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CDリリースのお知らせ


演奏家として参加したCD 上野の森ブラスのCD


Rock of Brass Quintet

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山路敦史編:パープルヘイズ(ジミ・ヘンドリックス)一ノ瀬響編:移民の歌(レッド・ツェッペリン)鶴見幸代編:噴火(エマーソン・レイク&パーマー)

鶴見幸代編:タルカス組曲(エマーソン・レイク&パーマー)

itune music storeでも購入できます。[ロック・オブ・ブラス・クインテット][Rock of Brass Quintet]で検索して下さい。


トキノコダマ2 (世紀の谺)hommage to 20th century pops <<ALCD-3066>>

トランペット・コルネット・ゼフュロス・声/曽我部清典 ピアノ・声/中川俊郎 デジタルミックス/一ノ瀬響

すべての先入観が払拭され粉砕される、と言ったら言い過ぎか-----小沼純一


ヒアゼアアンドエヴリウェア(レノン&マッカートニー)/一ノ瀬響
アマポーラ(J.M.ラカレ)/延原正生
夕陽丘の総理大臣+α(時代遅れの恋人達+スイートメモリー)(筒美京平)/新垣隆
ハッピーバースディ、大統領閣下(ミルドレッド&パティ・ヒル)/ヲノサトル
インターナショナル(ピエール.C.デジェテール)/フォルマント兄弟(三輪眞弘+佐近田展康+曽我部清典)
アイ・ガット・リズム・アンド・プレイド・テニス・ウィズ・ミスター・シェーンベルク(ジョージ.ガーシュウィン)/吉田恭
サマータイム(ジョージ.ガーシュウィン)/中川善裕
私のお気に入り(リチャード.ロジャース)/成本理香
句読点V(マイ・ファニー・ヴァレンタイン(リチャード.ロジャース))/鈴木治行
And I love her(レノン&マッカートニー)/松平頼暁・新垣隆
ゑすと SLIDE 物語/川島素晴
HERE THERE AND EVERYWHERE(レノン&マッカートニー)/一ノ瀬響(コーダミックス)

小沼純一ライナーノートより

 トランペットである、ピアノである、この二つの楽器が一緒になったらどーのこーのである、というようなすべての先入観が払拭され粉砕される、と言ったら言い過ぎか。『トキノコダマ』を一聴したとき、そんなことを思っていた。はてさて、その第二弾という。『トキノコダマ』は1も2も、多くのひとに良く知られた曲、メロディへのリスペクトがある。と同時に、かなりの悪意がある。ときにそれは邪悪にさえ近くなるのだが、その邪悪さは単に「良く知られたメロディ」に対してはたらくのみならず、ひとが無条件に無意識のうちにメロディに親しんでしまうこと、慣れてしまうことへの挑戦としてあらわれる。ここにこう音があって、それがどう次の音につながって、ほら、「あの、知っているメロディ」になる、でしょう?でもそれだけじゃないんだなあ、こうつながると、全然違う別物になっちゃう。音のつらなりは分子構造や遺伝子情報ににも似て、ほんの1個違った要素がはいったら、とんだキマイラを生みだしてしまうんだ。そんな悪魔の発明的邪悪さ――もちろんこれは褒め言葉だし、別の面からなら邪悪も極度の良心に変わってしまうのだが――をしばしば垣間見ることができる。もちろん作曲家という存在、あるいは作られた曲に対してあらたに手を施す編曲者、さらにそれらを具体的な音として立ち上がらせる演奏者とは、三位一体、「作品」という「曲」――その曲がったモノ――というかと如何にして戯れるかを業とする者たちだが、それが『トキノコダマ』シリーズでは、先にも触れたように、しっかり聴き手や聴き手の無意識まで巻き込んでいるところが、ほかのあまたあるアルバム、「現代音楽」アルバムと異なっているのである。もしこれがトランペットでなかったらどうか。ただピアノだけ、あるいはヴァイオリンやフルートだったら、こうした挑戦性、戯れ性は醸しだされただろうか。さてこれは逆説ではなかろうか。はじめに、トランペットだのピアノだのの先入観が壊れるアルバムと言った。でも実際は「やっぱり」このトランペットであり、ピアノであることによってこそ可能なのかもしれない、との反転である。う〜む、してみると、如何にも外側から客観的に書いているかのような〈わたし〉も、やっぱりこのアルバムに触れた、関わったすべてのひとと同様、メビウスの帯のなかにからめとられているのだろうか。え?これってリングみたい、って?


