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甲州ブドーのかもし仕込み白ワインとポリフェノールの関係 up date '01.9.08 |
我が社では2000年に「かもし仕込み甲州種」のワインを製造し来る2002年1月発売する予定です。
このワインは農林省系の(財)食品需給研究センターの平成12年度補助事業に採択され醸造と研究報告を行いました。赤ワインの仕込みと同じく梗を除いた後、果肉、果皮、種子を一緒にタンク内で発酵させ、ポリフェノール類が抽出ピークに達した後搾って「もろみ」だけをタンクに戻し後発酵を糖分が喰いきるまで(限界まで発酵させる)行いました。又その際、甲州ワイン独自のニガ味がどの位出るのかも試験しました。出来上がったワインは現在嫌気的タンク熟成とオークダル熟成の二通りの方法で貯蔵しています。
このワインの成分はアルコール分12.7°エキス分1.87の極辛口でポリフェノール類は989〜1129mg/l でした。専門家の官能検査の指摘は通常白ワインに比べて色が濃い、渋味が強い、ボディ感がある、香りが高い、心配されたニガ味は特に感じられなかった、等であった。
消費者モニターの嗜好調査ではプラスのコメントとしてお肉料理と一緒に飲むとおいしい、魅力ある味になる気がする、味が濃い気がするので濃い味の料理と一緒に飲むとおいしい、マイナスのコメントとして、ちょっと舌にぴっりとくる、後味が渋い、私には飲みにくい、等でした。
赤ワインの総ポリフェノール量は平均1500〜2200mg/l ありますが、その内赤い色素のポリフェノール、アントシアニンは20%位と言われています。すると残り1200〜1760mg/l
がプロアントシアニンを主体としたポリフェノールです。「かもし仕込み甲州」も種子(プロアントシアニンは種子から90%抽出される)と果皮から1000mg/l
位ポリフェノール類が抽出されています。白ワインでも「フレンチパラドックス」のワインが出来る。
つまり、ポリフェノールの王様プロアントシアニンが、赤ワインに近い量が「かもし仕込み甲州」には含まれている。 これが私の推論です。
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