風邪をひいていても、行かずにはいられませんでした。15日のフィッシュマンズ的組合。
あんなに涙と笑顔が交互にやって来るライブは生まれて初めてでした。
きっとこれからも二度とあんな想いをすることはないことでしょう。
自分がどんなにフィッシュマンズを好きだったのか、あらためて強く感じさせられました。
今回、ラッキーにも整理番号が10番だったので、最前列で観ることができました。
オープニング、「piece of future」のデモトラック、リズムとコードに佐藤くんの鼻歌をループにしたものが薄暗い会場に流れ、ライブは始まりました。
ちょっとじん、としたところに「フィッシュマンズ組合」のメンバーが笑顔で登場。
「100ミリちょっとの」が始まり、ドラムの欣ちゃんが笑顔で歌いはじめたのを観たとたん、今までほとんど流さないできた佐藤くんへの涙が堰を切ったようにあふれてきて、声を殺して泣きました。
でもいつだって、フィッシュマンズの演奏は素晴らしい。
それはずっと泣いてなんていられないほど。そして、演奏するメンバーみんなからの佐藤くんへの想いと敬意が伝わってきて、それは眩しい程でした。
出演メンバーが交互に、フィッシュマンズの曲を歌ってくれました。
ハカセやユズルまでもが歌うのは、多分初めてだったと思います。
メンバーも、観客もみんなが嬉しくて、その一瞬一瞬を楽しんでいたと
確かに感じました。
フィッシュマンズの歌は気付いてみたら、ほとんどそらで歌えました。
わたしはライブのほうが、もしかしたらCDを聴いた回数よりも
多いくらいだったかもしれません。
それくらい、彼らのライブが大好きでした。あんな音の空間を創っていたのは
絶対に宇宙でも彼らだけしかいなかったと思います。
いろんな思い出や大好きな曲の数々、なんだかんだでほんとうにいっぱい泣いてしまいました。
でも、欣ちゃんがね。
ずうっと笑顔で叩いていて、歌っていたんですよ。
本当は一番つらいうちの一人のはずなのに。
そりゃあ晴々とした素晴らしい笑顔で最後までドラムを叩き、歌い切りました。
今回、フィッシュマンズ組合としたのは、このツアーが裏方スタッフから提案され、たくさんの方々の善意で実現されたことと、その場に参加した観客も「組合」に含まれているから、なんだそうです。
「フィッシュマンズの音楽が好きなら、お前も組合員だぜ!そうじゃないのか?」
とファンをあおった欣ちゃんの一言が、なんと嬉しかったことか!
わたしは、佐藤くんがいなくなったことなんて、信じたくない。認めない。
そう思って、告別式にはあえて行きませんでした。
今も、お別れを言うつもりはありません。
「さとちゃんの声はCDで残っています。CDを聴けばいつでもさとちゃんに会えます。
それって、素晴らしいことだよね。」
最後のメンバー紹介のとき、参加メンバーのどなたかが言っていました。
当たり前のことなんだけど、そう言ってくれたことが本当に嬉しかったです。
メンバーがめいめい首から下げていたパスに最高の笑顔の佐藤くんが
揺れていて、ライブ中それが目に入るたびちょっとだけ胸が苦しくなりました。
本当に、短かった3時間。あんなにたくさんの曲が演奏されても、まだまだ好きな曲がいくつもとり残されました。足は棒になっても、まだまだ揺られていたかった。
以上、自分勝手な感想でした。読んでくださった方、ありがとう。