今回はここ数年の間に各メーカーから発売された様々な水流ポンプについて雑感をお伝えしようと思います。
まず最初にこのような水流ポンプが本当に必要か、です。私たちが飼育する生物のほとんどが比較的浅い海に棲んでいるわけで、そこでは少なからず波やら潮流があります。それが生物にどんな影響を与えているかは個別に異なりますが、自然環境の再現がスタートラインだとすれば、ある程度の水流または強力な水流を作り出す必要があります。それはサンゴでもサカナでも同じです。
現在発売されている水流ポンプはコントローラの有無で大別できます。コントローラがない水流ポンプでは海中の再現はできないのでここでは割愛させていただきます。
水流ポンプに重要なことは、@コントロールが容易なこと・・・コントローラが付属していて水流の強弱やパターンが変えられる。Aコンパクトなこと・・・あまり大きいと邪魔ですし掃除も大変です。Bコストパフォーマンス・・・安けりゃ良いわけではありませんが、高けりゃ良いわけでもありません。バランスが大事。
ということを念頭に下記の製品をみてみますと・・・
TUNZE ナノストリームシリーズ TUNZEというと高級ウェーブメーカーというイメージがあるのですが、新型はずいぶんとリーズナブルになりました。 作りはさすがドイツ製きっちりかっちり作られています。水流ポンプの老舗だけあって様々なノウハウも込められています。見た目はかなりコンパクトですが最も小さい6040で90cm水槽は十分カバーできます。 操作性も良く、こういった製品にツマミをあえて使うところはさすがゲルマン民族、よくわかってらっしゃいます。静粛性も高く無音とまではいいませんが、まったく気にならないレベルです。 冒頭申しましたが、新型になりコストパフォーマンスも大きく向上しました。TUNZEの意気込みを感じる世界戦略的な製品です。願わくばこのように優れた製品はメイドインJAPANでどこかのメーカーが出して欲しかった。無理ですかねぇ。 定価 ¥26800〜66800 |
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WMP-Rシリーズ 驚きの低価格で衝撃デビューしたWMPシリーズも2世代目を迎えました。必要にして十分な機能とナイトモードなどの付加機能まで全シリーズ標準装備です。 細かな部分に多少作りの粗さが見られますが、実用上の問題はまったくなく、むしろこの価格でよくぞ作ってくれましたと感謝しなければいけませんね。 定価 オープン 実売約¥12000〜23000くらい |
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エコテック MPシリーズ 可変水流ポンプを普及させた先駆け的モデルです。一番の特徴はモーター部が水槽外にあること。これにより本体はもっともコンパクト、電源のコードもなくスッキリ爽やかです。また水中ポンプはけっこうな熱を発生しますが、その心配もありません。 あらかじめプログラムされたいくつかのモードと、マニュアルでも設定ができます。複数機種による通信機能やラディオンとの通信機能もあります。 設置も容易でどんな水槽でも対応できると思います。旧モデルは経年劣化によりモーター音がうるさく感じられましたが、現行モデルのQDシリーズは対策されまったく静かになりました。 旧モデルもリプレイスパーツはバージョンアップできたりと、ラディオンもそうですが、エコテック社の製品は旧モデルユーザーにも優しいメーカーですね。 価格的にはちょっとお高めですが、パフォーマンスとクオリティ、ブランドを考えれば十分納得のいくものです。 定価 ¥37700〜¥97000 |
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カミハタ ポラリオシリーズ このポンプは上記のモデルとは違い、本体左右から交互に水流を作ることができます。水槽壁面の中央に設置して右回転⇔左回転と洗濯機のような水流を作ります。 シリーズは3機種あり60〜120cm水槽くらいまで対応できます。動作音は静かです。コントロールは自動なので調整はできませんが、この製品に関してはコントローラは不要と思います。 設置場所に制約がありますが、製品そのものはコンパクトです。価格は高くもなく安くも無く、まぁこんなものでしょう。なにより寄せ波/引き波が再現できる稀有な水流ポンプであります。 定価 ¥15000〜¥20000 |