薬の話


処方せん に 不備のある時


少し離れた所にある総合病院からの処方せんは、たいていの場合、あらかじめファックスで送られてきます。
患者さんは病院で受診した後、住居地であるこの街まで戻ってきますが、その戻る間に調剤を済ましておくというシステムです。しかし、こうした処方せんは、時々 記載漏れ等の不備もあり、特別な注意が必要です。


薬剤師 A


薬剤師 B


処方箋のファックスが届きました。

<院外処方せん>

セフゾン
3cap
分3 毎食後
4日分

処方薬は何ですか。



セフゾン (一般名セフジニル; セフェム系抗生剤)が 12カプセルです。
良かった!  これだったら うちにあるので、備蓄センターまで取りに行かなくてもいいですね。


ちょっと見せてください。・・・力価(含有量)が書いていないですね。



・・・あっ、そうですね。 たしか セフゾンカプセルは 100mg のものだけではなかったですね。



ええ、 うちでは たいてい100mg のものを使っていますが、他に 50mgのカプセルもあります。
この人は 20歳なので100mg の方だとは思いますが、病院に疑義照会したほうがいいですね。






院外処方せんで、処方薬に 成分の含有量(規格)が書かれていない場合があります。

ひとつは、規格が1種類しかない場合で、その場合は薬剤名だけで良いと思います。2つめは、その薬剤に複数の規格が存在するにもかかわらず、処方医が記載していない場合です。この場合が、問題になるのです。

その処方薬が、ふだん 薬局で扱い慣れないものなら、他の規格があるのか 等について、まず保険薬事典などで調べ、必要に応じて疑義照会するでしょう。

しかし、扱い慣れた薬だと、他の規格が存在することすら忘れていて、よく調べずに ふだん出している薬を うっかりそのまま出してしまう危険性もあるのです。そして、その薬の規格が 処方医の意図とは異なるものだったら、それは医療事故につながります。作用の強い薬の場合、規格の違いが 患者さんの生死にかかわる場合もあります。

昨年は、実際にそのような医療事故が発生したそうです。受け取った処方せんに規格が書かれていない時、その薬がふだん扱い慣れたものであればあるほど、原点に返って、しっかり調べてから調剤しなくてはいけないと思います。

薬の話 No.15/H 11.02.21)


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