戸定なる 館に響く あぶら蝉
(7/26/'97、曇り)

松戸にも、こんなに静かな歴史の館がありました。

松戸市は、幕府直轄の水戸藩預かり領として、水戸藩とは縁
が深い土地です。

戸定館は、最後の水戸藩主・徳川昭武が明治17年に建てた別邸
です。徳川昭武は、幕府最後の将軍・徳川慶喜の異母弟で、
1867年のパリ万博に将軍名代として派遣され、そのままフラ
ンスに留学し、明治になってからも、帰国後再びフランスに留学
しています。

戸定館は、松戸駅東口から歩いても遠くない高台で、江戸川を
一望できる場所にあり、建物自体は純和風ですが、室内装飾や庭
園のどこかに、欧州の匂いがあちこちに残り、古く懐かしい想い
が、思い出される本当に静かな庭園です。

昭和26年に松戸市に寄贈され、松戸徳川家の由緒ある品々が展
示されています。
庭園は広く自由に回遊が可能で、秋の彩りはさぞ見事であろうと
想像されます。今は、百日紅が盛りで季節に遅れた紫陽花や、
四季折々の花や樹木が植えられており、建物のみ入館料大人
60円、邸内は無料で鑑賞できる松戸市の歴史の穴場です。

今年は夏が早かったせいか、特に蝉の数が多く、
戸定館の、ピカピカに磨かれたガラス戸に、鳴き声が響いていま
した。

平成10年4月28日からは、「最後の将軍・徳川喜慶」特別
も開催され
ています。取り壊されていた「使者の間、従者の間」も、同時に
再現公開されており、特別展の入場料は300円、9:30−5:00
までの月曜日が休館日です。