薬の話


「目薬が、目にしみるのですが・・」



薬剤師 / 患者さん
<院外処方せん>

レスキュラ    5ml
両眼   1日2回点眼

ミケラン(2%)  5ml
両眼   1日2回点眼

緑内障の患者さんに、眼圧を下げるレスキュラとミケランの点眼が処方されていました。いつも通りの処方なのですが、患者さんは何か不安そうでした。

お待たせしました。いつも通りの目薬ですね。
お薬について何か気になることはありませんか?



あります。レスキュラが目にしみる時があるのです。



そうですか・・
ミケランは大丈夫ですか?



ええ。ミケランは大丈夫なんですが。
レスキュラも、しみる日や、しみない日があったりと、日によっても感じ方が違うんですが。
しみると、目薬が目に合っていないんじゃないかと、気になってしまうんです。

しみること自体は、目に害を及ぼすことではなく、それほど気にすることではないんですよ。
ただ、ひじょうにまれですが、目薬が角膜をいためてしまうことも稀にあるので、それは気をつけたいのですが。
・・しみるだけで、ひどい痛みなどではないですよね。診察の時、先生は何かおっしゃっていましたか?



ええ。「目薬はしみるものなんだ・・ぐらいに考えて。しみても心配しなくていいよ。」とおっしゃっていました。



そうですか。
先生も診察されて、目自体に特に異常も無いようですので、ただ単にしみているだけですね。
涙の性質と点眼液の性質とが少し違うので、しみる感じがしているだけです。
しみてもあまり心配せずに点眼してください。

わかりました。しみるのがイヤ、というのではなく、ただ「しみる目薬は何か目に悪い影響があるのではないか?」と不安だっただけです。
話を聞いて安心しました。


それから、しみる目薬は、どうしても涙を誘ってしまって薬が無駄になりやすいので,最後にさしたほうが良いですね。
これからは、しみないミケランのほうを先に点眼して下さい。





点眼液が目にしみると訴える患者さんは時々おられます。
先日も、しみる点眼で不安になった患者さんが,「昨日食べたうどんに唐辛子を沢山入れてしまったが、それがしみる原因か?」と真面目に尋ねられたことがありました。
しみる原因を患者さんなりに必死に探した,笑うに笑えない話です。

先程の患者さんもそうですが,しみることが苦痛というより,不安に感じられていることが多いようです。
こんな場合、しみること自体、心配することではないと伝えると,安心されます。

涙液の液性は、pH 7.0〜7.4と、中性です。
これに比べ,レスキュラの液性はpH 5.0〜6.5とやや酸性に傾いており、こうした涙液との液性の違いが、しみる原因だと思われます。
一方、ミケランはpH 6.2〜7.2と、ほぼ中性で涙液に近いので、おそらく しみないのだと思います。
(実際には、液性は中性でも、主薬そのものが刺激的でしみる場合もあるようですが。)

また、しみる強さも日によって違うようです。
涙には、緩衝能(pHの変化を和らげる働き)があるため、やや酸性に傾いた点眼液を入れても涙がクッションになり、刺激を和らげてくれます。
しかし日によって涙の量が同じではなく、たとえば涙が少ないドライアイの時には点眼の影響を強く受け,刺激も大きいのではないかと私は思います。
また、目の状態も日によって違い、例えば炎症が起きているなど眼の調子が悪い時には,やはり、しみる感じも強くなるのではと思います。

2種類以上の点眼がある特は,しみるほうを後からさしたほうが,目に対する刺激が少なく流涙が少なくなり、そのほうが効率よく薬が眼内に移行してくれます。

薬の話 No.40/H 13.09.16)


<参考文献>
「薬苑」  第 418号(平成 6年10月1日発行  p.17) 愛知県薬剤師会

 
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