薬の話


メキタジン と 光線過敏



メキタジンは近年開発されたフェノチアジン系の抗ヒスタミン剤です。血液脳関門を通過しにくいため、脳への移行が少なく、よって眠気が少ない特長を持っています。
しかしこの薬は、光線過敏を起こしやすいことでも知られています



薬剤師 / 患者さん(男性)

50代の男性が皮膚科に通院中です。3ヶ月前よりニポラジン(一般名;メキタジン)が処方されています。

こんにちは。
今日も、いつもどおりのお薬ですね。ニポラジンが2週間分出ていますね。
少し長期に飲まれていますが、薬を飲んでいて何か気になることはありませんか?

ええ、特にありません。
ただ、なかなか治らなくて・・・。本当にこの薬が合っているのか、疑問に思うときがあります。



先生はどのようにおっしゃっていますか?



光線過敏症かもしれないと、今日言われました。


光線過敏ですか?
光線過敏は、薬剤が原因で起きることも多いんです。
じつは、今日お渡ししたニポラジンでも 光線過敏を起こしたという報告があるんですよ。



・・じゃあ、このニポラジンは わたしが飲むと心配ですね。


そうですねぇ・・。今起きている光線過敏症が、ニポラジンが原因で起きているのかどうか はっきりしませんが、いま光線過敏を起こしている人には、あまり すすめられないと思います。
少しお待ちいただけますか?先生に問い合わせてみます。



疑義照会の結果、ニポラジンは中止となり、代わりにアゼプチン(一般名;アゼラスチン、抗アレルギー剤)が処方されました。




           




光線過敏とは、日に当たった部分に皮膚障害が起きる反応です。
薬剤による光線過敏の場合、原因薬剤が体内に存在するときに太陽の紫外線を強く浴びると、紫外線によってその薬剤が、毒性の強い物質、或いはアレルギーを起こす元(アレルゲン)に変化します。こうして紫外線により変化した物質により皮膚障害が起きるのです。

最近は光線過敏による薬疹や接触皮膚炎が増えつつあります。
私も窓口に立っていて 他院で光線過敏症を起こしたという患者さんに遭遇いたしました。2例あるのですが、どちらの患者さんも そのときの原因薬剤の名前を記したメモを持っておられました。それぞれ「オゼックス」と「フルマーク」という薬剤で、いずれもニューキノロン系抗菌剤でした。


薬剤による光線過敏症は、命を奪うほどの重大な薬疹の報告はなく、また原因薬剤を中止すると、時間はかかってもやがては治癒するようです。
しかし、やはり起きる可能性の高い薬剤を服用しているときは、そのことを患者さんに伝えておく必要があると思います。
伝えることにより、事前に紫外線対策ができますし、
また万一起きてしまったときでも、患者さんが光線過敏について知っていれば、早めに副作用だと気づいて対処ができるからです。

いくら光線過敏を起こしやすい薬剤であっても、患者さんにとってその薬が必要不可欠なものであれば 服用を中止できない場合もあります。
また他の薬剤に切り替えようとしても、まったく構造の違う代替薬が見つからない場合もあると思います。
そうした場合でも、何らかの方法で紫外線をカットできれば、その薬を服用しつづけることもできるのです。
光線過敏症を予防するには 長袖や手袋、帽子や日傘などで できるだけ体を覆うといいのですが、たとえば学生さんなどの場合は、体育の授業でいくら日差しが強くても 日傘、手袋などの着用はできません。
皮膚科のドクターは、主にサンスクリーン剤をの使用を勧められているようです。

薬の話 No.33/H 12.07.03)


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