ブラスエクストリームトウキョウ<Brass Extreme Tokyo>香港旅行記

10月7日(初日)
 朝起きて用意に取りかかる。なんだかんだと2時間くらい、忘れ物の無いようにしなくちゃね。前夜は夜遅くまで、洗足マスターズコンサートのリハーサルをやっていたので、帰りは終電だった。
 まず、楽器と譜面とミュート。マウスピースもお忘れなく!だ。それから、パスポートと航空券の引換券。洗面用具に着替えに、本番の服。暑い国だから「クールビズ」で。agis-bの薄手のパンツにyoji Yamamotoの黒いシャツ。これで良いだろう!あとは、コンピュータにデジカメに携帯電話。
 電話は昨日、インターネットで手続きを済ませた。インターネットブラウザで言われるがままにやるのだが、違うところをクリックすると、またもとの画面に戻ってしまったり。結局、携帯電話で電話しながら、コンピュータを操作する。何のために、インターネットで設定できるようにしたのか解らないね、全く。まあ2度目からは、覚えられるか?次はいつなんだ、海外に行くのは・・・
 それからお土産に僕のCDを2枚ずつ。作曲家が4人とプロデューサーと会長と事務局長。あとは現地で知り合った作曲家にでも渡すかな。忘れちゃいけないのが、先方から頼まれて購入した譜面。ジェフスキー「不屈の民変奏曲」。日本だと高橋悠治さんの演奏で有名。他には暇つぶし用の本とDVD。おなかとか風邪ひきの薬も持った。さて、出発だ。
10時45分吉川発、西船橋・船橋経由で京成電鉄で成田第2ビルに12時11分に到着。外は雨まじりのようだ。車で来る村田・堂山両名はまだ着いていない模様。上田・橋本は、航空券の都合で、先に飛び立っているはず。
 12時半に二人が着いて、団体のカウンターで航空券をゲット。クロノスツアーというツアーの切符らしい。レンタルの携帯電話を引き取りにカウンターKに行く。メールもできるとの事!次いで、一番奥のYカウンターで香港ドラゴン航空チェックイン。僕の荷物は規定の持ち込み荷物より大きいとの事で、預けてくれと言われる。アチョー!! だが、楽器なので心配で預けられないというと、とにかく、持ち込んで上の棚に上げられない時は通路に預けることで決着。一番安いチケットを買ったので、席は満席との事。最悪の場合は4時間半膝の上に抱えなくてはいけないが、まあ、なんとかなるだろう。
 出国ゲートを通り、トイレを済ます。喉が渇いた。何か飲もうという事で、私はグレープフルーツジュース。二人は早くもビール。中途半端な時間のフライトなので、ご飯が出るかどうか心配。カフェテリアではけっこう食べている人が多かったので、更に心配になるが、根っからの楽観主義、まあ、なんか出るだろうということで、搭乗ゲートまで行く事にした。搭乗ゲートまではモノレール?で行く。フランクフルトの空港にもあったかなあ?ロンドンだっけなあ?93ゲートに着く。機材はかなり小さい。エアバスA-321。ご飯が出るかどうか一番心配していた堂山君がカウンターでご飯が出る事を確認してくれた。ほっ。少し搭乗が遅れたが、ほぼ定刻にテイクオフ。3人横に並んで座ったが、狭いなあ・・・。中国語のアナウンスと機内誌。楽器ケースは、無事上の棚に収まった。
 機内食のメインはポークのみそ風味とチキンのマスタードトマトソースだったが、私たちの席に順番が回って来た時は、ポークしか無かった。意外にというとしかられそうだが、おいしかった。切り干し大根の煮たのなんてずいぶん久しぶりに食べたなあ。テレビを見たり、本を読んだり、眠ったりしているうちに、飛行機は香港に着陸した。
