2021/07/27 作成
R1/beta3 リリースノートの私訳です。訳のおかしいところは、原文を参照ください。
Haiku での日本語表示/入力については、こちらを参考ください。
R1/beta3 – リリースノート
Haiku R1 の 3 番めのベータ版は、Haiku のハードウェアサポートと全体的な安定性の改良のための 20 ヶ月間のハードワークを示しています。Beta 2 以降、トータルで 1,248 個を超えるコードコミットを行った 87 人のコード貢献者がいます。このリリースに対して、251 を超えるバグや機能強化のチケットが解決しました。
これは、ベータ品質のソフトウェアであることを心に留めておいてください。つまり、機能は完成しているが既知や未知のバグがまだ含まれていることを意味します。安定性にはほぼ自信がありますが、データ損失に対して保証はできません。
Haiku のダウンロード、またはR1/beta2からのアップグレードについて学ぶなら “Get Haiku!” を参照ください。プレスの問い合わせは、“プレス窓口” を参照ください。
システム要件
このリリースは、x86 32-bit プラットフォームおよび x86_64 プラットフォームでも利用できます。
BeOS R5 との互換性
BeOS R5 との互換性は 32-bitイメージでのみ提供されることに注意ください。
最小構成 (32-bit)
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プロセッサー: Intel Pentium II; AMD Athlon
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メモリ: 384MB
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モニター: 800x600
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ストレージ: 3GB
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推奨構成 (64-bit)
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プロセッサー: Intel Core i3; AMD Phenom II
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メモリ: 2GB
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モニター: 1366x768
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ストレージ: 16GB
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SSE2 サポート
WebPositive ウェブブラウザーの使用には SSE2 のサポートが必要です。SSE2 が使用できないマシン上では、代わりに NetSurf ブラウザーのインストールをおすすめします。
ハイライト
インストールプロセス
- インストーラーは既存のシステムを上書きによってリセットできる。
- ユーザーの気が変わってライブモードを使いたい場合インストーラーから FirstBootPrompt に戻ることができる。
- ディスクのパーティションニングを簡単にそしてより確実にするための DriveSetup の GUI とバックエンドへの改良。
パッケージ管理
- システムの更新は、割り込みが入った場合、ダウンロードを再開できる。
- パッケージアンインストール時のスクリプト実行サポート
- HaikuDepot 内部の、パッケージアイコン処理パフォーマンス向上
- HaikuDepot の多数の安定性およびユーザーインターフェース改良
- Python 2 は非推奨となり、Haiku 付属の Python のデフォルトバージョンは Python 3.7 に変更された。
ユーザーインターフェース
- 中央揃えと右揃えの BTextView サポートが実装され、カーソル移動のよりよい処理のために BTextControl へ様々な修正が行われた。
- ダークカラースキームのサポートの向上
- 入力機器プレファレンスへの PadBlocker の統合 (キーボード使用時にタッチパットを無効化)
- UI/font サイズに従ったスクロールバーの拡大縮小
- よりよい国際化のための様々な変更
- プロセスコントローラーの負荷グラフで、8 コア以上の CPU サポート
- Pulse 内に CPU メーカーのロゴを表示
- メディアプレーヤーへの多数の安定性および互換性改良
- シャットダウンダイアログ内のアプリケーションアイコンは、アプリケーションが閉じない場合アニメーション表示します。
app_server (グラフィックサーバー)
- app_server のクリッピングとちらつきに対するさまざまな修正
- さらに多くの合成描画のサポート (web ブラウザーの javascript canvas サポートに使用されます)
- フォントオーバーレイ/フォールバックシステムの修正と、システムへのフォントの追加 (Noto Sans Symbols 2)
- メモリー管理の手直しと、いくつかのメモリ破損バグの修正
ウェブブラウザー
- Accept-Language ヘッダーが無かったことで、いくつかのウエブサイトが正常に見られなかった
- ダーク “ドキュメントカラー” システムテーマカラーへの変更は、ウェブサイトを “ダークモード” にします。
- “ウェブを検索” コンテキストメニューがふたたび動作するようになった。
- デフォルト検索エンジンが一般的なリストから簡単に選択
- 検索ショートカット。たとえば、“w Haiku” をアドレスバーに入力すると、Haiku に関するWikipedia の記事を表示します。
- WebKit エンジン (haikuwebkit) は、WebKit 612.1.21にアップグレードされた。
API
