2016/09/12 修正
Freedom Penguin より、Michael Huff 氏による、Everybody Should Be Haiku Writing の私訳です。訳のおかしいところは、原文を参照ください。

だれもが Haiku を書くべきだ

2016 年 8 月11 日 Michael Huff ディストロレビュー

私の読者の多くがわかっているように、私は "世の中にあるもの" のファンです。読者がそれを使う必要はありませんし、それが必ずしも目覚ましいことである必要もありません。その開発とデザインに情熱があれば、ほとんど支持してしまいます。そして、すぐに試してみたくなります。

Haiku の裏側にある哲学を理解するには、単語を調べるのがよい考えです。言うまでもなく、それは、短い詩を参照する日本語です。その中には、哲学的な、しばしば相反する 2 つの要素があります。それはまた切断行為の本質と定義されます。日本語では "kiru (切る)" と翻訳されます。はい、私は日本語を話せません。でも、とても、とても寿司が大好きです。それは何も関係ありませんが。

そして、Haiku (現在のバージョンは alpha 4.1) は標準から遠く離れているので、短い歴史を語る以外にそれを語り始めることができません。そのルーツは BeOS にあります。それは 1990 年に Jean-Luise Gassee に率いられた、シンプルですが、高機能なオペレーティングシステムの開発の試みでした。当時、Be Inc. は、OS を彼らが BeBox と名付けたパーソナルコンピューター上で動くように設計していました。

Gassee はかつて Apple Computer の重役でしたが、当時の CEO、John Sculley によって "追放" されていました。Gassee は挫けずに、古いMacIntosh の設計理念の美学の多くを C++ でコーティングされたオペレーティングシステムに入れることを決定しました。それは美しく (その当時は)、よく動作しました。BeOS は、ファンを集めつつありました、そして BeBox は商業的な成功はしませんでしたが、BeOS は、Sony のようなハードウェアに組み込まれていました。

1996 年、Apple は古びた Mac OSを置き換えるために、新しいシステムを求めて訪ね回ったり飛び回ったりしていました。当時、BeOS と NeXTSTEP、Apple を追い出された Steve Jobs の会社NeXT PC のOS、が次の Apple の重要資産になるか争っていました。もちろん、NeXTSTEP が買われ、次の MacOS の次期バージョンを引き裂いて、最終的に OS X ブランドへ進化しました。

BeOS はまだ生きていました。少しだけ。しかし、その後物事は変わっていました。結局、Be 社は Palm, Inc、つまり Palm Pilot ハンドヘルドオルガナイザーのメーカー、に買収されました。BeOS の美学からの要素は、"漫画的" アイコンと、柱状のウィンドウ枠として Palm OS 中に現れていました。Palm は最終的に、抵抗膜式タッチスクリーン機能とベビーコーンの軸のようなハードキーボードを備えた、スマートフォンの初めて具体化されたものを一般に提供しました。そのことを考えると、私の親指はいまだに痛みます。

さて、BeOS の伝説は Haiku の中に生きています。そうです、Haiku を 2 度語るだけで、数段落進んでいることに気が付きました。

さて、この OS を理解するために、その歴史を正しく評価する必要があります。視覚的に始めましょう。ここに典型的な BeOS デスクトップ画面のスクリーンショットがあります。

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ところで、ここに Haiku デスクトップのスクリーンショットがあります。

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美的な影響を見つけるのはとても簡単です。しかしそれは、Haiku が BeOS の哲学を持ち越すこと、そしてユーザーが必要とする改良を行うことを狙いとする実際の機能にあります。一例を上げると、Haiku のファイルシステムは、ひとつひとつの関数が、ひとつのイベントに対してひとつのクエリーを実行する、小さなデータベースのように構築されています。ファイルシステムと同じぐらい、システムは低オーバーヘッドで、効率が良いので、これは容易に成し遂げられます。

また、現在の多くのオペレーティングシステムが持つような大量の贅沢な装飾を持ちません。私達が楽しんでいる透明のウィンドウや、クレージーで不安定なアニメーションを見つけることはありません (まあまあ、あなたも好きですね)。それは実に現代のオペレーティングシステムの "本質" のようなものです。

