人間はいかにすれば幸せになれるのでしょうか。何が私たちにとって幸せなのでしょうか。本当の幸せとはどういったものなのでしょうか。
 ここに一本百円の鉛筆があります。お金を出したのは自分だからといって粗末に扱います。しかし、百円あっても鉛筆は作れません。鉛筆を作る職人さんがいても鉛筆は作れません。その原料となる木や黒炭があるから鉛筆ができるのです。しかし、その木を育てている人がいただけでも木は育ちません。太陽の光、清らかな水、この地球を覆っている空気があるから木は育つのです。この最も大切な太陽と水と空気は、その鉛筆の代金である百円の中には含まれていないのです。その最も大切なもの、親神・天理王命様より与えられる、火・水・風の御守護は無料で、すべての人に分け与えられているのです。皆さんの身の回りにあるすべてのもの。車、ステレオ、洋服、ハンバーガーにメモ用紙。ありとおらゆるものの値段の中には、それを育てた人、掘り出した人、加工した人への賃金は含まれていても、一番肝心な、その原料をこの世の中へ創り出した人へのお礼は含まれていないのです。この大地に対して、この地球に対して、この世界を創造された神様に対して、我々は一円の代金も支払っていないのです。そればかりか、一言の感謝の言葉もかけていないのではないでしょうか。
 物質的には非常に潤った生活を我々は享受しています。何不自由ない生活、幸福な生活を我々は楽しんでいます。しかし、皆さんもご存じのように、この潤いの代償が確実にこの地球をむしばんでいるのも事実です。こんなに傷ついても地球は一言の反論も言いません。この地球に対して、そして、すべてのものに等しく御守護くださっている親神・天理王命様に対して、我々はこのままでよいのでしょうか。すべての国の、すべての人間に等しく与えられているはずの神の御守護をこのまま我々が独占していていいのでしょうか。このまま何も知らないふりをして甘え続けていてもよいものなのでしょうか。
 物質的な潤いに飲み込まれた幸福感は後には何も残しません。他の犠牲によって生まれる幸福感と決別し、すべての人間がそろって享受できる幸福感を求める時代だと考えます。 親神・天理王命様は人間が陽気に暮らす様を見て共に楽しみたいとおぼしめされて、この世、人間をお作りくだされました。陽気ぐらしとは世の中が平和で争いも戦いもなく、物も不自由なく与えられ、健康にも恵まれ、どのような願いも願いどうりになる暮らしです。ちょうど太陽の光をいっぱいに浴びて、ぽかぽかと暖かく明るい風景から連想できるような、明るく勇んだ心で暮らせる世界です。これこそ本当に幸せな世界ではないでしょうか。私たちはそんな世界の実現を望みます。このような陽気ぐらし世界の実現は、単なる夢物語ではありません。しかし、神によって突然に与えられるものでもありません。親神様の御守護の元で我々人間が、一歩一歩建設し作り出して行くのが陽気ぐらしの世界なのです。その実現のカギは、今ある物に、今なっていることに感謝して歩む心です。この世、人間を創造された親神様に感謝する心です。親神様の御守護に感謝する心です。すべての物に、すべての人に感謝できるような心に成人することなのです。一人より二人、二人より四人、四人より八人。作り手が多ければ多いほど建設は早く完成します。あなたも、この陽気ぐらし世界の実現の作り手、担い手となられてはいかかでしょうか。