待ち時間に対する私の思い      
医者には、それぞれの診療のスタイルがあります。診察に要する時間もそのひとつで、ひとりの患者さんに費やす時間が長かったり、短かったりします。

 私は比較的時間がかかるほうだと思います。1時間に10人程度、多いときでも15人の方を診察するのがやっとです。初診の方や、病歴の長い方が来られたときには、もっと時間がかかります。

 朝の受付開始と同時に、30人くらいの方が来られるときがあります。そうすると、すでにその時点で、最後のほうの方は2時間から3時間待ち、ということになってしまいます。混雑する土曜日には、申し訳ない話ですが4時間を超える待ち時間になることもあります。

 予約制にしろ、と言う声があります。しかし、私は3つの理由で、予約制に踏み切れません。
(1) そもそも皮膚科という診療科は、予約制になじまない
皮膚の病気は、慢性的な面もありますが、発症するときはほとんどが突然です。慢性疾患だけであれば予約でよいのですが、急に体が痒くなったり、痛くなったとき、「予約でいっぱいだから明日以降」と言うわけにはいきません。
(2) 多くの方が満足できる予約制を構築することは不可能。
・・・と私は勝手に思っています。
たとえば「9時から9時15分に2人予約を入れて1時間に8人、あいだに初診の人を入れて・・・」なんて考えても、大幅にずれていきます。
また、「9時ちょうどではなくて、9時から30分くらいの間の予約ですよ」とお話しておいても、「9時の予約になっているじゃないか」と不満をおっしゃる方が、必ず出てきます。いろいろシミュレーションはしてみるのですが、なかなかみんながhappyになるいい制度がみつかりません。
(3) 「かかりたいときに、かかりたい病院にかかる」
ということが(ある程度)できているのが、日本の医療制度の一番よい点だと思っています。予約制にすると、たくさんの方に受診をお断りしなくてはなりません。

私の診療に時間がかかるのは、きちんとお話をうかがい、説明をして、私が行うべき処置は自分で行っているからです。水いぼとりや、いぼの冷凍凝固治療など、看護師が行っている病院もあるようですが、私は自分で行います。

長くお待ちいただくことについては(私自身、気が短いこともあり)、いつも大変に申し訳なく思っております。以上をご理解いただきたいと思います。
なお、平日の午前は比較的すいておりますので、ご利用ください。