 無事イミグレーションを抜け(堂山君はワークビザを見せなかったら、観光ビザで一旦はんこを押されて、それを訂正するのに手間取っていたが)、久木山さん似のスタッフ(バースさんについては後述)の出迎えを受ける。高速道路を約40分走って、ハーバービューインタナショナルハウスに着いた。ラプソアーツマネ−ジメントのコング・ミューラン女史も出迎えてくれた。しばらくして、香港作曲家協会会長のジョシュア・チャンさんも到着。ひとしきり、明日からの行動について打ち合わせをしたあと、チャンさんお勧めの中国料理店に行った。まずは、チンタオビールで乾杯!おいしかったのは、香草の効いた水餃子。黒酢を使ったたれで食べるのだが、油こく無いし、塩味も薄くて、私好み。蟹と野菜(レタスのような)を卵白で合えて熱を加えたようなものおいしかった。青菜のもやし?もいけたなあ・・・とにかく、大満足。デザートはバナナとあんこの饅頭とリンゴを飴て絡めたようなもの、両方とも日本で食べるのとはひと味違っておいしかったですぅ。
 ホテルに帰り、自室に戻ると、目の前には海、海の向こうは九龍。素晴らしい歓待に大満足で床に就く。

10月8日(2日目)
 8時半から作曲家・プロデューサーを交えた朝食ミーティングがあるので、7時45分に起きる。旅行の初日はいつもそうだが、枕が合わないのか、何度も夜中にぼんやり目が覚めた。シャワーを浴びて、レストランへ。香港の作曲家3人(といっても一人はアメリカ人)とミューラン女史、そしてムジカラマ2005のプロデューサーのハウマンローさんが、待っていてくれた。英語でのやり取りは疲れるなあ、若い頃にもっと勉強しておくんだったと後悔する。海外に行くと毎度の事である。なんとかしないとなあ・・・と思うのだが、駅前留学する時間もないし、あきらめてしまう。作品の事で質疑応答。譜面のミスや抜け落ち、疑問点はクリアになった。細かな表現については、午後からのリハーサルでやることに。私からは、私のCDを、関係者にプレゼントした。気に入ってくれれば良いが・・・。
 食事の後は、腹ごなしに軽い散歩でもと思ってはいたが、ローさんがピーク(山頂)まで案内してくれるというので、橋本君以外の4人は、歩きと路面電車とケーブルカーを乗り継いで、ピークへ。観光客だらけだったが、ここからの眺めは素晴らしいものだった。夜には百万ドルの夜景となるのだろう。お土産店も覗いてみた。ソーラーで啼くコオロギのおもちゃが特価で1対で20香港ドル。生徒用にと思ったが、かさばるのでやめておく。1香港ドルは14〜15円(両替手数料を除くと14円弱)。豆乳と薬草茶を混ぜたようなドリンクを飲んだ。帰りはタクシーですーいすい。52ドル。距離の割にはすごく安い。
 若い二人は昼食へ。中年の二人は、まだおなかがすかなくて(苦笑)、部屋で休む事に。

 2時15分に迎えが来て、2台のタクシーに分乗して、大會堂シティホールへ。そのリハーサル室で、クリス・コールマン作品とフィオナ・チャン作品のリハーサルを作曲家立ち会いの元行った。クリスは村田君と同じくらいの年齢だが、僕よりもずっと上に見える。太っているせいか?フィオナは、ジョシュアの生徒で20代前半、眉毛のきりっとしたなかなか利発そうな女性だ。小腹がすいたので、バースさんに何か買って来てと頼むと、フィッシュボール(さつま揚げを球状にしたものです)とシュウマイの形をしたちくわぶのようなもの(何て言うんだろ?)を買って来てくれた。夜のリハーサルは対岸の香港フィルの本拠地、香港文化センターのリハーサル室へ移動しなければならない。当初一旦ホテルに戻りタクシーで移動の予定だったが、メンバーの希望もあって、真っ直ぐフェリーに乗る事になった。乗船時間は10分くらいだろうか?わいわい言いながら写真を撮っているうちに着いちゃう。ホールに楽器を残して、怪しい探検隊は街に繰り出した。この地区は九龍というのだそうで、古くからの歓楽街、更にごみごみしている。土曜日で買い物で賑わうKanton Roadをどんどん歩いて、九龍公園までたどり着く。私は公園で休みたかったのだが、お茶を飲みましょうという提案に従う。堂山君はここでも炒飯を注文。よくもまあ入るものだ。私はさっきのフィッシュボールしか食べていないので雪菜ソバを注文。塩味がきつかったが、ふらっと入った店にしては、まあまあいけた。帰り道はメインストリートのNathern Roadを帰った。世界のブランドショップが並んでいる。シェラトン、インターコンチ、ペニンシュラなど超高級ホテルもぽつりぽつり。ホテル日航もあった。
