後に迷って幸福になれないかもしれないという認識に立つ言葉ですから、浄土真宗の方に「謹んでご冥福をお祈りいたします」とは大変失礼な言葉となります。「謹んで哀悼の意を表します」どが適当です。

*献杯も「ご冥福を祈り」と言わず、「故人のご恩を感謝し」とか「これからも私たちを正しい方向に導いて下さることをお念願し」とか考えたいものです。

法事・法要のつとめ方・すすめ方

一、日時の決定・お寺との打ち合わせ

 月命日や、家族だけで時間が自由に動かせる場合は、2、3日前でも大丈夫ですが、親類が集まる場合や、土日の折りには3ヵ月前程度からで遅くとも1ヵ月前には連絡するようにします。通常、午前十一時から十二時、十三時と予定が組まれる場合が多い現状です。

二、会場の決定(自宅・お寺・貸し会場)

 年回法要などをどこで勤めるかを決定します。自宅でもお寺でも貸し会場などの会館でもかまいません。また、最近では法事専門の会館やホテル、霊園などの法事施設、自治会館や団地の集会所などを利用する例も増えてきています。まず、御本尊と御本尊を安置するしかるべき場所が必要です。御本尊をご自身で用意するのか、またはお寺さんに持参願うのかをお寺との打ち合わせ時にきちんと決め、御本尊を安置する台(テーブルに白い布を掛けるなど)を用意します。ホテルなどでは香を用いずに献花を行うようにするなどの対応も必要です。

 

自宅の場合

お仏壇の掃除・準備

 法事にあたっては、当然のことですが、まずお仏壇の内外をきれいに掃除し、荘厳(おかざり)も、法事らしく整えねばなりません。なお、いつもお仏壇を安置している部屋が狭い場合には、別の部屋にお仏壇を臨時に移動させてもかまいません。

 できれば焼香用の香(香盒にいれて)、香炉、焼香盆を用意します。焼香盆がないときには、小さ目のお盆等で代用します。

お寺さんの座るところ

 お寺さんは、読経中には仏壇の正面に座りますが、お寺さんが来てまず座っていただくところは、仏壇に向かって左右どちらかの上座に別に用意します。ここで、読経に入るまでお茶の接待をしますので、正面の座とは別に作っておかねばなりません。概略は次の通りです。

(あ)親類参集(遅くても法要開始の十五分前には参集)

 (い)お寺さんの到着

 () お茶の接待 衣を変えるので「先にお茶をお持ちしてもよろしいですか」確認が必要

(え) 一同着座

 ()お仏壇の準備(点火、点燭、供香、供飯ー施主が行うこと)

 () 施主の法要開始の挨拶(ただ今から釋○○の○忌法要を、○○寺ご住職をお招きしてお勤めいたします)

 () 一同合掌・念仏・礼拝

 () 読経の開始

 () 焼香(全員)

 () 読経終了

 () 一同合掌・念仏・礼拝

 (し)短い法話

 () 施主による法要終了の挨拶(お寺さんの参集者へ)

 () お斎(おとき)(会食)

[法事のときの服装]

 昔は、法事のとき施主は必ず羽織・袴の正装でというしきたりがありましたが、最近では、ご葬儀のとき以外は正式な喪服を着用される方がほとんど見られなくなりました。特に近年、法事は何回忌であっても喪服を着るもの、と決めてかかっている方が多くなってきたようですが、決してそんな事はありません。

 年回法要に招かれたときに、わざわざ黒の略礼服を着ていったら、主催者側の人たちは普通の背広姿で、かえって恥をかいてしまう結果となることもあります。主催者は法事の案内時にどんな服装にすべきかを案内状に明記しておくことも必要です。

 必ず念珠(数珠)を忘れないようにするとともに、門徒式章をかけるようにしたいものです。

 

Q 他宗派の法事に出席する時はどう振る舞えばいいのでしょうか。

A 招かれる方も、招く方も互いに相手を尊重することが大切です。焼香などの作法は浄土真宗の作法にのっとって行っても失礼にはなりません。キリスト教や神道の儀式に参列した時でも、合掌して小さくお念仏させて(大声で念仏を称えることはさける)いただいても失礼にはなりません。その意味で、他宗派の方が真宗の法要に参列していることも想定しておく必要があります。その場合もこちらの作法を強要するものではありません。

Q 法事の案内状の書き方について

ときどき質問を受けますので私なりの例を記しますので参考にしてください。

(お父様の七回忌の文例です)

謹啓 秋晴の候(当然、季節によって異なる時候の挨拶) ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

 さて、早いもので亡父の7回忌を迎えることになりました。

 つきましては、○月○日(○曜日)午前○時、○○寺さまにおきまして(自宅の場合には自宅においてとする)心ばかりの法要を営みたいと計画しております。

ご多用中のこととは存じますが、万障お繰りあわせのうえ、ご参席、ご焼香くださいますようお願い申し上げます。

 法要後は先年のご恩を思いつつお寺で(自宅で)近況を報告しあい、年回法要を機縁に顔を合わせ、ともに会食をさせていただこうと予定しています。

なお、服装は略式(または平服)にてご出席ください。

 皆様によろしくお伝えくださいませ。

                                合掌

           記

場所  ○○寺(自宅の場合には自宅) (○○市○○町○○番地)

日時  平成○○年○月○○日 ○○時より

                                施主  ○○○○

○○○○様

追伸、会食準備の都合上、出席人数を(○月○日までに同封の返信用葉書にてお知らせくださいませ。)(○月○日までにお電話にて当方にお知らせくださいませ。)