本土寺の 谷間を飾る おおでまり
(5/3/'97、小雨)

本土寺は、桜から菖蒲への谷間でした。

紫陽花寺として有名な本土寺は、花の谷間と小雨で閑散としていました。

本土寺を訪ねるのは十数年振りで、入場料を必要としない頃には、
機会があれば、寺の多いこの周辺を散策したものです。

常磐線・北小金駅から続く参道を歩けば、鮮やかな朱塗りの山門があり、
珍しいことに階段を降り下って、大欅に守られた入り口に向かいます。
春には参道・両側の桜が咲き、6月初旬からは花菖蒲が咲き、中旬からは
紫陽花となり、秋には紅葉と、この本土寺が「花の寺」と呼ばれる、
所以になっています。

長谷山本土寺は建治三年(1277年)に、日蓮から寺名を貰い地蔵堂として
開基され、様々な変節を経て、徳川直轄から水戸藩預かり領となって、
厚い保護を受けきました。
芭蕉も寺の行事で招かれ句を残し、一茶も翁を偲んで句を残しています。

御命講(や) 油のような 酒五升(松尾芭蕉)
影ぼうし(の) 翁に似たり 初時雨(小林一茶)

やはり寺は、静けさと小雨が似合いです。