- 新バージョンの “net services” APIの導入 (http および gopher クライアント)。それは静的ライブラリに移動しているので、アプリケーションを破壊せずに変更できます。既存のアプリケーションは古い API (beta2までに存在) を使用し続けることができますが、将来的にそれらの API は削除されます。そのようなアプリケーションは、次期 Haiku リリースまでに修正及びリコンパイルが推奨されます。
ストレージおよびファイルシステム
- XFS ドライバーの改良
- NFS ドライバー内のカーネルパニックが修正された。
- Sun VTOC パーティションテーブルのサポート
BeOS 互換性
- Locale Kit と Translation Kit の初期化の見直しにより、それらが共に使用される際のデッドロックを修正 (影響を受けるアプリケーション: BeLive, Tracker)
- B_OUTLINE_RESIZE が実装され、ウィンドウのリサイズ中に再描画を中断できる。
- BeControlLook は、BeOS R5 に似せてコントロールを変更
POSIX 互換性
- mlock および munlock の追加
- dead joinable thread 数の限界の除去
- pselect のシグナルとの動作の修正
- fsync のfifo パイプ上で呼ばれた際の返り値の修正
- asprintf は POSIX 関数ではないため libbsd へ移動
- exp10, exp10f および exp10l が math.h に追加 ({{{_GNU_SOURCE}}} の中のみ)
- write() の O_APPEND モードでの挙動を修正
- posix_fallocate の実装
- ut_host が utmpx.h に追加
- ppoll() の追加
- ターミナルに存在しなかったエスケープシーケンス (連続した文字を挿入する) の実装
- create_area を最適化し、O(n^2^) アルゴリズムの回避
- BMenuItem::RemoveItem を最適化し、 O(n) に代わって O(1) とした。
- cpufreq 管理の向上
- メディアプレーヤー内のキャッシュを改良し、4K ビデオの再生を可能に
- 選択確認応答 (SACK) を実装し、ネットワーク障害リンク上の TCP パフォーマンスを向上
国際化
このリリースは、システムおよび付属アプリケーションについてチェコ語の翻訳を追加しています。この追加により、Haiku は 28 の異なる言語で利用できます。
ハードウェア互換性
サウンド
- es1370 オーディオドライバーの改良
- hda オーディオドライバーの改良
マスストレージ
- PCI バス上の SD/MMC リーダー (SDHCI) のサポート
- ramfs ドライバーの安定性向上
- NVMe ドライバーのパフォーマンス向上
ネットワーク
- virtio ドライバーのパフォーマンス向上
- ワイヤレスネットワークドライバーを FreeBSD 13と一致させるため更新
- 非常に古い 11Mbps Wifiカードだけをサポートする “wavelan” WiFi ドライバーを削除
USB
グラフィック
- Intel_Extreme ドライバーの改良 (Gen4 から Gen7)
- NVIDIA GeForce 6200-6400 ドライバーの改良
新しい貢献者
Haiku は R1/beta2 以後、34 名の新しいコードへの貢献者に出会いました
- Máximo Castañeda
- Jaidyn Ann
- Han Pengfei
- David Sebek
- Coldfirex
- Lt-Henry
- Jeremy Visser
- beaglejoe
- Sylvain78
- roired
- Pawan Wadhwani
- Mitsunori YOSHIDA
- Jessica Tallon
- Andriy Voskoboinyk
- Anarchos
- syedsouban
- Siddhant Gupta
- Shannon Mackey
- Sean Long
- Saloni
- ROIRED XSoto
- rofl0r
- Oishika Pradhan
- Mark Barnett
- Maciej Bałuta
- jpdw
- jiceland
- JadedTuna
- HrithikKumar49
- Heinrich Schuchardt
- Daniel Schaefer
- Bailey Carlson
- Andriy Gapon
- Adam Fowler
ソースコード
Haiku 自体のソースコードへは、GitHub (https://github.com/haiku/haiku) から、または Haiku の Git インスタンス (https://git.haiku-os.org) を通じてアクセスできます。
問題の報告
Haiku のバグトラッカーには、3,600 個近くのオープンチケット、13,432 個を超えるクローズドチケットがあります。問題と思われるものを見つけたなら、私たちのバグトラッカーを検索して、すでに報告されているか確かめてください。もし報告されてなければ、https://dev.haiku-os.org/ に新しいチケットを登録してください。
リリース後に修正された主要な問題の情報は、https://dev.haiku-os.org/wiki/R1/Beta3/ReleaseAddendum を見てください。
さらに詳しいヘルプについては、‘Quick Tour’ を手にとって、‘User Guide’ を読んでください。どちらも Haiku デスクトップ上にリンクされています。WebPositive はデフォルトで我々の ‘Welcome’ ページを開きます。そこには Haiku プロジェクトのウェブサイト、https://www.haiku-os.org と同じく、役に立つ情報やリンクがあります。
Haiku に関するあらゆるサポート/ヘルプは、気楽に我々のフォーラム (https://discuss.haiku-os.org) へ投稿してください。または、我々の一般メーリングリスト (https://www.freelists.org/list/haiku) へメッセージを送ってください。親切なコミュニティが助けてくれるでしょう。
プレスの問い合わせは、メールで我々のチーム contact@haiku-os.org へ直接連絡ください。
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