空き缶で井戸掘り

日差しがきつくなってきて、畑の野菜の水やりが欠かせなくなってきました。遠くから水を運ぶため、畑に井戸があったらと考えていました。 自分で掘るのは無理と思っていたのですが、掘ってみようと思い立ちました。穴掘りの道具と言えばスコップぐらいで、数メートルも掘れるような道具は有るはずが無いのですがそこはなんとかなるだろうと・・。 近くを川が流れていて、昔は井戸がたくさんあったし、近くに電動ポンプの井戸があるので、4〜5m掘れば何とか地下水にたどり着けるはずと考えたのです。とにかく、土を少しづつすくい取ってやれば掘ることが出来るはずと、空き缶と細い荒材で道具を作り少しずつ掘りました。粘土層から砂、砂礫層と地下の土が変化して、堅いところは鉄パイプで突き、すくい取ってはまた突き、2mほど掘った頃、たまたま、通りかかった人がアドバイスをしてくれて、太い塩ビパイプを入れその中を掘り進み、2.7mで地下水に到達しました。長さ4mの塩ビパイプがほとんど埋まるまで掘り進んだ頃、水深が1m以上になりました。小さな動力ポンプを買ってきて水をくみ上げてみると、水が驚くほどよく出て喜んだのですが、砂が吹き出してきてポンプに詰まり、ポンプがだめになってしまいました。ポンプの修理が終わってから砂を吸い込まないように工夫して、手押しポンプも付けて完成しました。近くの畑にも2本目の井戸を掘りました。井戸を掘ってみようと思う人(そんな人おらんやろなー。)の参考のためまとめてみました。以下の写真は2本目の井戸のもので、1日3時間ほど掘って、掘り始めから1週間で完成しました。水質は透明で、水温は約19℃、念のため東急ハンズで売っている井戸水の検査キットで検査をしようと思っています。 

とりあえず、穴掘り用のスコップで掘り始めました、このスコップでは1m程掘れました。井戸を二つ掘りましたが、それぞれ掘り始めで割れた瓦がたくさん出てきたり、粘土層が厚かったりで掘る場所を変えました。

次に空き缶と荒材で穴掘り器を作りました。直径12.5cmの塩ビパイプを入れて、その中を掘るので、空き缶の直径は直径10cm程のものを使いました。2つ目の井戸のときは直径15cmのタケノコの水炊きが入っていた空き缶を直径11cm程に縮めて作りました。この缶の方がブリキの厚みがあり変形しにくかった。

缶の底は土や石を掻き取れるように、半径より大きめに円弧状に切り、プライヤで外にふくらます様に引き出し土をかき取る刃にする、底を切るときは内側に木をあてがって、外側からマイナスドライバーをあてがい金槌でたたいて切った。大きな石が入るように刃の方の縁を缶切りで切り、網戸用ネットをくくりつけ、すくい取った砂を落とさないようにした。この缶を2.5cm角、3mの荒材に木ネジで固定した。木ネジは写真のように8本を使い、土を多くすくい取るように荒材は缶の底から3cm以上浮かせてつけた。深くなってきて荒材を継ぎ足すと脚立に乗って掘った。堀取った土を取るとき、缶を横にして振るので、一方の端を置く台を写真のように作っておく。砂が多くなったら網戸用ネットを下げ隙間を狭くして、また石が多いようなら隙間を大きくするなど、土の状態によって缶の底を調整して掘り進む。

荒材を継ぎ足すときは同じ荒材を30cm程に切り、4方から木ネジで止めてやればかなりな力にも耐えた。四方の木ネジは位置をずらす。写真は外した状態。

 

ここまで掘れたら直径12.5cmで4mの塩ビパイプを入れる。(どうして直径12.5cmかと言うと、これ以上太い塩ビパイプはホームセンターから自転車で担いで帰れなかった。)

塩ビパイプの下の方1mに5mmの穴をたくさんあけた。電動ドリル使用。5mm以上大きな穴だと砂が入ってくるかも・・?。

この塩ビパイプの中で掘り続け、ときどき、塩ビパイプをたたいて沈めていく。約4mの深さで水深が1m以上になり、動力ポンプで水をくみ出しても十分な湧出量があったのでそれ以上掘らなかったが、湧出量が不十分であれば、塩ビパイプを継ぎ足してもう少し掘る必要があっただろう。写真では塩ビパイプにゴミなどが入らないように厳重に覆ってある。

動力ポンプで水をくみ出すとき、砂を吸い込まないようにホースの先の吸い込み口を防虫ネットで2重に包んでおいた、このとき錆びないようにステンレスの針金を使った。

はじめに掘った井戸には、塩ビのT字形の継ぎ手を付け、動力ポンプと手押しポンプを設置した。直径12.5cmの塩ビパイプに直径3cmの塩ビパイプと直径2.5cmのホース二本が入っている。動力ポンプと手押しポンプを同時に使っても十分な湧出量があって驚いた。手押しポンプは楽てんのぽんぷやさんで購入した。手押しポンプの櫓は自作で、手押しポンプの塩ビパイプの先には念のため逆流防止弁をつけた。

費用

動力ポンプ            約2万円

ホース(内径2.5cm、5m)   1980円

手押しポンプ    サービス期間中で2万円

手押しポンプ用備品(金属製継ぎ手、塩ビパイプ内径約3cm、2m2本、塩ビパイプ継ぎ手、逆流防止弁等)  6.000円程

塩ビパイプ(直径12.5cm、4m) 3.200円

塩ビパイプT字継ぎ手        2.400円

荒材(2.5cm角、3m)     1本198円

空き缶                 0円

あと、値段を忘れたが9cmのステンレス製のボルト、ナット、ワッシャー、細めの5cmと7cmの木ネジ、手押しポンプ櫓用木材、ステンレス製針金、網戸用ネット少々、コンクリートブロック

動力ポンプだけで使うなら3万円以内、手押しポンプだけなら4万円以内、両方付けるなら6万円以内で、あと、手のまめ少々。

**水質検査結果**

共立理化学研究所の井戸水検査セット使用(簡易比色法)

pH            6.5〜7.0(ほぼ中性)

Fe(鉄)          0.05ppm 以下

COD(化学的酸素消費量)  0〜5 ppm

NO2 ̄(亜硝酸)      0.02 ppm以下

全硬度(CaCO3)          約50ppm

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