薬の話


喘息患者さんが服用できない薬


喘息と診断された患者さんが、院外処方箋をもって薬局を訪れました。
この患者さんにとって当薬局を訪れるのは今日が初めてです。

薬剤師: こんにちは。今日はどういったことで医院にかかられたのですか?
患者さん: 喘息です。
薬剤師: 他の病院からもらっている薬はありませんか?
患者さん: いえ、特にありません。
薬剤師: では、今かかっているのは、この呼吸器科だけですね。
患者さん: いいえ、眼科には通っています。
薬剤師: 眼科ですか。どんな病気でかかられているのですか?
患者さん: 緑内障です。目薬はさしています。
薬剤師: 目薬の名前はわかりますか?
患者さん: いいえ、そこまではわかりません。たしか、黄緑色のフタの点眼容器だったと思います。
薬剤師: ・・そうですか。点眼薬の中にも、喘息患者さんが使ってはいけないものもあります。今度眼科にかかられた時は、自分が喘息であることを、必ず先生に伝えてください。






喘息患者さんが服用できない薬は、βブロッカーという薬です。
βブロッカーには2種類あります。β1ブロッカーと、β2ブロッカーです。
β1ブロッカーは心臓の働きを抑える方向に、またβ2ブロッカーは気管支を収縮させる方向に働きます。
例えば血圧が高い、狭心症がある、などの人には、心臓を少し休めると良いため、βブロッカーが使われることがあります。
このとき、心臓の働きを抑えるのが目的なので、β1だけを集中的にブロックしてくれればいいのですが、どうしてもβ2もブロックしてしまいます。このため、気管支収縮が起きてしまうのです。βブロッカーは、よほどβ1だけをブロックする薬を除いて、喘息の方は服用できないことになっています。

また緑内障でも、βブロッカーが点眼薬として使われることもあります。点眼薬でも、眼から鼻へと薬が流れ、鼻粘膜から薬が吸収されてしまいます。このため喘息発作を起こした例も報告されています。
βブロッカーの緑内障治療薬の場合も、β1を選択的にブロックする薬を除いて、喘息の方は使えないことになっています。

薬剤師が窓口で患者さんに、併用薬を尋ねることがありますが、点眼薬は併用薬と自覚しない患者さんも多くいます。
しっかりと患者さんから聞き出すことが重要だと感じています。




薬の話 No.80/平成24年1月2日)

 
TOP
BACK NEXT