 7時からのリハーサルは、タンマンガイ作品とホーシャンシャン作品。タンさんは藤井さんと友人との事。ホーさんはタンさんの生徒で、ちょっと金子仁美さんに似たなかなかの美人学生である。いずれも気に入ってもらえたようで嬉しい限りである。バースさんに水を頼むと、今度はバナナも一緒に買って来てくれた。彼は音楽家の習性を良く知っている。帰りは夜景を見ながら、またフェリー。さてさて、夕食である。「三六九飯店」へ繰り出す。この店は、昼間にローさんに教えてもらっていたところだ。堂山君上田君は昼間も行ったが、おいしいし、他のものも食べたいので、また行っても良いという。日本に10年近くいたという親父さんが出迎えてくれる。リーゼントっぽい髪型、若い頃は相当遊んだんじゃないかあ?さて、料理は、炒めた豆苗と蟹肉を香草で炒めて片栗粉でとろみをつけたものが絶品。調味料が違うのか、全体のバランスなのか、全てのうまみが融合し合って、分析できない味になっている。薄めの塩味で脂っこく無い。私の嗜好にぴったり!!他には、春巻きに似た具を湯葉で巻いて揚げたものもグー。炒飯は素晴らしい!枝豆と高菜漬けらしい葉っぱとの料理(漬け物)もおいしかったなあ。全員大満足の帰途となった。
 ホテルに帰って、ようやく、インターネットに挑戦。プリペイドカードを買うと、ユーザーIDとパスワードが書いてあり、つないでから値段によって数時間使えるというもの。ちなみに1時間チケットは40香港ドル。4時間で60香港ドル。高いのか安いのか・・・。ホテルのどこでも使えて、ログアウトしたら無効になると、ホテル側は言っていたが、切ったりつないだりできそうに思える。とりあえず、使いぱなしにしてみるが。ところが・・・部屋に戻ったら、電波が弱いのか、全く使えない。なんだかんだしているうちに、30分も立ってしまう。仕方が無いのでホテルのフロント横のソファで作業をした。そうこうしているうちに、1時間はあっという間に経って、接続が切れてしまう。続きは、明日・・・

10月9日(3日目)
 久しぶりにぐっすり寝た。ゲネプロは2時からなので(1時半に迎えが来る)、ホテルで食べても良かったのだが、10時過ぎにふらっと街に出る。お粥の店とか、焼きそば・麺の店は朝6時半からやっているとの事。迷ったあげく、麺の店へ。予想と違うものが出て来たが、味はまあまあ。ドリンク付きで18香港ドル(270円位)。文句は言えんな。セヴンイレヴンもある。パイナップルパンと果汁と蜂蜜のペットボトル(蜂蜜レモンの香港バージョン)と水を買って、散策する事にした。海を埋め立ててできたと思われる大きな香港コンベンションセンターの周りをぐるっと回って、ホテルグランドハイアットの脇の公園へ。途中釣りをしているカップルがいたので「big fish?」と声をかけたら「No...」と笑ってくれた。公園では、毎朝何人かの人が、太極拳らしき体操をしているのだが、この日は一人、太めの男性(40歳くらいかな?)が一心不乱にゆったりした動きで、両手を交互に眉間と腰のあたりに上下させながら、一歩一歩前進したり後退したりを繰り返している。私もその横で日本仕込みの「野口体操」を始める。こちらの人は、知らない人には無関心なのか、私がぶらぶらふにゃふにゃやっている直ぐ横を、大声で話しながらすり抜けてゆく。ちょっとくらい反応してくれても良さそうなものだが・・・ひとしきりやって、休憩。先ほどのパイナップルパンにかじりつく。パンの中にパイナップルのかけらが入っているのかな?と思っていたら、こちらも思ったようなものではなかった。メロンパンのパイナップル版というところか。まあ、でも、体操で汗ばんだ身体には、酸っぱい甘さが快い。蜂蜜レモンもどきも疲れを癒してくれるような気がした。
