薬の話


ラ ミ シ ー ル の 服 用 時 間


水虫の菌が爪の中にまで入り込んでしまった場合、外から塗り薬をつけるだけではなかなか良くなりません。
薬を爪の中まで浸透させるには、内服薬も必要となってきます。
こうした内服薬のひとつに、ラミシール(一般名;テルビナフィン)があります。

ラミシールを服用している方から、以下のような質問メールを受けました。

質問(患者さん): はじめまして、水虫の内服薬「ラミシール錠125mg」の服用方法について質問します。

私は一年ほど前から爪白癬にかかり、ラミシール錠を服用しています。
薬について、先生の指示は「1日1回、夕食後」となっています。
しかし私は夕食の時間が不規則で、日によって2〜3時間もずれることがあります。
もし毎日、指示通りに夕食後に服用すると、日によって時間が違うため、血中濃度が一定でなくなりそうな気がします。
そこで私は、食事に関係なく、夜9時に服用することにしています。
この服用方法でいいでしょうか?
回答(薬剤師): ラミシールは空腹時よりも、食後に服用するほうが吸収が良いので、やはり先生の指示通り夕食後に服用されるのが最も良いと思います。

夕食の時間に日々バラツキがあるため、夕食後服用では血中濃度が一定でなくなりそうと、ご心配されています。確かにあなたの場合、夕食後服用では、血中濃度がピークになる時間帯が日によって多少ずれるでしょう。しかしそれはあまり気にかけなくてもいいですよ。

ラミシールは服用回数を重ねるに従って、少しずつ爪に薬が蓄積されてきて効くようになります。
このとき多少血液中の薬の濃度が変動しても、爪に蓄積された薬の量はさほど影響を受けず、ほぼ一定に保たれるものと思われます。よって血中濃度の日々の変動はあまり気にかける必要はありません。

多少の時間変動があっても、血中濃度をしっかり上げる「食後服用」をされた方がいいと思います。

多くの薬は「食後服用」の指示で処方されます。これは、食事と関連付けることによって飲み忘れを防ぐという利点があるからです。しかしただ単に「飲み忘れを防ぐため」だけでなく、もっと重要な意味を持つ「食後服用」もあります。

一般に薬が消化管から吸収されるには、錠剤という塊のままでは吸収されません。分子という最小単位にまで溶けなくてはいけません。まず溶けて、それからようやく消化管から吸収されるのです。

食後は脂肪分の吸収を助けるために胆汁が分泌されますが、この胆汁は食物だけでなく、ラミシールのような油に溶けやすい薬の溶解も助けてくれます。このため油に溶けやすい薬は、胆汁が分泌される食後服用のほうが、吸収が良いとされています。
このように、便宜上だけの食後服用だけでなく、重要な意味合いを持った食後服用もあるのです。

生活パターンからどうしても指示通りに服用できないときは、ぜひ主治医か薬剤師にご相談ください。

付記(平成15年11月13日);
ラミシールの販売元であるノバルティス ファーマ社のMRの方から、メールをいただきました。それによりますと・・
基本的にラミシールは、イトリゾールほど食事の影響を受けないそうです。
この方のように夜、時間が不規則になるのであれば、服用時間を朝に変えてもらう、などの対処でも良いのではないかとのご意見でした。


薬の話 No.53/平成15年8月30日)
 


TOP