ROBERT B. PARKER
ロバート・B・パーカー 《その3》

アイリッシュ・ウイスキイ

私が座ると、レニイが私を見て頷き、空いている手でバーテンにちらっと合図をした。 レニイが電話で聞いている間、私は待っていた。彼はなにも言わなかった。 バーテンがアイリッシュ・ウイスキイをワン・ショットと生ビールを持って来た。 レニイは、私を見るといつも、アイリッシュ・ウイスキイをワン・ショットとビールを買ってくれる。 私はいつもビールを飲んでウイスキイに手を付けないのだが、 レニイはがっかりした様子を全く見せない。

ロバート・B・パーカー
「チャンス」 1996年
[ 訳 ] 菊池光
ハヤカワ・ノヴェルズ・P30より

マサチュセッツ街のテネシイ・タヴァーン。 賭け屋「レニイ・セルツァ」のいつものブースを訪れたスペンサー。
お気づきですか? お店が変わっていますねぇ。加えて、生ビール付きにもなってます。 この辺の微妙な違いを探し出すことが、シリーズものを愉しむことのひとつでもあります。
ちなみに、「なぜいつもおれにアイリッシュ・ウイスキイを買ってくれるのだ?」の答えが、 今回は用意されておりました。

<gaby>21 Sept 2003

ローリング・ロック・ビール

「ナット・ブラウン・エイル、あるかな?」
「ハイネケン、ミケロブ、サム・アダムス、ミラー・ライト、バドワイザーとロリング・ロックがあります」
私はロリング・ロック、スーザンはアイスド・ティを注文した。

ロバート・B・パーカー
「虚空」 1995年
[ 訳 ] 菊池光
ハヤカワ・ミステリ文庫・P269より

優雅な古い居酒屋で昼食をとるスーザンとスペンンサー。
ローリング・ロック・ビールは壜でやるのがお薦め。
薄いグーリンでスマートなボトル。そのアメリカ的なデザインだけで、飲む価値は充分にあります。

<gaby>21 Sept 2003

マーティニ・オン・ザ・ロックス

ヒーリイはアプソルート・ウォッカのマーティニ・オン・ザ・ロックスを注文した。 私も同じものにした。ウェイターが立ち去ると、
・・・省略・・・
ウェイターがマーティニを運んで来た。私たちは料理を注文した。 ヒーリイがマーティニを持ち上げてちょっと眺め、一口飲んだ。
飲み下してゆっくりと首を振った。
「マーティニは絶対に期待を裏切らないよ」彼が言った。
私はうなずいた。 私の方はアイリッシュ・ウィスキイを何オンスか飲んでいるので感激は多少薄い。

ロバート・B・パーカー
「歩く影」 1994年
[ 訳 ] 菊池光
ハヤカワ・ミステリ文庫・P309より

金曜の午後おそく。街灯がつき始める時間。 キャピタル・グリルで、州警察本部の「ヒーリイ」警部と会うスペンサー。
情報提供の見返りにステーキを奢り、スペンサーはコールド・シーフードを注文。
たいそう味をしめたのか、 後日スーザン宅ではウォッカ・マーティニ・オン・ザ・ロックスを何杯も飲んでおります。

<gaby>21 Sept 2003

グレンフィディック

ファレルは黙っていた。スコッチを軽く一口飲んだ。 いいスコッチだ、グレンフィディック、シングル・モルト。 私たちはコップで少しずつ飲んでいた。 が、オフィスにはそれ以外にグラスはない。 私はウィスキイのストレイトは好きではないが、 グレンフィディックはたいへん口当たりがいい。

ロバート・B・パーカー
「ペイパー・ドール」 1993年
[ 訳 ] 菊池光
ハヤカワ・ノヴェルズ・P161〜162より

スペンサーのオフィス。クワークの部下「リー・ファレル」刑事と情報分析をするスペンサー。
ファレルには飲むに足りる大きな悩みがあった。 次第に暗くなってゆく部屋の中で、黙って座りながらちびちびとウィスキイを飲む二人。

<gaby>24 Nov 2002

マーティニ

私はマーティニを軽く一口飲んだ。 マーティニが好きになるにはかなり時間がかかるが、それだけ努力する価値がある。

ロバート・B・パーカー
「ダブル・デュースの対決」 1992年
[ 訳 ] 菊池光
ハヤカワ・ノヴェルズ・P217より

オフィスから二ブロック離れたグリル23のバアで、ベルソンとともにマーティニを飲むスペンサー。
本作品のラストでも再び口にすることとなる・・・
10年の年月が、彼の酒の好みを変えたようだ。

<gaby>17 Nov 2002

スコッチ

親父とおれはバアに行って、親父がダブル・スコッチを二杯注文した。 バーテンダーがおれを見て親父を見たが、何も言わずにウィスキイを持ってきた。 二杯とも親父の前に置くと、親父がグラスを一つ、おれの前へ押してよこした。
”今日、森の中でクマに出会ったんだ”。親父があまり抑揚のない口調で言った。 まだ西部訛りが残っていた。”こいつは一歩も退かなかったよ”。
バーテンダーは浅黒く痩せた鼻の大きな男だった。 彼は、おれを見てうなずくとカウンターの向こうの方へ行き、親父とおれはスコッチを飲んだ」
「彼はあなたに何も言わなかったの?」
私は首を振った。
「女、少年、子供たちでなく、狩人たちだけが飲むあの褐色の酒」スーザンが言った。
「フォークナーだ」
スーザンが微笑した。

ロバート・B・パーカー
「晩秋」 1991年
[ 訳 ] 菊池光
ハヤカワ・ミステリ文庫・P24より

リッツのバアで、「祝いの酒」スコッチ・アンド・ソーダを注文したスペンサー。
スーザンに問われ、その云われを語り始める。
あれは、十七の時だった・・・

<gaby>17 Nov 2002

ラフロイグ

「とにかく、あんたすてきね」ジルが言った。
「ウム」ホークが言った。
彼がジルと並んで長椅子に腰を下ろした。すぐさまウェイトレスが寄ってきた。
「ラフロイグ」ホークが言った。「ストレイト、ロゥボール・グラスで」
「わかりました」ウェイトレスが急いで酒を取りに行った。

ロバート・B・パーカー
「スターダスト」 1990年
[ 訳 ] 菊池光
ハヤカワ・ミステリ文庫・P122〜123より

チャールズ・ホテルのクワイエット・バアで、 ホークを紹介された人気女優「ジル・ジョイス」。
強烈な個性のアイラ・シングルモルトはストレイトが一番。
粋に呑むには、グラスに拘るしか手はない。

<gaby>17 Nov 2002

オールド・トムスン

バーテンがウィスキイのワン・ショットと分厚く丈の高いグラスに入った生ビールを運んできた。 私はショット・グラス入りのウィスキイは大嫌いなのだが、 会うたびにレニイが私に注文してくれる。 長年の間に中身の格が上がっている。 今は少なくともアイリッシュ・ウィスキイだ。 初めて彼を知った頃はオールド・トムスンだった。

ロバート・B・パーカー
「プレイメイツ」 1989年
[ 訳 ] 菊池光
ハヤカワ・ミステリ文庫・P48より

マサチュセッツ街のヨークタウン・タヴァン。 賭け屋「レニイ・セルツァ」の専用ボックスを訪れたスペンサー。
自分は生ビールで、スペンサーにはウィスキイ。レニイの愉しみのひとつであることは容易に想像できる。

<gaby>20 Oct 2002