 ホテルに帰りインターネット接続。今度はまるまる1時間使おうと、最初からホテルのフロントのソファで作業開始。入院中の父親の様子を姉がメールで知らせてくれている。順調に回復しているが、症状が出た原因は解らないとの事で、引き続き検査をお願いしたとの事。それ以外にもたくさんの仕事の連絡が入っている。便利だと思う。旅先に来てまで仕事の連絡が入って、追い立てられないか?という人がいるが、そんなことはない、のんびりしたければ、アクセスしなければ良いだけだ。そんな時、生徒からのレッスン依頼の電話が入った。電話は出かける前に予約して、成田で受け取ったもの、同じ番号、同じメルアドが使える。こちらは、日本に戻る頃にもう一度電話してもらう事に。
 再び部屋に戻り、体操をしてシャワーを浴び、譜面に改めて目を通した頃、出かける予定の1時半になった。最初に空港に出迎えてくれたバースさんが、今朝も時間ぴったりに出迎えてくれた。ずっと僕らのリハーサルにも付き添ってくれていたが、フットワークはすこぶる軽いし、実に気が利くし、こんな有能なステマネは見た事が無いほど。。その有能ぶりは、ゲネプロでも発揮され、実にスムースに最終リハーサルは進んだ。日本に連れて帰りたいなと誰かが言った。ちなみに多分30代(もしかして20代?)の男性だが・・・
 5時過ぎにゲネプロを終えて、軽い夕食を食べに、街に繰り出す。若い三人は、どんどん歩いてゆくが、私と村田君はリタイヤ。近場のファーストフード店で鶏ソバを食べて、高さ420mの国際金融中心二期(国際金融センター第2ビルとでもいったところか?)の真下まで行ってみようという事になった。でかい!高い!間抜けな事に、直下まで行くと、ビルの頂上は見えないのだ。下まで行って気づく。喉が渇いたので、ホールのティラウンジへ。私はスイカのジュースを頼んだ。スイカとしては普通だが、ジュースとしては初めての味。気分もリフレッシュ。
 さてさて、ステージのセッティングを変える際に、簡単な挨拶とメンバー紹介を中国語で私がやろうと日本を出る前から思っていたが、堂山君が適任と思いついた。彼の風貌は、どこか大陸的である。ミューランさんの指示を仰いで、カンニングペーパーを作成する(ちなみに本番では大受けであった)。そうこうしているうちに本番の時間だ。会場になったシティホールは、香港の最も古くからの文化の中心的役割を果たして来たとの事。響き過ぎず、今夜のプログラムには、ふさわしいホール音響だったと、コンサート終了後にタンさんから聞いた。
 コンサートは順調に進んで行った。アクシデントは、私が楽屋に譜面を置き忘れて取りに戻った(苦笑)くらいで、良い演奏ができたと思う。堂山君の香港語のスピーチは大受けであった。開演直前にミューランさんに教えてもらって書き留めたものだ。
 コンサート終了後は香港海鮮料理の店「明記」へ。高級店ではないとの事だったが、料理は秀逸!特に魚介類は、生け簀からすくって見せてくれた後、調理する。チャンさんの勧めるままに、エビとワタリガニと石鯛に似た黒い魚を頼んだ。調理は簡単。エビはちょっとした下味をつけてボイル。カニは、ぶつ切りにして、XO醤と数種の香草で炒めてあるだけ。黒酢の効いたタレにつけて食べるのだが、何もつけないのも美味。魚は煮て出て来た。こちらも香草(シャンツァイ/コリアンダーのような味。広東料理やベトナム料理には欠かせない)が効いて、しかも脂がのっている。九州の幻の魚といわれている「アラ」と「キンキ」の中間のような味。堪能というのはこういうことを言うんだろうね、おいしかったです!初日のお返しに、この日は、僕らでチャンさんをごちそうした。しめて1350香港ドル。6人で食べて飲んで一人約3000円弱だから安いね。地元の料理を堪能するには、地元の人に連れて行ってもらうのが一番だね。これ、世界中の原則!!

