天理教の目的は「陽気ぐらし世界の実現」である。それは、この道を通るものなら誰しもが知り、胸に修めていることに違いない。それでは「陽気ぐらし世界実現」のために今、何をするべきなのかと問われると、その答えに躊躇してしまう人も少なくないだろう。
 第七十回青年会総会が十月二十七日、本部中庭で行われた。その中で真柱様は「親神様のご守護、教祖の導きを信じて疑わず、ひたすらひながたを頼りに暮らすところに、陽気ぐらしをわがものにできる道がある。」と述べられた。「ひながた」をたどるところに、陽気ぐらし世界実現への道があるということである。今自分が考えていること、行っていることを教祖のひながたに照らし合わせてみる。そして、それを基準に軌道修正していく。しかし、ひながたを通ることは容易ではない。良かれと思っていても次々とその逆の姿があらわれることもある。「どうしてこうなるのか」と思い悩んでしまう。そして到底陽気とはいえない方向へ心がいずんでいく。これは誰にでもあることに違いない。
 真柱様はこの点についても、「楽しみの味わい上手」になることが大切だと教えられた。この道は本来「楽しみの道」であるとおっしやる。
「楽しみの道とはどういう道か。それは、冬の次には春がくる楽しみ。つぼみがついたら花が咲く楽しみ。花が終わると実になる楽しみ。土を耕して種をまき、水をやり雑草を除いて作物が育つ楽しみ。勉強をして知らないことを知る楽しみ。運動しては体を鍛え、記録を伸ばす楽しみ。考えれば私たちの周りには数え切れないほど楽しみの種を見つけることができる。まずこの種を見つけること。種がなければ実にならない。花にもならないし実は乗らない。」と述べられた。
 人間、面白い事をしているときは陽気。でも一生そればかりはしてられない。普段の生活、また暗く落ち込んだときにこそ、その中で楽しみの種を見つけて育てて行く。その種が時間をかけて育ち花を咲かせる。それが楽しみの花である。
 また真柱様は「楽しみの味わい上手になれば、そこには勇気がわいてくる。勇気があれば辛いことを乗り越える力が湧く。力が湧けば山坂も崖道も怖くない。人が何を言おうと怖くない。恥ずかしくない。これが教祖のひながたをたどる私たちの勇気、心のおさめ方である」とお述べになった。
 「陽気ぐらし世界実現」のための方法は自らの身の内にあった。まず第一歩は、どんな中においても喜びを探して通る姿勢であるということだ。我々青年会員は、教祖百十年祭に向かって、今一度心の立て直しをはかり、日々喜んで通れる心作りに励み、教祖のひながたを真剣に通れるように努めさせていただきたい。