花模様

大きな花

素地を整形してから、白のガラスを五角形の頂点の位置に付け、それぞれ円形に広げる。円形の白ガラスが隣とひっつかないようにする。白ガラスの上に透明な色ガラスを付け、白ガラスと同じ大きさに広げる。

加熱して柔らかくなったら、5角形の中心を少しへこませ、全体を加熱すると、付けたガラスが広がりながら中心に寄ってくる。中心に素地のガラスが見えていればまた針金で少しへこませる。花の中心に見えるまで繰り返す。

花びらの外側を内側に向かって針金で寄せると変化が出る。全体を加熱して表面を滑らかにする。白のガラスの代わりに、不透明な明るい色を使ってもよい。(へこませると周りから流れてゆくので花のようになる。)

水中花

透明な色ガラス(以下 地ガラス)で玉を作り、その表面に花びらにする色ガラスを五角形の頂点の位置に盛り上がるように付ける。量が少ないときは2回付ける。 花びらの色に変化を付けるときは、先に付けた色ガラスの中心よりの上に色ガラスを付ける。 盛り上がりすぎたのは少し押さえておく。

地ガラスを花びらにする色ガラスの上にかぶせるように付ける。 (中心側にはみ出ないように注意し、中心側から外へ向かって付け、外側で押さえる気持ちで)外側にはみ出てもよい。たまの方の温度が高いと、付けた色ガラスをすくい取ってしまったり、付けたガラスと混ざってしまうので注意する。(地ガラスの色が濃いときは、同系色の薄いガラスを花びらにする色ガラスの上に使うと花が鮮やかになる。ここまで付けたガラスの量が花びらの大きさになる。)  

はなびらになるガラスを付け終わると、全体の温度を上げ、中心を太い針金などでへこませる。あまり温度を上げすぎないで全体を加熱していると、付けたガラスが広がりながら中心に寄ってくる。 離れているのは外側から少しずつ寄せてやり、千枚通しで付けたガラスの内側を中心に引き寄せる、花の形の修正も同様にする、千枚通しを水で冷やしつつすること。

花びらが中心に寄ってくるまで中心をさらにへこませてやる。全体の形の修正も花の形に気を付けながらする。 花びらの形を変化させるときはこの時点で千枚通しなどでする。

 花を数個付けているときは、進行状態を同じように心がける。 花びらが十分に中心に寄ってきたら、中心にへこみ跡が残っているあいだに、用意したミルフィオリ(雄しべ、雌しべ)をラジオペンチなどでしっかり持ち腕を固定して中心に刺し込む、先をほんの少し出しておき、差し込んだミルフィオリ(雄しべ、雌しべ)の先だけに地ガラスをすこし付けておく。 (仕上げたときに花心部が広がる。)

全体を加熱しながら、花以外の膨らんだ部分を軽く押さえて、玉全体の形と花の形を整えていく、ミルフィオリの先が融けて、刺したときのへこみが小さくなってきたら(地ガラスを付けたときに空気が残らない程度)、はなびらの上に付けた地ガラスを、融けたミルフィオリの上に少し付け、それが平らになるまで加熱する(刺したミルフィオリの先端が開き、雄しべ雌しべらしくなる)。 

花全体を覆うように地ガラスを付ける。  付けた地ガラスをすぐに押さえないで、加熱して全体を整形する。 花の形に気を付け、修正もしながらすること。地ガラスを付けると沈み込むので、できあがりを考えて付けること。 2回地ガラスを付けると花が深く沈み込むが、とんぼ玉が大きくなるので地ガラスで玉を作るときに調整をしておく。 花全体に地ガラスをかぶせることで花が広がり、地ガラスのレンズ効果で花がより大きくなる。当然中心に差し込んだミルフィオリ(雄しべ雌しべ)の出来具合には注意を払うべき。

色の濃い透明ガラスや不透明な色ガラスを地ガラスにして水中花を作るときは、楕円状に作った地ガラスの玉の上に透明で薄い色ガラスを被せ(厚めにしないとヒビ割れが起こる)その上に作る。

花心(雄しべ、雌しべ)
ミルフィオリを作る要領で作る。
雄しべは不透明の色ガラスを透明色ガラス(薄い色か無色)でコーティングし、1.5mm程の太さに引き延ばす。
これを2〜3cmの長さに切っておく。

雌しべになる不透明色ガラスの周りに透明色ガラスを厚めにコーティングし、表面をならしてから雄しべを等間隔に6〜8本付け、1〜2mm程の太さに引き延ばし、2〜3mmの長さに切り使う。

コーティングの仕方

不透明色ガラスのコーティングしようとする部分を加熱して、炎の外側で回転させて温度が上がりすぎて変形しないように、冷えすぎないようにしておく。 透明色ガラスを炎の高温部分で融かしながら不透明色ガラスに隙間のないように巻き付けていく。 厚めにするときは往復して巻き付ける。隙間ができたら全体を加熱して先端から縮めるように押さえると隙間が埋まる。 

水中花応用技術

花びらの枚数

同じ平面の花びら。

はなびらの数は左上から時計回りに、5枚、6枚、8枚、10枚。

6枚、8枚、10枚のはなびらを作るには、それぞれ、3枚、4枚、5枚の花びらを付け、花びらが少し広がりかけたときに、花びらの間の中程にもう一度花びらを付けて仕上げる。 後から付けた花びらが上に重なる。

花びらの重なり

花びらを重ねたいとき、5枚の花びらでは、まず一つ花びらをつけ、つぎに少し重なるように一つ、同時にその二つの中心の点対称に一つ、つぎにあいたところに二つ少し重なるようにつくる。

水中花の内部構造

花の中心で割れているので内部構造がよくわかります。 差し込んだ花心部(赤い線状)が、思ったより深く入っていました。 中心部分の褐色に見えるのは初めに巻き付けた黒いガラスで、その外側に透明なガラスを被せています。

作り方  

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