10月10日(4日目)
 橋本君と上田君は、朝7時、ホテルに空港行きのシャトルバスで帰国したようだ。日本の連休と重なってこの日の航空券は安いチケットすぐに売り切れたらしく、高かった。次はゆっくりしようと思ったに違いないが、空いてなければしょうがないねえ。残った3人は、ゆっくり始動。11時にフロントで待ち合わせで街に繰り出す事に。10時頃にフロントに行って、インターネット接続カードを購入、これで3枚目だ。メールチェックと僕のホームページの掲示板に書き込みをしたりして40分ほどで必要な作業は終わる。途中ログアウトしても再接続できるんじゃないか?と最初に思った実験を挙行する。ええい、Logout !!改めて再接続を試みるが、やはり繋がらない。どこかプログラムに不具合があるんだろう。優秀なシステムエンジニアの弟子諸君、香港に行って直してくれえ!!
 そうこうしているうちに集合時間の11時が近づいている。部屋に取って帰り、さっとシャワーを浴びる。概してこちらの冷房は効き過ぎで、普通にしていると寒いが、シャワーを浴びた後はひんやりして最高に気持ちいい。
 まず、昨夜チャンさんが、お腹いっぱいの私たちを「店だけ教えるから明日行きなさい。」と連れて行ってくれたワンタンの店に行く。しかし、残念ながら店にはシャッターが・・・。だめかと思いつつ店を覗くと、「店は12時からだけど、入って待ってて呉れるなら、どうぞ。」というような意味の英語らしき言語で迎え入れてくれた。もちろんワンタンとワンタン麺は頼んで、他にも2杯のソバと、ツルムラサキのような味の緑の野菜を茹でて薬味をかけたものを頼んだ。チャンさんのお勧めの通り、バランスのとれた味で、またもやお腹いっぱいになった。フー、満足満足。
 その他は、私は全くノーアイデアで、彼らの行きたいところにくっついて行く。村田君が漢方薬の店に行きたいというので、ワンチャイ駅から地下鉄に乗る。村田君はどうやら風邪を引いたらしい。とにかく冷房が冷え過ぎなのだ。さて、その地下鉄の駅にはムジカラマ2005の広告があるとの情報(実際に上田君と橋本君が初日に見つけて記念写真を撮っていた)だったので探したのだが、結局見つからず、帰りにもう一度探そうという事で、香港セントラル駅に行く。雑踏をかき分けながらどんどん進んで行くと、ありました!漢方の店。店構えも大層立派である。店内に入ると、まず、漢方薬の匂いが鼻を突く。奥では何やら怪しげな薬の調合をしている。私が購入したのは枇杷のエキスが入っている喉の薬。咳が出ると、僕らは仕事になんないからね。年代物の高そうな朝鮮人参が誇らしげに飾られていた。
 さて、次は、マッサージ。堂山君と上田君が昨日の本番前に行ったという店に行く。村田・堂山は足つぼマッサージ、私はどうせならと全身マッサージを頼む。212香港ドル、3000円くらいだね。私に付いたのは40歳くらいの女性のマッサージ嬢(?)で、片言の日本語をしゃべる。誰が教えたのか、伏せ字にしなくてはならないような言葉もしゃべっていた。もちろんマッサージの内容は、健全ですよ、言っときますが。チップをせがまれ、延長してやってくれたので、5米ドル渡した。本番後の背中の疲れが抜けて、身体が軽くなったような気がした。
 今度は、堂山君のリクエストで、地下鉄でペニンシュラホテルへ。地下のホテル直営店で、チョコレートを買いたいとの事。江古田にある居酒屋「梅吉」へのお土産だそうな。私は、ジャムを2種類買った。料理が趣味の村田君は、30分迷って、ペニンシュラホテル特製のXO醤を買った。260香港ドル、高い!使って料理する時は呼んでね!街をちょっとふらつこうという事になり、生徒のためにと思って、香港らしいお土産を探すが、この辺りは、観光客対象のお土産屋はなく、ペニンシュラでお茶でもするか?ということで、ホテルに戻る。堂山君は「ちょっと良いですか?」と言って、ブルガリの店へ。ブランド好きがばれる。ラウンジでお茶をしようと思ったが、ずいぶん並んでいるので、断念。歩き疲れたので、一旦、ホテルに戻って夕方まだ出直そうという事になった。帰りも地下鉄の駅で、我らのポスターを探すが見つけられず。ああ、残念。
