薬の話


麻薬錠剤の粉砕?

ガン患者さんの処方について、処方医から相談を受けました。
ガン末期の患者さんで、嚥下困難を起こしています。
粉砕の可否について問われました。

<処方>

オキシコンチン錠40mg
2錠 分2 12時間おき
 
オキシコンチン錠10mg
2錠 分2 12時間おき
14日分

粉砕

オキシコンチン(一般名オキシコドン)は、ガン末期の疼痛を和らげるオピオイド(麻薬)です。
副作用である吐き気は、モルヒネに比べると、ずっと少ないとされています。また持続的な効果を持つにもかかわらず、効果発現が早い特長も持っています。

オキシコンチン錠は、服用した後、少しずつ薬が溶出するような徐放製剤になっています。マトリックスという網目状のところから少しずつ薬が溶け出して、ゆっくりと長く効くようになっているのです。これにより1日2回の服用で済み、効果が持続するのです。

もしオキシコンチン錠を粉砕してしまうと、マトリックスが破壊されて徐放性が完全に失われ、服用直後の急激な血中濃度の上昇を招く恐れもあります。

オキシコンチン錠と同じ成分で、粉薬の形になっているのがオキノーム散です。
こちらは、即効性の散剤で、服用してすぐ効くのですが、効果が持続しません。
こうした散剤でも、少しずつ何回にも分けて服用すると、血中濃度の推移から見て、限りなく徐放製剤に近づけることはできます。しかし服用回数が増えると、患者さんが大変です。

メーカーに問い合わせたところ、オキノーム散を1日4回、1回25mgずつで代用することを勧められました。
朝昼夕と眠前の4回で、夕と眠前は2時間あければよいとのことでした。




現在、ガンの疼痛を抑えるオピオイドで、日本で用いられているのは、上記のオキシコドン以外に、モルヒネやフェンタニルがあります。
オキシコンチン錠の代替として、こうしたモルヒネやフェンタニルにまで選択の幅を広げると、次のような選択肢も可能だと思います。

●モルヒネ
坐剤: アンペック坐剤があります。
散剤: モルペス細粒があります。これは、徐放性の散剤のため、今回の代替としては最も良いかもしれません。


●フェンタニル
貼付剤:デュロテップパッチがあります。モルヒネに比べ便秘は起きにくい特長があり、持効性を求められる嚥下困難の患者さんに適していると思われます。

薬の話 No.68/平成20年5月25日) 

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