2012.11.15 私訳更新。訳文のおかしいところは、原文を参照ください。
= Haiku R1 Alpha 4.1 リリースノート =
これは、我々の 4 番目のオフィシャルリリースに対して重大なバグ修正をした最新版、Haiku R1 Alpha 4.1 のリリースノートです。今回の 4 番目の alpha リリースに対して、我々は、Haiku の改良されたバージョン、つまり、より安定し、エンドユーザーと開発者双方に対しより多くの機能を取り入れ、そしてより多くのハードウェアで適切に起動する可能性がより大きなものを提供するように努めました。
我々は、このリリースをできるだけ良いものにするよう努力してきました。しかしながら、少数の既知の問題点や未実装の機能があり、それらのいくつかは以下にまとめられています。どうか Haiku は alpha 品質のソフトウェアであることを忘れないでください。それはつまり、まだ機能が不完全で、既知または未知のバグをまだ含んでいることを意味しています。我々はこのリリースの安定性に対してほぼ確信していますが、データ損失に対していかなる保証を提供しません。
Alpha 4 リリースの活力となるもうひとつのゴールは、現在および将来の Haiku 開発者に、彼らのソフトウェアプロジェクトで使ってもらうために、最新の、(ほぼ) 安定したオペレーティングシステムを提供することでした。そのため、我々は基本的なビルドツールを同梱しました。今回の Haiku リリースは GCC 2 または GCC 4 のどちらでもバイナリの作成および実行ができます。しかし、GCC 4 の使用は、絶対に必要でない限りは推奨しません。それは、将来の Haiku のバージョンでは API の互換性が保証されないからです。
R1 Alpha 4 リリース後すぐのテストの取り組みにより、この重大なバグ修正バージョンをリリースできました。このポイントリリースで修正された具体的なバグは、http://dev.haiku-os.org/ticket/8684、http://dev.haiku-os.org/ticket/9128、および http://dev.haiku-os.org/ticket/9148 です。これらの問題により、Haiku はいくつかのハードウェア構成で正しく起動しませんでした。
バグトラッカーでこれらの問題を報告してくれた方に感謝します。ご理解くださるようお願い致します。
== システム要件 ==
現在、Haiku は x86 システム上でのみ動作します。メモリーは最低 128MB 必要です。Haiku をセルフコンパイルする場合は、1 GB のメモリーが推奨されます。Haiku は、Pentium II 400 MHz と同じぐらいの速度の CPU 上で動作テストされています。また、ディスク容量は最低 700 MB 必要です。
== 新機能 ==
以下は、前回のリリース、R1 Alpha 3 から目立って改善されたもの、および Haiku に追加されたものの一部です。R1 Alpha 3 から 1000 を超えるバグが修正されたことは注目すべきでしょう。さらに、Coverity によって発見された、100 を超える見つけにくいバグが修正されてきました。
- ワイヤレスネットワークは WPA/WPA2 をサポートします (HAIKU ユーザーガイドの "ワークショップ: ワイヤレスネットワーク" を参照下さい)。
- ハードウェアサポートに対する様々な拡張。たとえば、ビデオドライバー (radeon hd、intel extreme)、ネットワークドライバー、OHCI USB、PS/2、Blu-ray ディスク (UDF 2.50) の初期サポート、Sandy Bridge CPU、AMD/Intel CPU 名称判定の改良などです。
- Pcnet ネットワークドライバーが追加されました。これにより、VirtualBox での Haiku の実行を容易にします。
- 以下を含む追加のアプリケーション。ネイティブデバッガー (Debugger)、複数のキーマップの利用を支援するユーティリティ (KeymapSwitcher)、10 チャンネルイコライザーメディアアドオン、そして、Aaron Hill が寄贈した新しい GLife スクリーンセーバー。
- WebKit がアップデートされ、ネイティブブラウザーの WebPositive の描画が向上しました。
- 複数ウィンドウの管理方法の一つである StackAndTile が改良されました (OPT + 第一マウスボタンで stacking と隣接したウィンドウの tiling が有効となります)。
- IPv6 モジュールが追加されました。
- BFS ファイルシステムはより堅牢となり、問題発見と修正のためのツールが新しく追加されました。
- 大容量ディスクおよびパーティション (63 TB 超え) のサポート
- 改良された仮想メモリー設定とスワップファイル作成ロジック
- デバッグ出力からの QR コード作成機能を含む、追加の KDL デバッグツール
- いくつかの潜在的なメモリーリークの修正
- POSIX シグナルサポートの拡張と、リアルタイム拡張
- 補助の、かつ実験的なコンパイラーの GCC 4.6.3 へのアップデート (`setgcc gcc4` により利用可能)。