タワーレコード情報誌「musee vol.47」63p

曽我部清典 オマージュという名の先駆音楽 

 ポップスの世界でもない限り、こと現代音楽について言えば、そういった自己プロデュース能力(とでも言おうか)を持ち合わせた作曲家は希有である。演奏家となればなおさらである。しかし、そういった能力を持ち合わせた演奏家は、自分の興味の向いた作曲家にどんどん声をかけ、作品を委嘱し、自己の演奏能力や表現力を刺激し、聴衆を楽しませるのである。曽我部氏はまさにそういった能力に長け、フットワークと演奏能力とで、おそらく現在の現代音楽を牽引する主格となっていることは間違いないだろう。そしてこれは、これまでの氏の作品の中でも骨頂であると断言できる。モチーフ自体は、自己プロデュースという見地でも先鞭をつけた高橋アキのビートルズへのアプローチと酷似しているが、委嘱作家がユニークだ。松平頼暁、鈴木治行、一ノ瀬響、ヲノサトル、フォルマント兄弟、などなど。ユーモアとアイロニーに満ちた編曲、アコースティックから電子音楽を網羅する音楽性、そして何より、楽しみながら演奏する彼の姿が浮かぶ名作だ。

(金子雄樹/タワーレコード本社)


凄い持ち芸。

 前作「トキノコダマ」を、本欄で絶賛した覚えがあります。この第2弾もゲラゲラと笑いながら聴き通さずにはいられない内容で、しかもその面白さを説明するにはいくら紙面があっても足りない。基本的にはどのナンバーにも「元歌」が存在し、それをアレンジ(というか大胆に変容)させていく過程で作曲者とプレーヤーが濃密なコラボレーションを演じる。ときにはコンピュータも介在させた、音による多種多様なコラージュの世界がファンキーにくり広げられる..... 、などと書きつけてもラチがあきませんね(前回も似たような言辞を弄したなあ!)。
 個々の曲について述べたてればキリがないので、ひとつだけ。スタンドに固定された3種のトランペットと、曽我部の「持ち芸」にあたるピッチ可変トランペット「ゼフュロス」を駆使した川島作品は、ベリオが泥酔して書いたセクエンツァの譜面にバーンスタインの記憶の断片が乱入するがごとき、この才人作曲家、そして演奏者の面目躍如たる「アンコール・ピース」だ。

パイパーズ 3月号2004 46P「今月のCD」


トランペットが混ぜ合わせる現代音楽と20世紀ポップス

 バロックから現代音楽まで、クラシック界で縦横無尽に活躍するトランペッター曽我部清典。本誌では三輪眞弘、佐近田展康両氏の作品には欠かせない奏者としても知られるところだ。そんな彼の最新作「トキノコダマ2(世紀の谺)」(ALM RECORDS:ALCD-3066)が発売中。20世紀ポップスの名曲の数々を、三輪+佐近田のフォルマント兄弟やヲノサトル、一ノ瀬響など、現代作曲界の面々がアレンジ。中川俊郎(ac.p)とのデュオを中心に、原曲の原形を留めない斬新な発想や意外な楽曲同士のドッキングなど、常識を覆すサウンドをお聴き逃しなく!

Sound & Recording/March 2004  208P


トキノコダマ(世紀の谺)hommage to 20th century pops <<ALCD-3057>>

こんなに楽しくて、遊んでいて、なおかつ実験している作品を僕は知りません。-----鴻上尚史


トランペット・コルネット・フリューゲルホーン・ゼフュロス/曽我部清典 ピアノ・シンセサイザー・パーカッション&ヴォーカル/中川俊郎

Gersomina-Distanza/田中吉史/ジェルソミーナ(ニーノ・ロータ)
ウィズアリトルヘルプフロームマイフレンズ/柴山拓郎(レノン&マッカートニー)
超人降臨 - セブン vs ツアラトストラ/後藤國彦/ウルトラセブン+ツァラトゥストラはかく語りき(冬木透+R・シュトラウス)
レットイットビーアジア旅行/三輪眞弘→曽我部清典/レットイットビー(レノン&マッカートニー)
ゲットアップスタンドアップ/福井知子(ボブ・マーレー)
ミッシェル/中川俊郎(レノン&マッカートニー)
スカボローフェア/山本裕之(サイモンとガーファンクル)
ファーストラヴ/原田敬子(宇多田ヒカル)
夜霧への感謝/鈴木治行/夜霧よ今夜もありがとう(浜口庫之助)
伯剌西爾音頭/伊左治直(訳詞:伊左治直)/ソダンソサンバ(トム・ジョビン)


 曽我部さんは、僕の高校の先輩だということがひょんなことから、分かりました。今回、新しいCDを聞かせていただいて、その中に溢れる遊び心に感動しました。トランペットを吹きながら、うひょうひょと喜んでいる曽我部さんが目に浮かびます。

 こんなに楽しくて、遊んでいて、なおかつ実験している作品を僕は知りません。楽しみながら感動してしまいました。

演出家 鴻上尚史


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透明な孤独 Limpid Solitude <<ALCD-55>>

龍安寺/ジョン・ケージ
Quatro Pezzi/ジャチント・シェルシ
Fanfanfarren/マウリシオ・カーゲル
OLD/NEW/マウリシオ・カーゲル
eco lontanissima V/田中吉史
雲の墓標/成本理香

