特にお気に入りなミステリ以外の作品?を紹介。自信を持ってお薦めします。 空いてる個所はネタバラシ。クリックしたままなぞってくださいな。


「刑事コジャック」 「明日に向って撃て」


刑事コジャック <主演 テリー・サバラス>

日本では約20年前に放送されたアメリカのテレビドラマ。
脇役も個性派揃いですが、何と言ってもコジャックのダンディで、 渋くて、男のやさしさに溢れているところが最高!! 当時はいつも木曜日になると、今日はコジャックの日だ!と言って朝から盛り上がっていたものです。
全編これ名場面!と言いたいのですが、特に好きな場面は、 たしか、前半と後半で二週に渡ったと記憶してますが、「コジャックの一番長い日」です。 是非もう一度、ゴールデンタイムに再放送して欲しいものです。

*追記*

Feb.24.2001
「今日が日曜日ならいいのにな、クラレンゾ。《刑事コジャック》の夜なんだが」
「まったくもう、エディ――」
「なんだ、おまえさんはコジャックが嫌いなのか?」
「別にそうでもありませんがね」
「コジャックは服の着こなしかたを知っている」
「いかしたスーツを着てますね」テイトは認めた。「それはたしかです」
「これまでのコジャックの番組でお気に入りのはあるか、クラレンゾ?」
「別に」
「わしにはあるぞ」マーチェッティが身を乗りだした。

ジョージ・P・ペレケーノス「愚か者の誇り」1997年
ハヤカワ文庫・P327より。

ペレケーノスよ、おまえもか!
氏の「コジャック」賛美はこの後1頁分も続きます。 とても嬉しい。


明日に向って撃て

1969年 アメリカ
BUTCH CASSIDY AND THE SUNDANCE KID
監督:ジョージ・ロイ・ヒル
脚本:ウイリアム・ゴールドマン
撮影:コンラッド・ホール
音楽:バート・バカラック
ブッチ・キャシディ:ポール・ニューマン
サンダンス・キッド:ロバート・レッドフォード
エッタ・プレース:キャサリン・ロス

我が青春の思い出。これを見に何度映画館に足を運んだことか。 当時発刊されたばかりの「ぴあ」を開き、 東京のどこかでは上映されている事を確認する度に、嬉しくなったものでした。
アメリカ開拓時代に実在した強盗コンビのお話(ちなみに二人の写真は現存)。 彼らのあまりの荒稼ぎに業を煮やした鉄道王が、保安官連合のスーパードリームチームを 雇う。 強敵から狙われる身となった二人は、恋人エッタを伴ってボリビアに流れる・・・
この映画、全てにおいて私のお気に入り。まず語るとすればその映像美だろうか。 抜群に美しい構図の連続。どの瞬間で止めても絵になる。 横長のシネマスクリーンに遠近感をきっちりと盛り込み、 不要な部分を極力排除した大胆な構図にはほとほと参ってしまいます。 大金を投入した壮大なロケーション映像とは全くの別もの。 たかだか数人の登場人物が馬に乗って動きまわる場面が殆どですが、 リズミカルなカット割りと大胆な構図が見る者に躍動感を与えます。 大胆なアップを、サァーと引きながら遠景に切り換え、 1、2キロ遠方の人物を望遠で捕らえるシーンはお見事の一言。 (デレビドラマ「木枯らし紋次郎」のオープニング映像など、この影響を受けた事は容易に想像できます)
そんな美しい構図の連続がやがて、ラストのストップモーションへと繋がります。 銃声が消え、色が消え、やがてカメラがゆっくりと引かれながら遠景となり、 二人の映像が永遠に固定される・・・
映像に絶対の自信があるからこそなせる技でしょうか。 あぁ、素晴らしい。

好きなシーンを数え挙げたらきりがありません。 ポーカーのシーン・自転車のシーンはもちろんのこと、まずは盗賊との銃撃シーン。 強盗から足を洗い、まっとうな仕事についた二人を待ち受けていた皮肉な運命。 殺人だけは犯したことのなかったブッチの呆然とした顔が実に印象的。
ラスト直前、サンダンスの2丁拳銃による華麗な舞いも秀逸。 カメラの直前で身を翻しながら火を吹くサンダンスの拳銃が、 遥か遠くの警官たちをバッタバッタと倒します。 そのリズム、構図の良さ、くっきりとした遠近感、素晴らしいです。
そして、ボリビア行きを決心した夜。 エッタの強烈なお言葉「死ぬところだけは見せないで」。 死を予感した彼女が、二人に対する愛情の深さとその芯の強さをちらつかせた瞬間である。 二人は返す言葉もない。 小川に放り込まれた自転車の空転するスポークのアップが、更にその予感を印象付け、 ラストのストップモーションでは、どうしてもエッタの視線となってしまう私・・・

Feb.24.2001