- OpenGL kit の新しい Mesa3D 7.8.2 へのアップデート
== 未実装の機能 ==
パッケージ管理はまだ開発中で、今回のリリースには含まれません。当分の間、すこしのセットのソフトウェアをインストールするのに役立つ仮のスクリプトが同梱されています (`installoptionalpackage` で利用可能)。
== 既知の問題点 ==
- LiveCD、および初回起動時のパフォーマンス。最初のインストールまたは LiveCD モードでの起動時に、いくつかのバックグラウンドタスクが起動して、インストールを終了します。これはパフォーマンスの低下として知られています。ハードディスクへのインストールの場合は、タスクがすぐ終わるので問題になりません。LiveCD モードでは、通常 CD のシークパフォーマンスが悪いため、パフォーマンスに対する打撃が著しく見られます。CD は読み取り専用なため、このセットアップは LiveCD の起動毎に起きます。書き込み可能なメディアでは、それは 1 度だけ起こります。なので、次回以降の起動では、同じ遅れは経験しないはずです。
- シングルコアマシンでは、最初のブート (たとえば、LiveCD での毎回のブート) でセーフモードでブートすると、Deskbar がデッドロックで停止することがあります。これは、net_server が動いていないのに NetworkStatus が 自身を Deskbar にインストールしようとするためと見られています。
- フォントレンダリングは、フォントヒンティングのパテントが切れたために改善されていますが、まだ最適ではありません。パテント周りの状況がはっきりしないので、公式リリースではパテントとして知られるコードは無効にしています。残念なことに、これには Freetype で使われているサブピクセルコードが含まれます。状況がよりよく理解できて、決定が下された場合、サブピクセルフォントレンダリングは公式リリースで再び有効になるかもしれません。
- Haiku の ACPI サポートはデフォルトで有効になっています。ハードウェアによっては問題を引き起こすかもしれません。ACPI はブートローダーのセーフモードオプションメニューで無効にできます。
- 高速のディスクドライブから、(USB メモリーのような) 低速のディスクドライブへ大量のデータをコピーすると、システムがページングを開始することがあります。
- Haiku ブートローダーはいくつかのハードウェアでハングすることが報告されています。
- ローカライゼーション / 国際化のサポートはまだ作業中です。いくつかのアプリケーションは部分的にしか翻訳されていないかもしれません。また、翻訳文字列が元の英語より長くなる言語では問題が生じるかもしれません。
- いくつかのワイヤレスネットワークカードのファームウェアは、インストール前にユーザーの承認を必要とします。これには、Broadcom 43xx、Intel ipw2100、Intel ipw2200、および Marvell 88W8335 を含みます。仮の手段として、このプロセスを手助けするスクリプトが同梱されています (`install-wifi-firmwares.sh` で利用できます)。
- いくつかの Marvell Yukon カードはネットワークパフォーマンスが悪いことが知られています。
- Mail daemon replacement (MDR) の IMAP プロトコルは、サーバーサイドのデーターを失う懸念のため、本リリースでは削除されています。
- CD サイズの制約のため、いくつかの開発関係のツールは削除されました (たとえば、hg、svn、cvs、python。それらは、`installoptionalpackage` を用いてインストールできます)。
== ソースコード ==
Haiku 自身、必要なビルドツール、および (クローズドソースのもの以外の) 追加パッケージのソースコードは、http://www.haiku-files.org/files/releases/r1alpha4/sources/ でダウンロードできます。
== 問題の報告 ==
Haiku のバグトラッカーには 2400 を超えるオープンチケットがあります。また、6600 を超えるクローズド項目があります。もし、問題と確信することを見つけたら、お手数ですが、Trac を検索して、それがすでに報告されているものかどうか確認してください。もし、まだ報告されていないものであれば、新しいチケットを http://dev.haiku-os.org/ に登録してください。
Haiku R1 Alpha 4 で報告されたチケットを見るには、http://dev.haiku-os.org/wiki/R1/Alpha4/ReportedIssues をご覧ください。
リリース後に修正された重要な問題についての情報は、http://dev.haiku-os.org/wiki/R1/Alpha4/ReleaseAddendum をご覧ください。
さらにヘルプが必要なら、Haiku のデスクトップ上にある 'Welcome' リンクか、Haiku プロジェクトのサイト、www.haiku-os.org をご覧ください。