薬の話


緑内障の点眼で、まぶたが黒ずむ?

緑内障の治療に通っておられる患者さんが、院外処方箋を持って薬局を訪れました。
今までは緑内障の治療薬としてミケラン点眼液だけが処方されていたのですが、今回新たにキサラタン点眼液が追加されました。

<院外処方せん>
ミケラン2%  5ml
左眼点眼 1日2回

キサラタン 2.5ml
左眼点眼 1日1回
薬剤師: こんにちは。今日はキサラタンという点眼が追加されていますね。
先生からは、薬が増えるというお話しを聞かれていますか?
患者さん: はい。今までのミケランだけでは経過が良くないので、今回からもう一種類薬を追加するといわれました。
薬剤師: そうですか。今回新しく出たキサラタンという薬は、1日1回点眼するだけでいいです。
先生の指示通り、朝に1回だけ、さしてください。
朝は洗顔前に点眼されるといいですね。そして点眼した後に顔を洗ってください。

患者さん: 点眼後に顔を洗うのはなぜですか?
薬剤師: 点眼のとき、まぶたにキサラタンの薬液がついたままにしておくと、まぶたが黒ずむことがあるからです。点眼後、薬液を洗い流すと、そうした心配はなくなります。
患者さん: そういえば、近所で緑内障の点薬をしている人がいるんですが、「最近なぜか目の下にクマができたようになるんだよね」と言っていましたよ!薬のせいかもしれませんね。

いったんクマができてしまうと、元には戻らないんでしょうか?
薬剤師: いいえ、点眼を中止すると、徐々に元に戻ります。だから、クマができてしまってもそれほど心配することは無いんです。でも、できれば、最初からクマなんか作らない方がいいですよね。
点眼後に顔を洗うことによってクマができることを回避できますので、ぜひ守ってください。






緑内障治療薬であるキサラタン点眼液は、メラニンの増加により色素沈着が発現するといった副作用が報告されています。
色素沈着は、虹彩や眼瞼(まぶた)に起こります。

虹彩の色素沈着は、日本人ではまれにしか起きないそうです。
また欧米に見られるような青い瞳の人では、虹彩の色素沈着は非常に目立ちますが、日本人のようにもともと茶色い虹彩であれば、たとえ色素沈着したとしても、それほど目立つことは無いと思います。
しかし、虹彩の色素沈着は非可逆的で、一度起きてしまうと点眼をやめても元には戻らないとのことなので、やはり注意は必要でしょう。

一方 眼瞼(まぶた)の色素沈着ですが、こちらは可逆的で、点眼をやめると徐々に元に戻るようです。
これは、まぶたの表皮は新陳代謝により、順次新しい表皮へと入れ替わるためだと思われます。


キサラタンは非常に眼圧降下作用に優れ、緑内障の患者さんにはとても有用な薬です。
まぶたの色素沈着は、点眼後に顔を洗うことによって避けうる副作用なので、こうしたことを守りながら、上手に利用したいものです。



薬の話 No.54/平成15年10月19日)

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