それらが無いということが、Haiku が "退屈なもの" や "見苦しいもの" であるということを意味しません。それどころか、Haiku デスクトップを見るのは "気持ち良い" 瞬間であり、私はその一般に知られていないテーマを愛する一人です。それはカラフルで、すがすがしく、しかし、不快に感じることもありません。まるで、単に、オーバーヘッド備品がスピードをあまり犠牲にしていないようです。ユーザーに考える余地を与えているようにも思われます。そして開発。詳しくはあとで。

これは Linux ではない

これは、必ずしも悪いことではありませんが、あまり冒険心のない Linux ユーザーのいくらかには、経験を敬遠させるかもしれないとても大きな違いでもあります。そして、それはとても良くないことです。なぜなら、違いは楽しみになりえるからです。まずは、これらのようなアイコンは他で見ることはないでしょう。それは、90 年代のリアルな体験です。おおげざな曲線や、微妙な階調を見てきました。紙片は動いているように見えます。ペンとメール箱は、America Online の、“You’ve got mail!” guy が使っているもののように見えます。若干、古い通知スタイルに対応した小学校の掲示板台紙のようです。物事がまだハイテクと呼ばれ、未来がこうなるだろうという考えを見せようとすることを悪びれなくても良い時代でした。Haiku はこれを優しく組み込んでいます。そのクラシックなシンプルさは、クラシックなそれ自身のスタイルを守り続けています。たとえ、マウスポインターが切断された、浮かんでいるミッキーマウスの手のように見えても (もちろん、ミニーはいません)。

Haiku は、私達が知っているいくつかの Linux ディストロのように、非常に軽量です。展開された .iso は、ほんの 615 MB にしかなりません。CD-ROM に収まるほど小さいです。覚えていますか?

現代のプロセッサと、4 GB RAM、そして SSD があれば、インストールには 2 - 3 分未満で終わるはずです。オチを待つ必要はありません。私が合言葉を考えるより早く、PC で起動しました。もちろん、このことは、古く、遅いデバイスについても、Haiku はすくなくとも考慮するべきものであると教えてくれます。ええと…できるのではないでしょうか。あとで述べたいと思います。

本当に満足したのは、それが私のハードウェアで動いたこと、すべてが、打音とともに (訳注: at the crack of the bat)。私はなにか動かないと、すぐに OS を窓から放り投げることで知られています。子供ではありません。もし無線ネットワークの接続に何時間も費やすようなら、有線ネットワークに戻ります。こういう時こそ、OS の単純さの良さが本当にわかるときです。

アプリ? 返事はあるか?

実際…ありません! Haiku は意外なほど多くのアプリを同梱しています。しかし、私は最初にとても気分が悪くならざるをえません、そこにはオフィスソフトがないのです。そして、そのことは、とても私を悲しくさせます。私は、ネイティブの Haiku で、実際のワードプロセッサ上でこの記事を書けるようなることを本当に望んでいました。そのようなスイートの提案や開発に関するいくつかのスレッドを見つけましたが、どれも終りませんでした。そこで。

Web ブラウズについて始めましょう、WebPositive。主題のように、WebPositive は楽しく、Haiku のクールで力強い美と調和しています。それは、かなりの量のレンダリングパワーの実行力があります。Blizzard.com や Newsarama のような、私がしばしば行きがちないくつかのサイトに移動すると、驚くほど良い結果でした。つまり、コンテンツやプラグインの比較的重いサイトが得意であることを示しています。しかしながら、YouTube は話が別です。何も再生できなかったので。これは、許せないことではありません。しかし、お気に入りのニュースサイトに移動することが、本当に必要とすることなら、そこで、当然、ニュースが読めるなら、WebPositive は本当に良い仕事をします。

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私は音楽無しでは生きていけません。私は、とても、とても古い Black Sabbath を強く好んでいます。なので、私の Snowblind mp3 ファイルを直接プレイヤーのインターフェースにドラッグするだけで、すぐに再生可能になるのを見てうれしかったです。プレイリストの構築もまた簡単です。ランダム化やファイルの削除も簡単にできます。CPU サイクルを節約しなければいけない、残念な立場にいるなら (!)、ハードウェアモードに変更して、いくらかのオーバーヘッドを削減できます。

