薬の話
私の父は89歳、母は79歳です。
JRや私鉄を乗り継いで4時間程の所に、二人だけで住んでいます。
母は在宅酸素療法、いわゆるHOTを取り入れているので、週一回訪問看護を利用しています。
また介護保険で車椅子のレンタルも利用しています。
父親も、起床時に立ち上がりにくい、歩行がつらいなどで、要介護認定を受けました。
父の場合、起き上がりを助ける介護用品もあります。私が勧めて一度は導入しましたが、家に最初から有る段差を利用して起き上がれば十分と、父本人が利用を断りました。
電車で通う病院も、介護タクシーを使えば楽だと考えて勧めましたが、杖を突いてゆっくりでも自力で行くとのこと。
また買い物や掃除を助けてくれる家事援助も、一度は導入しましたが、その後自分でするからいらないと、父本人が断りました。
薬の飲み忘れを防ぐため、お薬カレンダーを買って家の壁にかけてありますが、それに薬をセットするのも、父本人がやっています。
親の生活を見ていると、いかにも大変そうで思わず手を差し伸べたくなるのですが、親自身はゆっくりしたペースでも、自分でやる方が生き生きと幸せそうなのです。
自力でやっていこうとしている高齢者の生活力を奪ってはいけない。やれることは自分でやっていただく。
あくまでも、できない部分の隙間を埋める「介入」だけが必要で、本人ができることまで先回りして手伝うことは無いと思います。
住み慣れた所で、やれるところまで、自分たちで生活させてほしいと親は言います。
遠方に老親二人だけを残して、これで良いのだろうかと迷ったこともあります。
近くに呼び寄せた方が、子供にとっては気が楽です。
でも今は、これが親にとってもっとも幸福なのだろうと思い、迷わなくなりました。
いろいろ導入した介護サービスはほとんど父が断り、結局今は、週一回の訪問看護だけを受けている状態です。
しかし定期的な訪問は、定期的な見回りを受けているのと同じ。
ずいぶんと安心感が違います。