透明という

 前題として云おう。音は恋である。ゲーテにしては恋は墜落であり、ニーチェにしてははかない額縁でもある。曽我部の音は静かな心臓であり、血の旅でもある。同じ様に心の旅であり、心の哀でもある。聞く度に感じることは人生の彷彿された静かな興奮を恋というものにせず、透明な孤独を捜しているかのようだ。彼は人生の旅のアウトラインを作ろうと思っていない。人には分からない才能と知性の持ち主である。

現代美術家 森本潤一

 これは、実験的な演奏グループ、ムジカ・プラクティカのトランペット奏者として、また多くのソロ活動、アンサンブル活動を通じて、現代音楽のスペシアリストの地位を確定的にした曽我部清典(現在、プラクティカムジカスタジオ主宰者)の、最近の活動を集約したCDである。収録作品は、広い意味で日本ないし東洋を意識した海外の作品と、日本の作品からなっている。曽我部は最近、広範囲のグリッサンドの可能なスライド付きトランペット、ゼフィロスZephyrosを発明したり、コンピュータを用いたりしてトランペット音楽の拡充を企画している。このCDでは、ソロ作品以外のトランペット・アンサンブル(カーゲル)も、打楽器パート(ケージ)もすべて、曽我部が一人で演奏または制作した音によっている。

作曲家 松平頼暁

 演奏家、作曲家、音楽学者の立場は、同じ音楽家といえども随分違っているように思う。音楽の構造が複雑になり、技術の習得の必要上、分業制は確固としたものになった。譜面を介して作曲者の意図を探り、それを実際の音にする、これが演奏家としての私の仕事である。前CDのために私の永い友人である作曲家・近藤譲氏が書き記してくれた私の演奏へのコメントは、面映ゆいながら、私の演奏行為の目標である。そして、私は、先日美術館で行った私のソロリサイタルのプログラムに「演奏とは音楽に新たに意味を制作する行為である」と書いた。
 またコンサートやCDのプログラムを組むことも創造的な行為である。作曲家のそれと演奏家のそれとは、これもまた随分違ったものになるだろう。
 演奏家の余計なおしゃべりはこのくらいにして(音楽がすべてを語ってくれるはずだから)、四季の料理を味わうような気分で聴いていただければ、大変嬉しく思います。

 多重録音を使い、共演者が一人も居ない私だけのアルバムです。ぜひ、ご一聴ください。

曽我部清典


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今日までそして明日から Till now and From now on... <<ALCD-50>>

曽我部清典と、トランペットの想像力     近藤譲

 楽器は、単に音を作り出すための道具ではなく、一つの力、即ち、音楽がそこから生まれ出る源泉としての力である。演奏家にせよ作曲家にせよ、真の音楽家は、ただ自己の表現のための道具として楽器を操って技術の巧みさをひけらかすのではなく、楽器の力を自らの内に得てそれに彩りを与えることによって、その力から自らの音楽を創り出すのである。しかし一方、力としての楽器には、完成ということがない。何故なら、力とは可能性であり、可能性は常に未来に向かって開かれているからである。ひとつの新しい音楽創造には、ひとつの新しい力が、即ち、ひとつの新しい楽器が必要になる。尤もこれは、必ずしも、楽器を発明し続けなければならないということではない。構造や機能が同一の楽器も、その楽器に対する個々の演奏者や作曲者の新鮮な想像力と創造的姿勢によって、新たな力を持つ楽器として再発見され得るからである。ひとつの楽器の中に様々な異なった力を見出すこと。それが音楽を創造しようとする者に課せられた責務なのである。

 したがって、楽器の名前は、単数形ではなく、いつも複数形で呼ばれるべきだ。トランペットはいつも同じトランペットではない。演奏家の数だけ、作曲家の数だけ、否、実は、書かれた曲の数だけ異なったトランペットがある。卓越した技術と深い音楽性に裏付けられた独自の演奏スタイルを持つトランペット奏者、曽我部清典氏は、楽器のそうした創造的複数性に鋭く目覚めた、数少ない音楽家の一人である。音楽家としての彼の強靱な開拓者精神は、新たな機能を持つトランペット(ゼフュロス)や、このCDに収められた多くの異なったアイディアに基づく作品を産みだしただけでなく、トランペットという楽器の力と、そして究極的には、演奏という音楽的行為の本質にある創造性を啓き示している。

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HIKARI/佐藤聰明
ディストラクション IV/松尾祐孝
冬の間に/近藤譲
月の肉片よりファンファーリア/伊左治直
ヘイロウス/西村朗
トランペット奏者とキーボード奏者のためのエチュード/中川俊郎
径/武満徹

 共演は・・・ピアノ:中川俊郎・ヴァイオリン:野口千代光・ノイズ:伊左治直(自作のみ)

 このうち佐藤聰明/HIKARIと西村朗/ヘイロウスは全音楽譜出版から武満徹/径 は日本ショットから近藤譲/冬の間に はソニックアーツからそれぞれ出版されています。そちらも併せてご覧になってください。ご参考までに・・・・

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バルドン楽器


もちろん、小島録音でも取り扱っています。
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ALM Records/(有)コジマ録音
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fax 03-5397-8223
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