南平台の住まい


《インナーバスコートのある住まい》

この住まいは、落ち着いた住宅地の一角に計画されました。昭和中期に建てられた平屋の
住まいの建替えです。緩い勾配の屋根が掛かる矩形平面の、こじんまりとしたこの既存住
宅にお住まいの若いご夫婦は、建替えに際し、同じように平屋のイメージを保ち、しかし
ながら、それまでの小さな部屋に区切られた生活ではなく、区切りのない、水平に広がる
住まいをお求めでした。ようやく立ち歩きを始めた男の子が安全にのびやかに遊べる室内、
その子に何処からでも目の行き届く造り、それらを基本に計画がまとめられました。

敷地にL字型に配置された建物は、手前に個のゾーン、奥に共のゾーンが、テラス=外の
居間を囲むように置かれ、その接点には、外のテラスに連続して屋内のテラスを設けてい
ます。

白く仕上られた共のゾーンは天井の高さと床の高さの違いで、居間/食堂/畳の間の場を緩
やかにつくり、天井を高く設けた食堂の一角には落ち着いたロフトが設けられています。
台所からはアプローチや外の居間の様子、そしてインナーテラスを通して個のゾーンまで
もが一望に見渡せます。

食堂上部からつながるロフトを持つインナーテラスは、トップライトとハイサイドライト
からの光が満ち溢れています。このインナーテラスはバスコートとしてそのまま浴室にも
つながり、一体的で開放的なバスルームを形成しています。外の居間で過ごした親子が、
インナーテラスを経て、バスルームで汗を流す、という情景もイメージしています。

しな合板と杉で仕上げられた個のゾーンは縦に2分割され、一方が吹抜の空間、他方は4
人の家族を想定した4つの等質の個室が均等に並びます。眠るための最小限の大きさとさ
れた個室は、大きな2段ベッドが並んでいるかのようです。そして全て引き戸で区画され
るこのゾーンは、全ての間仕切りを取り払えば大きな一室です。吹抜のゾーンは家族構成
とライフスタイルの変化に対応して、将来の増築スペースとなります。

黒く着色された外壁のモルタル壁は、左官職人が丁寧に櫛目を引き、手の痕跡を残してい
ます。大きく開けられた上下の開口部の間には、亜鉛めっきの金属板が張られ、モルタル
壁と対比をなしています。ハナミズキの街路樹と開放的な庭の植栽の緑が、黒い外壁にみ
ずみずしく映えています。




建築概要
建築場所    大阪府高槻市
敷地面積    240.76u
建築面積    93.12u
延床面積    126.40u
規模構造    木造在来工法 2階建
設計期間    2002年04月〜2002年10月
工事期間    2002年11月〜2003年03月
プロデュース  潟Aーキッシュギャラリー
設計監理    木村哲矢建築計画事務所
施  工    潟Aーキッシュギャラリー


外観 アプローチ
外観 アプローチ

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居間 台所から住まいの全貌を見る
居間 台所から住まいの全貌を見る
食堂からインナーテラスを通して個のゾーンを見る インナーテラスから浴室を見る
食堂からインナーテラスを通して個のゾーンを見る インナーテラスから浴室を見る
個のゾーン:ワークルーム
個のゾーン:ワークルーム
個のゾーン:個室からワークルームを見る ワークルーム上部
個のゾーン:個室からワークルームを見る ワークルーム上部


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