『フランスの他者―コミュニケーション思想とジェンダー』

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                目次

                はじめに 

                第一章 不可能性の哲学――ジャック・デリダの思想から
                一 コミュニケーション思想の不(×)可能性
                二 文字の無い世界
                三 西欧近代のコミュニケーション思想
                四 音声言語優越の根源
                五 相対主義の登場
                六 西欧コミュニケーション思想の黎明
                七 コミュニケーションの始原=コーラ
                第一章の結び

               第二章 他者の諸相――ジェンダーの視点から
               一 理論を力とするために
                  (一)『第二の性』――シモーヌ・ド・ボーヴォワール
                  (二)差異の倫理――」リュス・イリガライ
                二 死と再生の思想――ジュリア・クリステヴァ
               三 排除された女の表象
                  (一)魔女論
                  (二)フランスのジェンダー研究
               四 精神的バイセクシュアリティ
                  (一)誕生――ハンナ・アーレント
                  (二)母―娘関係――コレット
                  (三)原初のバイセクシュアリティ――サラ・コフマン
               第二章の結び

               第三章 日本のコミュニケーション思想――比較の視点から
               一 文化成立基盤についての一考察――『古事記』を起点に
               二 鬼女論――取り込まれた女たち
               三 女性史と思想の接合点――高群逸枝
               四 ジェンダー化――ヨーロッパの取り入れ
               第三章の結び

               初出一覧

               あとがき




                          <内容>

             デリダの「他者」の問題の試行、ボーヴォワールの「ジェンダー論」、
                  ジェンダー分化が不明確な日本の状況分析など、
           広範な視座をとおして考究する「他者」とのコミュニケーションの「不可能性」

                  「無機物帰還への欲動」、「死への誘惑」
  これらコミュニケーションに内在する本来的困難性は如何にして「生への意志」により超克されゆくか
 
 「フランスの他者」デリダは「増え続ける難民(=他者)に絶対的な歓待の場を提供しなければならない」
                            と訴えた
       
     本書では「試行」され続ける「他者」の問題をジェンダーコミュニケーションの可能性をはじめ、
                       あらゆる視座から論考する