父は、レビー小体型認知症という、徐々に身体の自由が利かなく
なるパーキンソン症状の特徴がある認知症を患っていました。
また、昨年(平成27年)8月9日、加えて深刻な脳梗塞を発症し、入
院していました。
どこまで認識しているのかがわからない状態で、少しでも脳の活
性化になるのでは、と思いついたのが、若い頃からの写真を見せ
るという事でした。
昔の写真をスキャナーで読み込みデジタル化し、スライドショーにし
て見せると、父はじっと画面を見ていました。
この映像は、その時父に見せたものです。
葬儀の際に、受付の横に小さなモニター付のDVDプレーヤーを
置いて皆さんに見てもらいました。
もともと心臓が悪かったため、血液が末端まで届かず、じょじょに
足の先が紫色になってきました。
その頃、意識の乏しい父を楽します方法はないかと思いついたの
が、音楽を聴かす事でした。演歌が好きでしたので、ベスト版を
mp3プレーヤーに入れて聞かせていました。ある時、明かに表情
がかわった時がありました。何の曲だろうとイヤホンを外して聞い
てみると、それは、美空ひばりの「川の流れのように」でした。元
気な頃、よく歌っていた曲。
父はほろりと涙を流しそれから3日後に出直しました。