 ホテルでは、今回のギャラの計算をした。今回のギャラは香港ドルでもらったので、両替する必要がある。日本で替えるより香港で買えた方が手数料が安いらしい。夕食は一度は高級店に行ってみるか?と思っていたが、手持ちにどのくらい香港ドルを残したら良いか判断できないのと、三六九飯店の親父さんにお別れをということで、またしても、三六九飯店へ行く事にした。各自これから明日の朝飛び立つまでに使う金額を概算して、残りをまとめて両替する。銀行は既に閉まっている時間であった。二人が行ってくれたので、私は書きかけたこの旅行記の続きを書く。4泊になる荷物の梱包も・・・。
 香港でも秋の陽はつるべ落としだ。夕闇が迫って来たなと思ったら、あっという間に暗くなった。百万ドルの夜景の時間である。2日目の昼にはケーブルカーで行ったのだが、今度はタクシーでピークへ。けっこう道は混んでいたが、ほどなく到着。昼間に来た時よりも客は多い。聞くところに寄ると、昔は、対岸の九龍地区の夜景がメインだったそうだが、今は、近代的なビルが建ち並ぶ香港島の方がすごい。大きなネオン広告のようである。堂山君がとある女性に声をかけられる!聞いてみると、彼が時々やっているミュージカルのお客さんだそうな。オーケストラピットの中の堂山君を憶えていたらしい。「こんな場所で会うなんて、何かの縁かもよ?メルアド聞いた?」とか、村田君が冷やかしている。「いえいえ、ぼくはそんなあ・・・」と色白の童顔を赤らめて応える堂山君であった。私はようやくここで生徒用のお土産を購入。つまらないものだが、キーホルダーと携帯ストラップを同じものが2個無いように33個(3個はサービス)購入した。本番の時のお守り代わりに使ってくれたらなあという思いである。
 さてさて最後の夜も夕食は三六九飯店である。親父が「またきたかあ!」と日本語で出迎えてくれる。「おじさん、もやし炒めと豆苗炒め。カニや鶏はいらない。」と堂山君はもはや全て日本語である。紹興酒も料理との相性は抜群。仕上げにまたしても、炒飯とワンタンを頼んで、大満足の、香港最後の食事となった。帰り際に、おじさんを囲んで記念撮影。そのうちBETのホームページに上げる事にしよう。一人自室に戻り、香港湾の夜景を見ながら、ここ数日の時間を振り返る。ちょっと飲み足りなくて、テーブルには、ギネス。元イギリス領だけあって、イギリス製のものは安いです。明日の朝は6時ホテル出発。5時過ぎには起きなくちゃ・・・

10月11日(5日目)
 5時15分に電話が鳴った。空港シャトルバスからのモーニングコールだった。寝ぼけ眼を熱いシャワーで醒まして、6時10分前に、チェックアウトのためホテルフロントへ。4日間のインターネット接続費用120香港ドル(1700円くらい?)。高いなあ。繋げるだけまだましかあ・・・。バスは10分遅れでホテルの前へ。次は向かいのグランドハイアットホテルに停車。ここで載せるはずの乗客が、待てども待てども来ない。結局、来ないまま、6時30分過ぎに出発。空港での貴重な時間を無駄に費やした。バスはぐるっと大回りした後、またホテル方向に向かって戻っている。あらら?またさっきのホテルに戻るのか?と心配したその時、海底トンネルに向かって降りて行った。香港は猫の額のような平らな部分と坂の街だ。一方通行や、グニャグニャと曲がりくねった道が多い。日本と同じく車は左側通行だが、運転する気にはなれないかも。空港の免税店で、ようやく家族と自分のお土産を買う。マフラーとTシャツ。街での買い物に慣れると、空港の価格は全て高いように思える。これまで幾度となく海外からの帰りの空港で経験する事だけど、日本の生活に慣れるとこの感覚はすぐに消えてしまう。日本人の中流階級意識なのかどうかはわからない。街中には、ペニンシュラのような超高級ホテルもあれば、貧民窟のようなところもある。貧富の差は、それでも日本は少ない方なのかもしれない。
 香港ドラゴン航空機は、快晴の空へ飛び立った。2007にはISCM(国際現代音楽協会)の世界大会が、香港で開催される。また再びこの地に戻って来れるだろうか?さようなら、香港、また、会いましょう!!

10月17日
 小泉首相が靖国神社に参拝した。香港滞在中でなかったのが不幸中の幸い。