2020/06/10 作成
R1/beta2 リリースノートの私訳です。訳のおかしいところは、原文を参照ください。
Haiku での日本語表示/入力については、こちらを参考ください。
Haiku R1 の 2 番めのベータ版は、Haiku のハードウェアサポートと全体的な安定性の改良のための 20 ヶ月間のハードワークを示しています。Beta 1 以来、2800 個近くのコードコミットを伴う 101 人のコード貢献者がいます。このリリースに対して、900 を超えるバグや機能強化のチケットが解決しました。
これは、ベータ品質のソフトウェアであることを心に留めておいてください。つまり、機能は完成しているが既知や未知のバグがまだ含まれていることを意味します。安定性にはほぼ自信がありますが、データ損失に対して保証はできません。
Haiku のダウンロード、またはR1/beta1からのアップグレードは “Get Haiku!" を参照ください。プレスの問い合わせは、 “プレス窓口" を参照ください。
このリリースは、x86 32-bit プラットフォームおよび x86_64 プラットフォームで利用できます。BeOS R5 との互換性は 32-bitイメージでのみ提供されることに注意ください。
最小構成 (32-bit)
| 推奨構成 (64-bit)
|
WebPositive ウェブブラウザーの使用には SSE2 のサポートが必要です。SSE2 が使用できないマシン上では、代わりに NetSurf ブラウザーのインストールをおすすめします。
HiDPI のサポートは、Beta 1 当時に開始しましたが不十分でした。このリリースは、HiDPI モニター(および一般的な UI スケーリング) のサポートにおいてかなりの進展を見せています。ほかのオペレーティングシステムは、大部分は "デバイスピクセル比 (device pixel ratio)" を規定します。それは、たくさんの "内部ピクセル (internal pixels)" を "スクリーンピクセル (screen pixels)" に変換します。それとは異なり、Haiku は代わりにフォントサイズを元にしてすべてをスケールし、ピクセルは孤立して "スクリーンピクセル" の意味づけのままにします。これはまた、UI のサイズを 効率的に変更でき、どのディスプレイでもシステムフォントのサイズを変更することでスケールでき、フォント以外のものもそれに合うように調整されるはずであることを意味します。
以下の 2 つのスクリーンショットは、アクティビティモニターと Haiku について (AboutSystem) を表示しています。左側は 12pt フォントサイズ (Haiku のデフォルト)、右側は 18pt フォントサイズ (言い換えれば "標準" の 150% ) です。
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まだいくつかの解決する必要のあるバグが残っていますが (たとえば、このスクリーンショットにあるようにスクロールバーが指定された正しいスケーリングで描画されない等)、ほとんど HiDPI 下で使用できるようになりました。Deskbar や Tracker といったほかのアプリケーションも、HiDPI 上の動作に対して重要な改善を見せています。
Deskbar は様々な改良が行われました。まず、ミニモードが追加されました。ミニモードでは、トレイ内のアイコンが左側に広がっています。トレイの右端の凸の部分を青い葉っぱにドラッグすれば有効になります。
新しいミニモードで、画面上部に Deskbar を配置。
さらに、“自動的に隠す (auto-raise)” モードは改良され、マウスが離れたとき、自動で Deskbar を低くします。
マウス、キーボード、タッチパッドおよびジョイスティックプレファレンスは、ひとつの入力機器プレファレンスパネルに統合されました。
統合された入力機器プレファレンス、5 ボタンマウスのサポートを含みます。
さらに、今では 3 つ以上のボタンを持つマウスのサポートがあります。それにはボタンのリマップも含んでいます。
Haiku に同梱されたウェブブラウザー、WebPositive は新しいバージョンの WebKit を使用します。Additionally, それは Haiku バックエンドに対する数多くの修正を含んでいます。特に注目すべきは、かなり少くなったメモリの確保量、および WebSockets といろいろなクラッシュの修正です。
WebPositive でHaiku フォーラムへの投稿を表示。
Beta 1以来、Haiku の比較的安定した POSIX準拠と、オープンソース GUI ツールキットの移植により、ポピュラーなオープンソースソフトウェアの内のさらに多くのものが Haiku へ移植され、パッケージリポジトリで利用できます。
LibreOffice、Telegram、Okular、Krita、AQEMU といったさまざまなもののほかに多くのアプリケーションが Haiku で動作しています。
FreeCiv、DreamChess、Minetest といったさまざまなもののほかに多くのゲームが Haiku で動作しています。
インストーラーはインストールメディアに含まれるオプショナルパッケージの除外をサポートします。
DriveSetup は、システム内のドライブについてより多くの情報を表示するようになりました。それは既存のパーティションの使用済容量を表示するでしょう、また、暗号化ボリュームを識別することもできるようになりました。
最後に、Haiku R1 Beta 1 から Beta 2 へのアップグレードパスがあります。
インストーラーでオプショナルパッケージを選択。
このリリースで完全に新しいものは、NVMe ドライブのサポートです。これにはブートデバイスとしての使用を含みます (これは BIOS のサポートによって変わりますが)。複数の Haiku 開発者やユーザーが現在 NVMe ドライブを主要なストレージメディアとして使用しています。そのため、私たちは現時点でこの新しいドライバーの安定性については比較的自信があります。
