第6回九州トランペットフェスティバル レポート ------曽我部清典

 2003年6月22日熊本市の熊本市産業文化会館大ホールに於いて第6回九州トランペットフェスティバルが行われました。ゲストとして参加して参りましたので、報告をしたいと思います。

 九州トランペット協会は1991年12月に発足し、会員数38名の小さな所帯ながら、これまで5回のフェスティバル・10回のトランペットクリニックの他に、2回のサマーキャンプ(阿蘇・久重、3回目は8/9〜11霧島で行われる予定)、中学生のためのトランペット講習会を行ってきました。今回のフェスティバルは3年振りの開催ということで、本村孝二会長を中心に準備にも随分と熱の入れようでした。そして特筆すべきは、開催が協会本部のある福岡だけではなく、宮崎や鹿児島そして今回熊本で行われていること、これは地元の会員の協力無しでは実現しません、そういった意味で、真の九州トランペット協会を目指す意気込みが感じられました。ゲストにはこれまで中山富士雄氏・北村源三氏・戸部豊氏・チャールズ・シュリューター氏が招かれています。会員の中には、大学や仕事の都合で、関東や関西にお住まいの方も多く、日本トランペット協会との交流ももっと深めてゆければ良いな、そういう方々のために日本トランペット協会としても、何か特典を考えても良いのかな?とも思いました。

 福岡と熊本のリハーサルを経て当日となりました。朝11時からの開場でしたが、協賛企業のブースの前には、早くから熱心なファンがちらほら訪れ、試奏をする姿も見られました。全体の入場者数は、予想されていた数を遙かに超え、200名以上となりました。


<協賛企業ブース>


 コンサートは会員による短いファンファーレの後、オーディション合格者の演奏(中学生1名・音大受験生3名・社会人1名)、吹奏楽コンクールを見据えた課題曲のトランペットパートの解説と続きましたが、底辺の拡大という意味で、とても意味のある企画のように思えました。


<音大受験生3名と終演後のスナップ>


 続いて私のコンサートとなったわけですが、できるだけ多くのトランペット奏者と交流をしたいという思いから、プログラムにはアンサンブル曲を入れました。そして、短いトランペット4本のためのファンファーレをプロムナード代わりに構成しました。コンピュータを使った作品もというリクエストにもお応えしました結果、プログラムと共演者は以下のようになりました。

1.ファンファンファーレン1(4 trumpets)/M・カーゲル
2.光/佐藤聰明 (trumpet and Piano)
3.ファンファンファーレン7(4 trumpets)/M・カーゲル
4.オーボエ協奏曲第2楽章/A・マルチェルロ(trumpet and Piano)
5.ファンファンファーレン9(4 trumpets)/M・カーゲル
6.インターナショナル/フォルマント兄弟(三輪眞弘+佐近田展康)編曲
7.ファンファンファーレン12(4 trumpets)/M・カーゲル
8.ポリプロソポス(9 trumpets & alto trombone)/川島素晴

ファンファンファーレン 市原彰・山下明朗・中野崇之・今村隆志(ホスト役となった熊本県の会員の皆さん)


ポリプロソポス 白水大介(Piccolo trp)稲留慎吾(Eb trp)野田健一(Slide trp)奥田敏雄(Post horn)坂本敦(C trp)井上圭(Bb trp)小寺聡(Flugelhorn)池田澄夫(Cornet)寺本昌弘(Alto Trb)<賛助出演>


<ポリプロソポスリハーサル風景>
 

 中でもポリプロソポスは超難曲でしたが、会員の積極的な取り組みのお陰で、素晴らしい演奏となりました。やっかいな譜面に取り組んで下さった九州トランペット協会の皆さんとピアニストの片岡和代さんに、この場を借りて御礼申し上げます。


 私のステージの後は、大編成のトランペットアンサンブルで歌劇「ローエングリン」より“エルザの大聖堂への行列”(R.ワーグナー)とダッタン人の踊り(A.ボロディン)が演奏され、最後に会場も一体となってトランペットヴォランタリー(J.クラーク)が華やかに演奏され、閉幕となりました。

 <大編成のトランペットアンサンブル>

 連日の馬刺・ラーメン(博多・熊本)などの歓待とも相俟って、私にとっては忘れられないコンサートとなりました。そして、今回の私の演奏が、九州トランペット協会の新しい扉を開くきっかけになれば幸いです。