動画ファイルの再生は、音楽とほとんど同様に動作します。それは、ネイティブに mp4 と.avi をカバーします。全画面表示と字幕もサポートされています。フレームレートはスムーズで、オーバーキルなシステム上では少ないオーバーヘッドなので、少しも汗をかくことなく仕事ができるでしょう。

驚いたことに、さまざまな種類の動画を、ユーザーが選択したより好みのフォーマットに翻訳できるビデオコンバーターが同梱されていました。

システムツールは豊富です。CPU モニター、ブートマネージャー、デバッガ、電卓、缶切り (いえ、これはありませんが) を含んでいます。真に上品な電子メールクライアントがあります。その上、ほかの OS でもっともよく知られたいくつかのクライアントから期待される機能が山盛りです。たくさんのネイティブ BeOS アプリを動作させることさえできます。

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まぁ、アプリについて詳しく…えっ。しかし、デベロッパーになるには良い時期です。常に希望の兆しがあります。それを言う時、Larry David そっくりに発音していなければよいのですが。

ノスタルジーを感じているとしたら、Haiku の中には、本当にクールな驚きがいくつかあります。たぶん、もっとも有名なものは、BeOS に同梱された OpenGL のグラフィックデモでした。デモでは、3D で描かれた、フラットシェードなティーポッドがウィンドウ内を回転しています。ウィンドウ左下のメーターが、伝統的なデジタル表示器風に、1 秒間に表示されるフレーム数を表示しています。初期の起動状態で、約…おお… 500 かそこらの FPS を得ました。しかし、これはとても小さくしたウィンドウでのことでした。それで、私はウィンドウを最大化しましたが、それでも 80 FPS 近くありました。仮想環境でです。

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アナログスタイルの時計も同梱されています。こいつの右下隅をクリックすることで、デスクトップ上をあちこち動かせます。時計のウィンドウをクリックすると、ランダムにデザインが変わります。私は、もちろん、かつての “Be” ロゴにしました。

パッケージ管理とソフトウェアリポジトリは開発中の機能です。現在のところ、拡張子 .hpkg で指定されたネイティブパッケージは、最終的に HaikuDepot からダウンロードできるようになるでしょう。機能は現在追加中です。その間は、.hpkg がダウンロードされたら、手動で ~/config/packages に移動できます。完全なアプリケーションは、~/config/apps へ移動するべきです。それでも、せいぜい、それらのやり方は原始的なものと変わりありません。Haiku コミュニティも承知している事実です。洗練されたリポジトリへの努力が導く先を見るのはとても興味深いです。私はそれを追いかけていくつもりです。

本質は機会を示唆する

Haiku は、万人のための環境ではありません。あなたの祖母のためのものでもありません。実績のある財産とともに、シンプルさが法律である美学とペイロードを理解して、真に何かの開発に関わりたい人のためのものです。その上、私が、この OS は高機能で、とても、とても、とても速いと言う場合は、自分の "日常の" 面を少し抑えてきました。Haiku は、World of Warcraft のあるセッションに参加したい時に必要とするものではありません。オペレーティングシステムのゆっくり拡大する神殿で、挑戦者となりえるしっかりしたベースです。これが、思うに、Haiku をアルファ版、まだアルファ版でもないものにしています。それが、だれもが協力したがる開発が見つかる、ひょっとしてもっとも肥沃な土地であるように考えるほうがよいでしょう。この点において、Haiku は、自身にとって有利な 2 つの素晴らしいものを持っています。ひとつは、Apple のシステムに選ばれ得たかもしれないオペレーティングシステムとして、実績があり信頼できる財産、またもうひとつは、献身的な開発者の成長するコミュニティです。彼らは本当に、Haiku がだれもが仕事や遊びに求められる代替 OS になってほしいと望んでいます。私個人としては、彼らがそうすることを信じています。さらに、Haiku 真の生き残りであり、とても有能な努力であることを考慮すれば、それは、コミュニティからのより一貫性のある尊敬に値すると考えます。