USB 3 ハードウェアのサポートは R1/beta1 の時点で存在していましたが、著しく不安定でした。そこからはブートできず、デバイスは不規則に接続が切れたりまったく動作しなくなったりしました。XHCI ドライバーはそれから相当なオーバーホールを示していました。あわせて、ほとんどすべての USB3 デバイスがブートメディアとして正しく機能するようになりました。また、入力機器も正しく動作します。
たくさんの全般的な安定化作業がこの開発サイクルの間に着手されました。あわせて、きわめて多くの再現可能な (およびやや再現可能な) カーネルクラッシュが解決されました。また、システムのパフォーマンスに関連するいくつかの容易に達成できるもの (low-hanging fruit) が修正されました。システムは、R1/beta1 当時と比べて著しく安定しました。
いくつかの初期のワークステーションのキーボードは、"Meta" と印字されたキーを含んでいました。それは Shift キー や Control キーと並んだ、追加の修飾キーとして機能しました。現代のキーボードからはメタキーは無くなっていますが、UNIX ソフトウェアの2つの主要なピースである GNU Emacs と GNU readline library がそれが存在することに依存しています。GNU readline library は、bash やターミナルから入力を読み取る幅広い種類のソフトウェアで使われています
Beta 2 では、ターミナルは MacOS のような機能を持っています。"設定..." ダイアログに追加された設定を有効にすると、左オプションキー (のみ) メタキーとして機能します。左オプションキーは通常の機能を保ち、キーボードの特殊文字の入力に使用できます。
設定ダイアログでメタキー機能を有効にしています。
900 を超えるチケットがこの開発サイクルの間にクローズされました (人によってなされたものです。ロボットやバッチ処理ではありません!)。それらはここに記載するには多すぎますが、ここに選択された少数のものだけでも記載します。
Deskbar
DriveSetup
HaikuDepot
インストーラー
ランチャー
メディアプレーヤー
People
ソフトウェアの更新
ターミナル
Tracker
WebPositive
hda
driver ドライバーはより多くのデバイスで動作するよういくつかの改良が行われました。Beta 1 で問題があった場合には、再実行する価値があります。開発者には、Haiku Book が Haiku API の調査のための良いスタートガイドになります。最近、layout API のドキュメントが改訂されました。
以下は、Beta 1 からの詳細な変更のリストです。
posix_fadvice()
hが追加され、ソフトウェアの移植が容易になった。IFT_LOCALTALK
、IFT_TUN
、IFT_L2VLAN
および IFT_BRIDGE
を追加。pthread_attr_[get|set]stack()
を実装。POSIX_SPAWN_SETSID
を追加。putenv()
を POSIX 標準に準拠させた (ソースコード / バイナリ の変更は不要)。[gs]etpriority()
を追加。sysconf()
用に、_SC_HOST_NAME_MAX
、_SC_REGEXP
、_SC_SYMLOOP_MAX
および _SC_SHELL
を追加。nice()
を追加。BFileGameSound
を DataIO
オブジェクトから初期化できるようになり、ファイル以外のソースからゲームサウンドファイルを開くことができる。B_MOUSE_BUTTON
マクロ。これは、3 個を超えるボタンを持つマウスでどのボタンが押されたかを判別するのに役に立つ。B_TRANSPARENT_BACKGROUND
の追加により、透明の背景を持つ view を特定します (すなわち、これらの view に対しては背景は描画されません)。BView
オブジェクトに追加した。オーバーロードされた DrawTiledBitmapAsync()
メソッドで view の背景タイルとしてビットマップを非同期で描画できる。SetTo()
および InitCheck()
メソッドを BCountry
クラスに追加。IsRebootNeeded()
メソッドを BPackageRoster
クラスに追加。IsPackageActive()
メソッドを BPackageRoster
クラスに追加。最後のリリース以来、 Kyle Ambroff-Kao がコミット権を得ました。Welcome!
Haiku 自体のソースコード、必要なビルドツールおよび optional packages (クローズドソース以外のもの) のソースコードはリリースイメージに _source
パッケージとして含まれます (容量制限のため、“CD” イメージからは外されています)。
Haiku のバグトラッカーには、3200 個近くのオープンチケット、12700 個を超えるクローズドチケットがあります。Ia new ticket at <x1/>. 問題と思うものを見つけたなら、私たちの Trac を検索して、すでに報告されているか見てください。もし報告されてなければ、https://dev.haiku-os.org/ に新しいチケットを登録してください。
リリース後に修正された主要な問題の情報は、https://dev.haiku-os.org/wiki/R1/Beta2/ReleaseAddendum を見てください。
さらに詳しいヘルプについては、'Quick Tour' を手にとって、‘Userguide’ を読んでください。どちらも Haiku デスクトップ上にリンクされています。WebPositive はデフォルトで 'Welcome' ページを開きます。そこには Haiku プロジェクトのウェブサイト、https://www.haiku-os.org と同じく、役に立つ情報やリンクがあります。
プレスの問い合わせは、直接以下へ:
上記 3 名には、<nickname>@gmail.com>
から連絡できます。
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