薬の話


食後服用の意味



<院外処方せん>

メルビン錠250mg 
3錠
   分3 毎食後

ベイスンOD 0.3mg錠 3錠
分3 毎食直前


14日分
薬剤師: こんにちは。
今日もいつもと同じ処方ですね。お薬で、何か気になることは有りませんか?
患者さん: メルビンとベイスンを、どちらも食前に同時に飲んではダメ?
どうも食前と食後では、どちらか飲み忘れるんだ。
薬剤師: ベイスンは必ず食前に飲んでください。
メルビンも食前に一緒に飲めれば問題ないのですが、メルビンの用法は、添付文書で「食後服用」と明記されているのです。

食前に服用しても問題ないか、一度メーカーに確認してみますね。

メーカーに、メルビンを食前服用したらどうなるかを問い合わせました。
あくまでも食後での臨床試験を行っているため、効果が保障された食後服用が勧められるとのことでした。しかし、特に食前でも効果は変わり無いとのこと。飲み忘れるくらいなら、ベイスンとともに食前服用でも良いのではとの回答でした。

主治医の了解を得て、メルビンを食前服用に変えていただきました。






薬を受け取る時、薬袋には、食後・食前・眠前など、服用する時間帯が記載されていると思います。
食前、食間、食後など、食事と結び付けている場合が多いですが、どうしてでしょうか。

消化菅内に食べ物が有るか無いかで、薬の吸収に差が出ることもあります。
空腹時では吸収されないために食直後服用とされているものもあります。
逆に食事があると吸収されないため、起床時や食前とされているものも有ります。
こうした薬は、指定された用法どおり、食事との時間を守って服用する必要があります。

一般に、空腹時に服用すると、薬の吸収は早くなります。食物がない分、胃内容物が早く通過し、吸収部位へ早く到達するからです。また、高濃度に吸収部位の粘膜に到達するため吸収も良くなります。しかし、胃壁などに薬が接触しやすく、胃障害が現れることがあります。胃を荒らしやすい薬は食後服用、しかも食直後服用が安心です。
食後服用の中には、胃を荒らさないようにと、意味合いを持って食後とされているものも多いのです。

しかし、ただ便宜上食後とされている薬も少なくありません。
飲み忘れを防ぐために、便宜上食後服用となっているのです。
食事は1日三回、規則正しく摂るものなので、食事と結びつけると飲み忘れが減らせるという考えです。
こうした薬は、食後というより、1日3回飲むことが重要なので、たとえ朝ごはんを食べない人でも、朝の分はきちんと服薬する必要があります。

逆に、食後ではむせてしまう高齢者、幼児などでは、食後にこだわらず、飲みやすい時間帯に移動させることも可能です。
また、学童児で、学校での昼食後の服用をしにくい場合も有ります。便宜上の食後であれば、その分を帰宅後に移動し、夕食後の分は眠前に移動させることも可能です。

服薬時間帯で不都合を感じている人は、一度薬剤師か主治医に相談してみて下さい。
自分の飲んでいる薬が便宜上の食後であれば、都合の良い時間に移すことも可能です。


でも、くれぐれも、自己判断で用法を変えないように!主治医は考えた末に今の用法になっているのです。勝手に変えて副作用が出た例もあります。また逆に効果がなくなることもあります。

必ず相談したうえで行って下さい。


薬の話 No.78/平成23年4月10日)


 
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